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(イス)ナセル 一蘭のラーメンを食べに行く!

本日、新元号「令和」が発表され「平成」も残すところ1ヶ月となった。
「令和」の大イベントとなるであろう東京オリンピック。オリンピックの開催に向けて食事制限のあるムスリムでも利用できるようなメニューを提供する店が増えてきた。

 しかし、ラーメンは有名な日本食でありながら、食べられる店が非常に少ないのが現状だ。豚骨ラーメンは言うまでもないだろうが、醤油ラーメンや味噌ラーメンにも大抵の場合は背脂やチャーシューなどの豚食材が入っている。そんな事情を知ってか知らずか、ある有名なラーメン店が「豚食材ゼロ」のラーメン店をオープンしたのをご存知だろうか?
 なんとその店をオープンしたのは、濃厚な豚骨ラーメンで有名な一蘭だ。店舗が西新宿にあると聞き、私も早速食べに行ってみた。
 新宿駅から徒歩5分にある店舗に到着し、入店すると食券を買うように言われた。メニューを見るとトッピングが入ったものは1杯1800円もする。シンプルなものでも最低1杯1180円というの値段設定には正直驚きを隠せなかった。有名店なので全体的に割高なのかと思ったが、後に調べたところ通常のとんこつラーメンは1杯890円だという。  
 この店舗で提供するのは「豚をまったく使わないラーメン」でありながら「ハラール認証を受けた材料は使っていない」「イスラム教徒に特化したものではない」と説明している。ふと店内を見てみると、たしかにムスリムらしい客の姿はない。しかし、いくら「イスラム教徒に特化していない」と言っても新宿駅から徒歩5分の立地であれば、ムスリム観光客が殺到してもおかしくなさそうなものだが…やはり価格が問題なのだろう。
 
 同じようなケースは他にもある。ラーメンと並ぶ人気食のカレー。その大手であるCoCo壱カレーでは「ハラールCoCo壱」を新宿と秋葉原で展開している。CoCo壱は一蘭と違い明らかにムスリムをターゲットにしているが、現実は同じように苦戦しているようだ。
 2ヶ月前、私も初めて新宿のハラールCoCo壱を訪れてみた。ランチタイムだというのに店内には私以外の客は1人しかいなかった。その理由を私は明らかに理解できた。この味を求めて客は来ないだろうと・・・

 ムスリムも食事をするときは日本人と同じだ。「安くて美味しいものを食べたい」のだ。人間が共通して持つ基本的な考えを見失い、「ハラール料理を提供=ムスリムが来店」と勘違いしているレストランが急増しているように私は思えてならない。

(Text ナセル)

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