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あの人が、本気でビジネスに目覚めたら?【ドラゴンクエスト/勇者編】

■人材ビジネスで急伸する株式会社ロト(代表・勇者)。独自の人材育成ノウハウが話題

 急成長を続けている株式会社ロトは、勇者氏が創業した人材サービスのベンチャー企業だ。勇者氏は、長年にわたり害獣を専門で駆除するハンターとして活躍したほか、未知の土地を開拓する冒険家としても広く知られている。

 株式会社ロトがグループ会社「ルイーダの酒場」と連携して展開しているのが、社会人経験の浅い人材を一人前になるまで鍛え上げる独自の人材育成ビジネスだ。ルイーダの酒場で基本的な経験を積んだ後、社長の勇者氏自らOJTを行い、職種に応じた経験値を積んでいくという。

 どんな遊び人でも、実務に役立つレベルにまで育て上げるという同社。一定レベルに到達すると転職を勧め、他職種のスキルを習得するなど、高い専門性を持ったスペシャリストのみならず、広範なスキルを備えたゼネラリストの育成も可能だという。

 同社のキーパーソンの一人が、CFO(最高財務責任者)を務めるトルネコ氏だ。同氏は、刀剣販売会社の社員として貿易ビジネスで大きな成果を収めた後、国の後ろ盾を得て自身の店舗を開業。国家プロジェクトである地下トンネル工事への投資を成功させるなどし、一代にして巨万の富を築き上げた実業家である。その類い稀な交渉術は、「紛争状態にあった二国を停戦に導いたこともある」(関係者談)ほどだという。

 世界屈指の実業家として知られるトルネコ氏だが、旧知の仲である勇者氏からの熱烈なラブコールを受けて同社へ。CFOとして招聘されて以降も、持ち前の希有な才覚を発揮し、同社の発展を力強く支えている。

■高度なスキル習得のノウハウを集めた「悟りの書」を書店で販売か

 同社の強みは、どんな遊び人でも高度なスキルを習得できるという独自のメソッド「悟りの書」の存在だ。

 同社では、このメソッドをまとめて書籍化し、世界各地で販売する新たな事業を模索中だ。もしこれが実現すれば「他に類を見ないビジネス書として、ベストセラーになることは確実」と推す識者は多く、同社の売上を大きく押し上げることは間違いない。

 ただ、今後のさらなる成長の足枷になりそうなのが、創業者の「黒い疑惑」である。勇者氏は、少年時代から住宅や商店にたびたび忍び込み、窃盗を繰り返してきたとの疑惑が持ち上がっているのだ。

 もしこれが事実であれば、未成年時の犯行とはいえ、大きなスキャンダルに発展するのは必至である。さらに、この窃盗で得た金品が同社の重要な資金源になっている可能性も否定できず、今後の情勢は不透明だといえそうだ。

(文・空想ビジネスオンライン 編集長/もっぴ)

【勇者社長に独占インタビュー】


ーー最近の業績好調の要因を教えてください。

勇者社長 ……。

ーー御社独自のメソッド「悟りの書」を書籍化する話は本当ですか?

勇者社長 ……。

ーー創業前に繰り返し窃盗を行っていたという噂が浮上していますが?

勇者社長 ……。

(へんじがない。ただのしかばねのようだ)

(聞き手・空想ビジネスオンライン 編集長/もっぴ)


※この記事はフィクションです。


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