むかし書いた韓国コラム #1

 「美女応援団」とか「美女軍団」とか北朝鮮の女性応援団をめぐる報道ではその美貌が強調される傾向が強い。確かに彼女たちは美人だが、だれでも応援団になれるわけではなく、厳しい選考基準があり、美貌もその基準に含まれているのだろう。ふるいにかけられて残った人たちなのだから美人なのも当たり前か。一方、三池淵管弦楽団の団長で事前準備のために訪韓した玄松月氏についても「美女団長」と呼ばれるなど美貌がクローズアップされている。

 だがあまり美人であることばかり強調するのも考えもの。今後もし北朝鮮から女性高官が来た時に単に「女性高官」とだけ報じられたなら、「あぁ、今回の人は美人ではないのだな」と余計なことを考えてしまいそうだ。美人応援団も、北朝鮮の応援団ばかり脚光を浴びがちだが、他国の応援団に美女がいないわけではあるまい。

 経済制裁など北朝鮮には厳しい対応を取る国際社会だが、北朝鮮の女性には甘いようだ。

【解説】
 このコラムはちょうど平昌五輪の時期に書いたもの。当時北朝鮮からは金正恩委員長の妹である金与正氏が訪韓しているが、メディアで彼女が「美人」とか「美女」とか書かれていた記憶はない。彼女がこうしたメディアの報道を見ていたならどう思っただろうか…。

(初出:The Daily Korea News 2018年2月7日号 note掲載に当たり解説を加筆しました)

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