NewZealand 2

2008.April

りんごを取り続けていたある日、マネージャーのトリッシュから「明後日から10連休よ」と告げられる。。。
この農家はいつも突然休みになったり仕事になったり ものすごいゆるい。
この農家に集まった人達はみんな目標をもってお金を稼ぎにここに集まってきているから あまり休みばかりでも困ってしまうのが事実。
でもせっかくの連休なのでいずれ行くつもりだった北島へキャンプしに行くことに決めた。

「休み!?」とブーブー言ってたみんなもいざ休みモードに切り替えるとウキウキしていた。
マーティンはヒッチハイクで南島のウエストコーストへ10日も行くとは思えないほど身軽にテントも持たず出発。
彼女のディサはMotuekaのカフェで働いてるので留守番。
ルゥはブレナムというブドウ畑(ワイン)の多いところへ10日間働きにいくらしい。
その他のみんなもMotuekaの周りには3個もナショナルパークがあるから(かなり自然が美しい!!)そこに行く人もそれぞれたくさんいた。
本当にNZは自然大国だなぁと思う。素晴らしい。


私たちは愛車のチャーリーと共に晴天の下出発。初日はフェリー乗り場までの途中にあるNELSONという町に寄り道。
この町の週末のマーケットは大きくセンスもよいと評判で沢山の鮮やかなお店があった。
すると、ドイツ人の「カーストン」&「イヴァ」カップルとバッタリ。2人はイヴァがアボカドの種で作ったアクセサリーを売っていた。
この2人はMotueka近くのTakakaという美しい静かな町で、農家にステイしていて1度私たちがステイ中のキャンプへ遊びに来たことがあった。
2人に北島に行く事を話すとTaupoという町で素敵なキャンプスポットがあると(FREE)教えてくれた。Taupoと言えば温泉と聞きテンション上がります。
その後、カーストンはマーケットの中央でディジリドゥでバスキングを始めた。すぐに人だかりができてみんな次々コインを投げ入れていく。
カーストンは野生動物みたいな人だと私は思っていて、(特に瞳)そのカーストンらしい力強いリズムが心地よかった。


フェリーで北島のウェリントンに無事到着。1つ1つの町がとても小さい南島とは別の国を思わせる首都のウェリントン。慌て気味で押され気味な私。
今考えると 東京だけでも1200万人いる日本に対してNZの首都には15万人!!更に付け加えるとNZの全人口は400万人弱!!!日本1億2500万人!!
面積はNZの方が少し小さいにしても32分の1の人口しかいない。
その内400万人中の70%が北島30%が南島に住んでいて 南島の方が面積は大きいから南島はホント人がいない!!!
とは言っても70%いる北島も人が多い感じは全く受けない。

ウェリントンは街なのでキャンプは不可能。そのまま北上することに。海沿いを走りながらキャンプ出来そうな場所を探す。人目につかず静かなのが条件。夕日も沈みかけた頃きれいな砂浜を発見!!今日はここに泊まります。大きな大きな夕日が沈んで、明るい夜がやってくる。今夜は半月上弦の月。海に映る姿はまぶしかった。
2人でシーナパスタ(椎名誠さんの代表的世界1簡単なパスタ)をおいしくいただく。


翌日快晴の中チャーリーを走らせカーストンお勧めTaupoに北上。日曜日だったので通過するどの街でもマーケットが広がり、人が集まっていた。
マーケットと聞くと心躍る私はいくつも立ち寄っては新鮮な野菜を気付けばこのキャンプでの10日間では充分な程買い込んでいるし。でもどの野菜も新鮮で魅力的だった。

朝から3~4時間ドライブ。北島の大自然を進む。NZは車も少なく道も広々。NOストレス。
素敵な旅の始まりに気分も最高潮。
・・・・・・・でもハプニングはいつでもそう、突然やってくる。

チャーリーに鈍い聞きなれない音が・・・
「ボッボッボッ・・・」
続いて金属音がしたかと思い、振り向くとコロコロ転がるチャーリーの部品たち。
前に向き直るとさっきよりも更に強い音と共に黒煙がぁぁ!!!!!
えーーーーーーと思っている間にエンジンストップ。
それもハイウェイど真ん中。
NZは街と街の間はお店も全くなく 辺りには何も見当らず・・
オイマリヒッチハイクにて隣町まで乗せてもらう。今日は日曜日、NZは日曜日結構お店が休みのことが多い。修理屋さん開いてるかも不明。

