#76 多様性はどこにあるのか

#SDGsへの向き合い方
#多様性を考える


私達は「サステイナ部ル」という部活動の一環として、愛知県のブラジル人学校でプロジェクトを行った。

現状、愛知県には工場地帯が多く、ブラジル人労働者が日本で1番多い。
外国人労働者の家族の健康問題はかなり深刻だ。彼らは日本人よりも相対的に所得が低い傾向があり、外国人労働者がたくさん集まる団地で育つ子どもの中には20歳以下の喫煙や飲酒が多く確認されている。

私たちはSDGsのゴール3「すべての人に健康と福祉を」の観点から、外国人労働者の子ども達に対して健康授業とサッカーイベントを実施している。
組み立て式サッカーボール「My Football Kit」を子ども達と組み立て、そのボールでサッカーを楽しむ。子ども達はキラキラとした笑顔で近寄ってきて、ポルトガル語で話しかけてくれる。私はポルトガル語はわからないが「ちょーたのしい!」のようなことを言っていたことはわかった。私はサッカーに「国や言語を越える力」があることを実感した。そして健康授業を行うころには私たちと子ども達の間には何の壁もない。
健康授業で喫煙者の真っ黒な肺の画像を見た女の子がムンクの「叫び」をしていた。
通訳さん曰く「お父さんに教えてあげよう」と言っていたらしい。私は彼女の「叫び」を忘れられない。なぜこんなにも純粋な子ども達が、タバコを吸ったりお酒を飲んでしまうのだろう。子ども達が悪いわけではない。絶対に。

私は日本人が自分達を単一民族国家だと主張し、移民(多様性)を受け入れる準備ができていないことに移民の子ども達の飲酒や喫煙の原因があると思う。
日本語が流暢な女の子が私に教えてくれた。「日本の学校に行ってたけど、やめちゃった。友達ができなかった。」
私の脳みそは1秒間止まった後、
「そうなんだー。私と友達になろう」という言葉を絞り出した。
親の都合でつれて来られた土地で謎の言葉を話す外国人がクラスに40人。寂しいなんてものではない。頑張って話そうとしてもみんなとは観てるテレビが違う。そして、解決方法としてブラジル人学校への編入を勧められる。解決になっているのか。多様性を排除しているだけではないか。

「健康」が問題かと思いきや「多様化との向き合い方」の問題である可能性が出てきた。

ここで「移民第二世代問題」の話をしたい。
移民第二世代とは日本に渡ってきた外国人の次の世代(子ども)を指す。第一世代の移民は、ほぼ日本語が話せず、ある程度の覚悟を持って日本に来ているため、罵倒されたり馬鹿にされることに気づかなかったり、耐性がある。しかし、移民第二世代となると小さい頃から日本で過ごすわけだから、ちょっとは日本語を理解しているし、自分の家庭が他の子ども達と違うことを受け入れづらい。
日本人の親とは違う自分の親に反抗したり、学校ではなくゲームセンターに通いだす。ゲームセンターに行くと何が待っているだろうか。タバコを吸っている同級生や先輩だ。

私の感覚だが、日本の不良と呼ばれる人達は異文化も平等に受け入れてくれる。ヒップホップ、ラップ、スケボー。すべてストリートから日本に広がった。彼らにとって外国人とか異文化とか、そういうのは関係なく、「気に入るか気に入らないか」だ。私たちよりもよほど多様性を大切にしている。

日本で生き残るためには多様性を排除しないと生きていけない。優等生は多様性を大切にしているアピールをしていても、将来は大企業に入り外国人労働者を安月給で働かせている。

もしも、この世界が救いようのない世界だと思ったら、あなたから変わろう。あなたがこの子どもたちを理解してあげよう。一緒にタバコを吸うのではなく、スポーツをしよう。

13代目 ゆうと



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