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8月30日(火)

・祖父の葬儀。95で亡くなった祖父。正直に話せば、祖父との思い出は良いものばかりではなかった。子供の頃、酒好きだった祖父が泥酔し帰宅してきた夜は、本当に嫌で仕方がなかった。母と言い合いをした後に、祖父の隣の布団で眠る夜なんかはいつも早く朝になってくれ、と願いながら布団の奥へと潜った。とはいえ、それ以外の思い出もある。茅葺き屋根時代には(小6まで茅葺き屋根の家に住んでた)、縁側をハエ叩きを片手にした祖父に追いかけられたこともあった(多分、何かしたのだろう)。用水路に流れてきたでっかい鯉を拾ってきたこともあった。家に巣作りしていた燕を襲おうと、蛇が巣まで登ってきたときには、炭バサミを片手に燕の子を救出した祖父。実の娘(母の妹)が病死したときには涙を流しながら、「悪かったなぁ」と母に懺悔していた祖父。上京するまでの間の記憶がほとんどだけど、祖父の影響を少なからず受けて育ってきた。
祖父の葬儀では、もしかしたら泣かないかもなぁと思っていた。でも、やはり最後の最後にはこれまでの記憶が混ざりあって、波のように一気に打ち寄せてきて、涙がこぼれた。祖母が祖父に最後に語りかけていた言葉は短いながらも、二人だけにしかわからない膨大な時間や想いが内包されているようで、また涙が流れた。祖父とのお別れは悲しいが、ここからまた一歩を踏み出せるようなそんな気もしている。
・葬儀で、小中の同級生のアオヒデ(あだ名)と再会する。親御さんの代理できてくれたようで、思わぬ再会についつい長話をしてしまう。
・納骨まで終え、自宅で家族のみでご飯を食べる。酒飲める組の父、自分、義弟でビールの注ぎ合いが始まる。父の注ぐペースがあまりに早すぎてツッコみを入れる。定年を迎えた父としては、こうして、自分よりも若い人とお酒を飲み合うという機会がほぼなくなったから、とても嬉しいようだ。お疲れ様でした。色々とお腹もいっぱいになり、シャワーを浴び、就寝。じいちゃん、ありがとう。

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