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指数関数的

指数関数的ということばがあります。よく使う方もいれば、自分では使わないけれど、ニュースなどで耳にするという方も多いと思います。最近だと、「新型コロナウィルス感染者が指数関数的に増加」などと使われます。
指数関数は、$${y=a^x}$$という形の関数です。x乗は、同じ数(a)を何回かけるかということです。
このまま、数式だけで説明すると、数学はちょっとという方には、読んでもらえなさそうなので、具体的な例に移ります。1人のコロナウィルス感染者が、1週間後に2人に感染させるとします。最初は感染者が1人だったとすると、1週間後には2人になります。2週間後は、2人の感染者がそれぞれ2人ずつに感染させるので、$${2\times2=4}$$人で、これを$${2^2}$$(2の2乗)と表します。同様に3週間後は$${2^3=2\times2\times2=8}$$人、4週間後は$${2^4=2\times2\times2\times2=16}$$人、……と増えていきます。
指数関数は、時がたつ(xが大きくなる)につれ、非常に大きくなります。先ほどの例だと、27週間 (約6か月)後には日本の全人口を超える1億3000万人以上となります。計算上は、33週間(約7.5ヶ月)後に、世界の全人口よりも多い85億人以上となります。想像以上の増加ではないでしょうか?
例はa=2の場合でしたが、2より小さくても、1より大きければ、同じような傾向になります。図にa=1.1の場合のグラフを描きましたが、xが大きくなれば、飛躍的な伸びになります。
「指数関数的」は主に増加に使われますが、aが1より小さい場合は減少になります。完全に0にはなりませんが、どんどん0に近づいていきます。感染症対策で、1人が何人に感染させるか(実効再生産数と呼ばれます)が重視されるのは、このためです。
指数関数は特殊な関数のように思われるかもしれませんが、自然界や社会のいろんな場面に登場します。
毎日0.1%だけでも何かを増やしていけば、1年後には1.4倍、4年後には4.3倍になります。何かは、売上、知識等、増やしたいものを当てはめてみてください。逆に、毎日0.1%ずつ減っていけば、1年後に31%ダウン、4年後には77%ダウンとなります。
少しずつでも、昨日より成長するか後退するかで、数年後には大きな変化となることがわかります。いきなり大きなことをしなくても、昨日よりほんの少しずつでも成長を続けたいものです。
参考までに、aが虚数(2乗してマイナスになる数)の場合は、(正確な表現ではありませんが)増えたり、減ったりを繰り返します。案外、こういうケースが多いようにも感じます。


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