ラジオテーマの話。

深夜ラジオが好きだ。

でもこの生活をしてるとほとんどリアルタイムでは聴けないから、もっぱらタイムフリー機能を存分に駆使している。

先日、あるラジオで「コーヒーのようにほろ苦い思い出」というテーマでリスナーへメールの募集があった。

ほら、タイムフリーやとこういうときいいエピソード思いついても番組はとっくに終わってるし、どこへも言うていくとこがない。笑

ほな勝手にここで話そう、という訳です。


中学生のころ、同じクラスにけんちゃんという男の子がいた。けんちゃんはわりといたずらっ子でなんかちっちゃい猿みたいな子やった。

兄と同じサッカーチームで、私からすると「クラスメイト」というよりかは「兄ちゃんのサッカーの後輩」みたいな感覚だった。

私は正直、けんちゃんと仲が良かったと思う。それは恋愛とかそういうのではなく、コンビみたいな感じ。どちらかがテキトーにふざけると、もう片方がツッこんでケラケラ笑う、みたいな。それがとても楽しかったのは覚えている。

ある日、クラスでいつも連れ立っていた女子たちに突然言われたのだ。

「けんちゃんと付き合ったら良いのに。私たち言ってあげようか?」

は?いやいやいや、違うやん。我々そういうの抜きで普通に仲良いだけやん。なんで?やめてよ。

「え、いや、そんなんじゃないよ」

もうすでにその話はけんちゃんに伝わってたのかもしれない。男子が同じようにけんちゃんにけしかけたのかもしれない。それはわからない。

その日から、けんちゃんは一切しゃべってくれなくなった。

意識すんなお前、なのか、また周りに何か言われるのが嫌なのか、私がけんちゃんのこと好き前提でそれを迷惑に思ってるのか。それを機にもしかしたら意識し始めちゃったのか。

本当のところはわからない。

けんちゃんは中学卒業を機に四国かどこかへ引っ越してしまった。卒業式が終わって、教室でなんか一瞬しゃべりかけられそうなタイミングがあったような記憶がある。でも結局なにも言えなかった。

ただあの日々が楽しかっただけなのに、なんであぁなっちゃったんやろう。

書いててあまりのほろ苦さにちょっとあんた中学生でそんな経験あったんやなぁと我ながら切なくなりました。

けんちゃん、元気かねぇ。

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