前回は、投資やNISAの前に自分の人生設計や価値観、夢、方向性を明確にしないと投資がそもそも成功しないか、挫折する可能性があることを書いた。まだ読んでいない方は、上の記事から読んでいただきたい。

その上で、今回は、金融商品に限らず私たちは生活の中で普通に「投資している」ことを実感する必要がある。

貯金も投資ではあるが、投資は、何も金融投資に限ったものではない。
あなたの資源は、自分の才能、経験、体験、物、お金、時間、人間関係、やる気なども立派な資産だ。

一般的に言われている投資は、お金に当たる金融投資だが、特にこれから金融投資を始めようとするなら、金融商品よりもまずは自分の頭に投資をした方がよい。

なぜなら、株を正確に判断できるか否か、これからの経済がどうなるかの見通しや仮説を立てて手を打っていくのは、他ならぬあなただからだ。

そして、投資に関する知識や参考材料を集めずしては、金融投資もすべて「投機」になってしまうからだ。

投資と投機の違いとは

ここで「投資」と「投機」の違いを定義しておこう。
投資家の古典と言われるベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」を引用する。

「投資とは、詳細な分析に基づいて、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動を指す。そして、この条件を満たさない売買を投機的行動であるという。」

つまり、投資とは、限りなく詳細な分析に基づいて、元本損失のリスクを回避しつつ、かつ分析した通りに収益を得る行動であり、

投機とは、単なるあてずっぽうで売り買いをして儲けようとする行動すべてである。

会社であれば、きちんと市場分析をしてから新商品を企画し、リリースすることであったり、たとえ経営者の鶴の一声で決まった案件であっても、経営者のこれまでの経験や仕事的な勘で頭の中で分析が高速でできたものかもしれない。

周りの従業員が理解できなくても「当たった」場合は、それはその経営者の磨いてきたビジネス的な経験則や勘が極めて正確だったということだ。（再現性がないので奨励はしないが、、、）

会社は、基本的に堅実な投資をしている。そうでないと持続可能ではないから当たり前といえば当たり前だ。

しかし、これが個人レベルになると、稼ぎたいという欲望につられて投機が多くなってしまうことがある。

また、投資は、いろいろ調べなければいけなくなるので、手間と言えば手間だ。

世界的に有名な投資家のウォーレンバフェット氏は、1日に500ページも企業のレポートを読んだり、情報収集に時間を使っているという。

手っ取り早く仕事以外でも稼ぎたい欲求から投機をしてしまうのは、仕事がよくできて忙しい人でもやりがちなことだ。

しかし、お金は、自分の時間と労力、スキル、人脈、経験や体験を駆使して生み出した大切な財産である。それを投じる以上は、最低でも元本＋インフレ率以上の％は守らなくてはいけない。

正確な自己投資は、１０倍株以上の値打ちあり

要は、お金を使った以上に自分が思っていた期待値を超えるものに使えているかということだ。

例えば、時給が1000円のアルバイトをしていた時に、1000円で仕事のスキルアップで有名な方の書籍を購入し、それを2時間で読み終わったとする。書籍代と時給を換算するとあなたは、3時間分（3000円）をその書籍に書かれている知識を得るために使ったことになる。

果たしてその知識は、3000円以上の価値を持つものだったのか？
仮にその後、あなたはその知識を使って、仕事を効率化して、毎日1時間かかっていた仕事を自動化することが出来たとする。

そして、年間稼働日数が260日だとすると、あなたは260日×1時間＝260時間/年の生産性向上をしたことになる。
たった3時間を使ったことで、260時間/年を生み出したので、その費用対効果は、単純計算で約87倍にもなる。

自己投資が一番確実というのは、このような例を挙げればきりがない。

資金が少ない10代~20代は、特に自己研鑽や人脈、学ぶことに投資をするという良いというのはこういうことでもある。

また、30~40代と社会に出てからも学んでいないがやってみたい分野に挑戦するのも立派な自己投資であり、失敗のリスクを軽減し予防する点でも賢い投資である。

＜まとめメモ＞
・投資は、何も金融商品だけではなく、生活のすべてが投資になっている。
・まずは、今自分がとっている行動が、本当に「投資」になっているか「投機」になっていないかを確認しよう。
・最初の最強の投資は、自分の頭や体、心への投資。正確な自己投資は、10倍株以上。

「使える」「ためになる」書籍・ツールの紹介

賢明なる投資家
マンガでわかるベンジャミングレアムの投資術
マンガでわかるバフェットの投資術