流石にねぇ!!廃車・・?ナイナイナイナイ!!!とチャーリーと待つこと30分。オイマリレッカー車と共に登場。
私たちが1ヶ月半前$800で買ったこの子の修理費は なんと$1500!!!
オーマイガッ!!
もしくは廃車・・選択枠は2つ。
その瞬間私たちの別れは決定した。毎日かわいがったポンコツチャーリーは名前すら知らないこの街で廃車となることに・・・
別れを強いられ荷物をまとめるも車で来てたので超荷物!!そいや野菜もたっぷり・・
感謝を込めたビッグハグののち、ヒッチハイクの旅に変更。
事実上、行きたかった北部のパーマカルチャーを実施している所へはいけなくなった。
それにしても久々の大打撃!!北島TRIP始まってまだ2日目なんですけど・・・

気を取り直し ヒッチ開始!!ありがとう、3分でお兄さんに拾っていただく。それもTaupoの私たちの目的地まで行ってくれるという。感謝。後部座席よりこの人に良いことが起こるよう祈る。

Taupoは大きな湖の広がる観光地できれいな街だった。カーストンから薦められた場所は街から少し離れていて静かで人もいなくてそこでのキャンプは即決定。
食材だけはたんとあるし美味しい夕食を作りくたくたなのですぐ眠りについた。
・・・しかし車ってなんて便利なんだろーーー。

翌朝、3日目今日も晴れ!水量がものすごいと言う滝、フカフォールへのトランピング開始。すぐ着くかなと思っていたけど2時間山を登り、下り、かなり気持ちがよかった。
途中 NZの「トゥイ」と言う鳥が話しかけてくるので、(Tuiはいろんな鳥の鳴きまねができたり、時には人の言葉もまねるという)
「オイ!鬼太郎ッ!!」を教える。本当に「オイ!キタロー」って言えていた。
ゴーーとすごい音がしてきてフカフォールに到着。ものすごいとは聞いていたけど本当に大迫力で、エメラルドグリーンと真っ白なしぶきが吼える。高くから落ちる滝ではないけどひたすら流れる水の量にびっくりだった。この大きな滝はTaupo湖から来る水で 上流に歩いていって透明度にまた驚く。きれいな水は何であんなに興奮させられるんだろうか。。
美しい自然もこの水から出来ているんだろうなぁ。

川を更に上流へと進む。「!?」湯気の立ち上る場所発見!!
なんと、天然温泉を発見!!何人も温泉に浸かっているー。
温度もばっちりでため息漏れました。温泉素晴らしいねーーーーー。
それも昨日泊まった場所から歩いて10分の所だと後から気付く。本当にラッキー。ついてます。

と言うわけで4日目は早朝 張り切って目覚め、温泉へ。狙った通りの貸切風呂。
ここには小さな滝もあり、打たせ湯も天然。
極楽としか言えません!!
温泉からキャンプへ戻る途中 整備のおじさんと出会う。
あれれ?
私たちが泊まっていた広くて居心地のいいココはれっきとした公園だったのだ。とにかく広い公園の端っこだったから気付かなかったよ。
でも もちろんキャンプはしてはいけません。


と言うことで次の街へ。次に目指すはRrotoruaというここから1時間半の所にあるNZの先住民マオリ民族の文化の根強い場所。
1度マオリの教会に行って マオリ式の挨拶(鼻の頭とおでこをくっつけるもの)をして 少し気になってたマオリ民族。

ブラジル人の陽気なお兄さんにヒッチで拾ってもらい(感謝)この人にもいい事が…と祈っている途中
「ボコッ」
といやな音。タイヤパンクしてるし…★陽気なお兄さん明らかに沈んでる…
でもすぐにスペアと交換してロトルアに無事到着できた。

