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400字ショートショート

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400字のショートショートまとめです。 400字という限られた字数内で、ワクワクする物語、ことばのリズム、ことば遊びを織りまぜた体感できる読書体験を目指しています。 どうか楽しん… もっと読む
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記事一覧

【毎週ショートショートnote】理科室まがった

ある中学校の理科室が曲がるという異変が発生。 扉も捻れて中に入れない。 「俺様はリカデビ…

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【毎週ショートショートnote】だんだん高くなるドライブ

「今からゲームしない?」 後部座席の松田が言った。 「どんな?」 助手席の竹下。 「制限時…

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【毎週ショートショートnote】ダウンロードファーストクラス

「ファーストクラスに俺は乗る!」 高一の春、空道青年は決意し、ファーストクラス同好会を立…

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【毎週ショートショートnote】ヘルプ商店街

「助けて、ひったくり!」 アーケード商店街に犯人は逃げ込んだ。 『ここを突っ切れさえすれ…

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【毎週ショートショートnote】草食系男子に教えられたこと

私にはお気に入りのBarがある。 「おかえりなさい」 草食系男子のバーテンが、柔らかな表情で…

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【毎週ショートショートnote】名探偵ボディビルディング

ボディビル養成合宿の責任者ジムが、浜辺で死んでいるのが発見された。 以下、合宿参加者の証…

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【毎週ショートショートnote】ネコクインテット

【今宵、虎猫美術館より『天使の猫鍋』を頂戴する】 「また、キャッツ5の予告状か」 犬のお巡りさん、ポチも5匹組の怪盗には困っていた。 『天使の猫鍋』は、翼の生えた鍋に入った猫が天に昇る様を描いた名画。 猫に泥棒されるわけにはいかない。 ポチはある場所を訪れた。 行きつけのジャズ喫茶だ。 お目当ては、ネコクインテットの演奏。 引っ掻きまわす音の展開に、じゃれるような無邪気で自由な演奏のファンだった。 「俺も華麗に捕まえてやる」 その夜、虎猫美術館を囲うように101匹の

【毎週ショートショートnote】噛ませ犬ごはん

俺がこのキッチンの王だ。 朝は目玉焼き、昼は焼きそば、夜はステーキ。 休む暇もない。 夜の…

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【毎週ショートショートnote】大増殖天使のキス

地獄で大問題が起きている。 「いたぞ!」 鬼たちが血の池に集まっていた。 「やっぱり、エン…

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【毎週ショートショートnote】失恋墓地

「恋心、届いていませんか?」 『お相手は?』 「ゴトウ モサフミです」 『確認します』 こ…

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【毎週ショートショートnote】二次会デミグラスソース

「おい、あれ誰だよ?」 二次会に美女が現れた。 濃厚な良い香りが漂う。その美貌は会場の注…

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【毎週ショートショートnote】宝くじ魔法学校

【その魔法学校には選ばれた者しか入れない】 気がつくと、私は見知らぬ部屋の中にいた。 「…

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【毎週ショートショートnote】運試し擬人化

母さんが淹れたお茶に茶柱が立った。 「おお、ラッキー」 「父ちゃんばっかずるい!母ちゃん…

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【500字ショートショート】味噌工事

「今日は味噌こないの?見損なったわ!」 工事現場で作業員と主婦が揉めていた。 他にも人がいるけど何の騒ぎだ? 皆が帰った後、俺は作業員に尋ねてみた。 「何の工事ですか?」 『味噌の工事だよ。天然の生味噌を掘っているのさ』 味噌にも天然と人工があるのか? 組まれた足場から掘られた穴を覗くと、味噌の良い香りがした。 「食べられるんですか?」 『もちろん。ただ、この現場はまだ発酵が甘い。現場監督としては、最高の熟成味噌だけを採りたくてね。そうだ!明日の現場は不思議な