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大きな転換期となるか?

7月21日に行われた参議院選挙は議席数を減らしたものの与党が過半数を維持する形で終わった。私は今回の参議院選挙以上に11月に行われる「ある選挙」に注目している。

チュニジアの大統領選挙だ。大統領選への出馬を表明したチュニジア自由党党首バアトゥール氏はムスリムでありながらゲイであることを公表している人物だ。チュニジアでは刑法で同性愛が禁止されておりバアトゥール氏は同性愛行為で有罪ろなり服役した経験もある。

チュニジアに限らず、いわゆるイスラム国家では同性愛を禁止している国が大多数だ。
東南アジアの国を見渡すだけでも、ブルネイでは同性愛行為や不倫に対し、投石による死刑を行う法律が存在し、マレーシアでも同性愛行為に対しむち打ち刑が執行されている。さらにインドネシアでも公開むち打ち刑が行われている。
このように「イスラム=性の多様性を認めない」というイメージを持っている人が多いかもしれない。しかし、特定の性行為を取り締まるソドミー法の存在はイスラムとは関係なく、一昔前まではどの国でも存在していた。そもそもソドミーとは「自然に反する」という意味であるが、現代的な視点から言及すれば「LGBTへの理解」と置き換えることもできるだろう。

日本では同性愛行為に対する罰則規定は存在しないものの、同性婚は一部の自治体で「パートナー制度」として導入されているだけで法的には認められていない。実はG7(先進国首脳会議)の加盟国で同性婚が法制化されていないのは日本だけだ。そして選挙ですら争点にならなかったことに私は複雑な感情を抱かずにはいられないのだ。

ちょうど今から50年前、1969年ニューヨーク市のバーでLGBTへの取り締まりが発端とした暴動が発生した。いわゆる「ストーンウォールの反乱」だ。その後に続いたLGBTの社会運動が世界を動かしたことは、あまりにも有名だ。

ストーンウォールの反乱が50年の時を経て、変革の波がチェニジアに届くのだろうか?
必見だ!

(Text ナセル)

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