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(イス)Doesn't have a religion

 毎年8月末に開催されるエンディング産業展。葬儀や埋葬、仏壇だけでなく終活のコーナーもあることからビジネスマンだけでなく、一般人も多く訪れる展示会である。私はこの展示会のスタッフから興味深いエピソードを聞くことができた。

 受付で初老の女性から、こんな問い合わせがあったという。「ここの会場って仏教の人ばかりいるんですか?」スタッフが「はい。日本ですので基本的には仏式のものが多くなっています」と答えたところ、女性は「無理!無理!気持ち悪くて息ができなくなっちゃう」と言って立ち去ったという。 

 そもそもの大前提として日本で仏教と無縁で生活など成立するはずがない。もちろん葬祭も必然的に仏式が多くなることなど考えずとも分かると思うのだが・・・はたして彼女は何のために来場したのだろうか?もちろん彼女が何の宗教を信仰しているかは不明だが、少なくても仏教以外を信仰していることは間違いないだろう。このエピソードと同じように、他宗教との関わり拒絶した人物のエピソードがインドで話題となっている。

 

 インドにはレストラン検索・食品配達サービスを手掛ける「ゾマト」というサービスがある。日本における「UberEats」のようなものだと理解して頂きたい。そのゾマトを利用したヒンドゥー教徒の男性が、ムスリムに見える運転手が食べ物を運んできたため、受け取りを拒否した。このヒンドゥー教徒の男性がTwitterに投稿した内容が大きな波紋を呼ぶことになった。



「たった今、ゾマトの注文をキャンセルした。私の食べ物をヒンドゥーでない運転手が持って来たのに運転手は変えられない、返金もできないと言われた。私は、欲しくもない配達を無理やり受け取ることはできない、返金はしなくていいからキャンセルすると伝えた」


このツイートに続いて男性はゾマトのカスタマーセンターとのやりとりのスクリーンショットを公開している。男性の主張はこうだ。

「今はシュラヴァナ月(ヒンドゥー教における聖なる月)だからムスリムからの配達は受けたくない」

これらの投稿に対し、ゾマトの公式ツイッターアカウントは「食べ物に宗教はない。それが宗教だ」と返信。この返信には数万件もの「いいね」やリツイートが付き、いわゆる「バズる」という状態になっている。

この2つのエピソード、あなたはどう感じますか?

(text by ナセル)



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