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【世界一周・旅のカケラ #38】自分たちで出した、私たちのこれからの答え

ときどき、すでに自分のなかにある答えでも、つらくて認めるのに時間がかかったり、口に出せないときがある。

今日は、ジョンと私は出逢ったときから、ほんの少しの可能性に白黒つけずにいたひとつのことに答えを出した。

私たちのこれから…。

「彼は彼の旅を続ける」
「私は私の旅を続ける」

こんなことは、最初から90%わかってたんだ、私は。そしてきっと彼も。

それでも、一緒に向き合ったことに意味があったと思う。すべてをシンプルにして、自分たちの内側を見つめて導いた、そして認めた、私たち2人の答えだった。

以前も触れたけれど、私は自分のルートを変えてもいいと思っていた。旅の計画だって、進路だって、大枠だけ決めているものの、そんなものに縛れる旅ではない。そのときの気持ちを大切にし、ときに流れに任せ、その柔軟さこそが私の旅のだいご味でもあった。

それは私が、旅の途中のできごとの価値を重要視していたから。日常から切り離された旅路で出逢う人やできごとこそ、その後の方向性を決めるものだ、とすら感じていたから。

そしてもちろん、私にとってジョンにはその価値があったから。

でも残念ながら、ジョンにとっては違ったようだ。

この数日、私たちは時間を見つけてはこのテーマについて語り合ってきた。それが、あるとき突然急展開を迎えたのだ。

きっかけは、彼があまりにうじうじと「mia、僕のなかは君ほどシンプルじゃないんだ。思ったことをストレートに行動に移すほど子供じゃないし、いくらmiaのことを想っていても、別の角度から見たらいろんなほかの問題が見えてるんだよ…」blah blah blah…!

その話も、途中から耳に入って来なかった。ずっと同じことを言ってる彼、その様子はそうやって私より、自分自身を説得しているようにしか見えなかった…。

彼がどれだけ説明したって、いや説明すればするほど、すべてが言い訳に聞こえた。彼のなかで答えは出てたんだよ、だけどそれをそのまま私に伝えると傷つけるとか、彼なりにしっかり考えて出した答えだと見せたかったのか、とにかく話が長かった。

そこで私は一括したんだ。

「私は、自分のルートを変える覚悟ができていたんだよ。そんなことは自分にとって大したことではない、特にそれ以上に大事なものがある場合は。そしてその大事なものが、君だったの。なにが今このとき、一番大切なのかは一瞬一瞬、自分で感じて決めたい。自分で選ぶことだからこそ、その責任は喜んで取るよ。君が心配することでもない」。

彼はずっと私の話すのを見ている。私は畳みかけた。

「結局、あなたはあなたの旅が大好きで、それを続ける。だから私も私の旅を続ける。シンプルにこれが私たちの答えでしょ」。

私のことが絡んでものごとがややこしくなるのなら、彼のなかで私の存在はその程度なんだってこと。旅とお互いを天秤にかけてみればいい。

旅>mia
旅<ジョン

私だって苦しかったけど、これが一番しっくりきた。本当は、本当は私も彼にとっての特別な存在になれればって、何度も思ったし期待した。だから決断を急ぎたくなかったんだよね、きっと。

「Perfect デス」

話終わって「なにか言ってよ」と言う私に対して、今にも泣きそうな目をしてそれだけ言ったジョン。そして「ちょっとひとりになりたい」と部屋を出て行った。

私は、ひとりになりまだ少し放心状態のまま、それでも言うべきときに言うべきことを言った、その達成感でスッキリしていた。

しばらくして彼が戻ってきて、開口一番に言った。「You are tough! (君は強いよ)」。半ば呆れるように、眉毛をへの字にした笑顔で。そして私も笑顔になった。

この日はこの後も、ずっとたくさん語りながら一緒に過ごした。

気になっていたランバトゥリのロティ屋さんで、外の小さな席に座って「美味しい、美味しい!」と2人でロティを頬張った。その後は、当時カオサンとランバトゥリのあいだにあった、行きつけのガソスタバー(旧ガソリンスタンドを改装したバー)で、CHANG(チャン)ビールを飲みながら、目に見えない世界の話とか、精神世界の話とかたくさんした。私は、当時からそういう話ばっかりしてたのだな。笑

今よりまだずっと、そういった世界に開けていない時代だったから。そんな話を聞いてくれる彼を、やっぱり大好きだな、と思っていた。もちろん現実の選択は、もう覆らないけれど。

出逢うことになっていて、お互いを見つけて一緒にいることができた。それは奇跡だよ!旅人の聖地バンコクに、いったいいくつの宿があるのよ。笑

今、まだ目の前にいるこの人が、目の前からいなくなるまでは、最大限に楽しもうと気持ちを新たにした。

この記事があなたの旅欲を掻き立て、また旅の気分を味わってくださったなら幸いです。ガイドブックにはない、ちょっとディープな旅を書いています。サポートいただけたら、また旅に出て必ずこのnoteにてreturnします♡