ロトルアは思ったより大きくて完全に観光化されていて予想と違ってた。
マオリの伝統的なショーやハンギと言うマオリ特有の料理もかなり高額でびっくりした。
この街に来たら気軽にマオリ文化に近づけると思っていたけど、マオリ文化が観光用の手段になっていて少し寂しく思えた。
キャンプできそうなところも見つからず 町のど真ん中のキャンプ場に泊まるしかなかった。


5日目 気を取り直してロトルアにもある湖に行くも 人の手の加わった雰囲気に落ち着かず…でも街にせっかく来たのでココでThai行きのチケットGET!
でもTAUPOが恋しく、帰ることに。3組の人達に親切にしてもらい再びヒッチで帰ってくることが出来た。本当にありがたい。
1日しか離れてないのにすでにここが大好きだった。
何とか暗くなる直前に見つかって、今回は川沿いに泊まります。
月は益々満月に近づきまぶしくてライトもいらないくらいだった。
静かな夜がまた戻ってきた。

6日目 晴れが続く!!TAUPO湖へ。この湖は広いので水辺の人のいない所を選んでゆっくりブランチ。のんびり。野外でのご飯が続いているけど外で食べると本当に美味しいと、その度感動してしまう。
川沿いに戻って泳いだり、本読んだり、今はまってる刺繍したり…
そして 例の温泉にまた行って(今度はBEER持参で)ほっこりーーー。
最高な思いをさせてくれたこの温泉には大感謝。


旅も7日目。家路を目指し始めます。今日の移動目標は6時間分移動して北島最南端ウェリントンに行くこと!!
ヒッチハイクして気付いたけど 自分の車やバスを利用したりすれば時間も自分の中にあるけど ヒッチは時間が自分の手の中にない!!
すべてが運まかせーーー。
でも 運まかせだとすると やっぱりツイてます。4組の心の優しい 心の広い人達に拾っていただき、目標達成!!8時間近くかけてウェリントンに到着できたのだ!!
みんなに良いことばかりが起こってほしい。心から。

ここではバックパッカーに泊まった。昨日までのキャンプが恋しく思えた。

北島最終日。予定では今日 北島の旅は終わって家に着く予定。
今日までずっと晴れ渡っていた8日間、やっぱりこれもついていた。
フェリーで南島に戻ってきた。
久々の南島。忘れてたけど人がいなさ過ぎてヒッチは難易度UP!!
途中 日本人ファミリーが乗った車が通り過ぎたと思ったら戻ってきて
「面白いことしてる日本人がいるからつい戻ってきてしまった!!がんばれー!」と応援される。
ここから我が家までは5時間の移動が必須!
なかなか進めず諦めることも頭に入れなきゃいけなくなってきたとき
拾っていただけた!!
NZの人はやさしい。スイス人、2人組みのお姉さん、うちらと同じくりんごを取ってるというチェコ人、優しい夫婦、みなさんのおかげで予定通り 我が家に到着!!!!
あーーーーーーーー、やったー。我が家!!
戻ってこれてホント良かった…

乗せていただいた13組の人達に大感謝。いい出会いをありがとう。と言うと、皆、こちらこそ。と返してくれた。
なんでこんなに?と思うほどやさしい人達だった。
心が広いって素晴らしい。こういう人に触れると自分の心も少し大きくなれる。学ぶことも多かったなぁ。

車は失って 大変はもちろん大変なんだけど 車で通り過ぎては見えないものって沢山あることも今回わかった。
歩くと ゆっくりだし、景色もゆっくり見えるのはそうなんだけど、音や匂いや自然そのものが近くて良いなと思った。
花は近くで見た方が美しいし、川に写る木の葉っぱは立ち止まらないと気付きもしない。そんなものなんだと思う。

8日ぶりに会う農家のみんなは ほとんど今日帰ってきた人達ばかりで
たった8日離れただけなのに8日ぶりとは思えないほど みんな再会を喜んだ。
そしてそれぞれ8日間に最初描いた予定とは違ったドラマがあっておもしろかった。

あーーー我が家。大好きなみんな。ありがたい。

今夜はFULL MOON。
みんな帰ってきたのも満月パワーでここに集まってきたんだ、と思うとまたありがたく思えた。



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