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大谷翔平選手の移籍決定 ロサンゼルス・ドジャースを移籍先に選んだ理由

 野球とベースボールの常識を覆し、数々の偉業を成し遂げてきた大谷翔平選手の移籍先がついに発表されました。大谷選手が移籍先に選んだのはロサンゼルス・ドジャースです。今回は大谷選手がドジャースを移籍先に選んだ理由について考えました。あくまで私の勝手な考えですので、それを踏まえて、ぜひ、読んでください。

◯MLB挑戦から今回の移籍までの大まかな経緯

 大谷選手は2018年シーズンから6年間、MLBのロサンゼルス・エンゼルスでプレーをしました。2017年シーズン終了後、北海道日本ハムファイターズで活躍していた大谷選手がどこのチームへ移籍するのかは当時も大きな話題になりました。

 当時のナショナルリーグはDH制を採用しておらず、大谷選手が投手として先発をしない日はどこかの守備について出場をしなければならず、MLBで二刀流に取り組むなら、投手として出場しない日に守備にはつかずに打撃のみで出場ができるアメリカンリーグのチームへの移籍が現実的でした。また、当時のアメリカは大谷選手の二刀流に懐疑的な意見が非常に多く、二刀流でのプレーをサポートする気持ちが強かったチームは限られており、二刀流を認めてくれるアメリカンリーグのチームということでエンゼルスが移籍先に選ばれた背景がありました。

 しかし、2020年から新型コロナウイルスの感染症対策として(DH制のほうが投手を交代する機会が減り、少ない人数で試合を進行しやすいなどの理由)、ナショナルリーグも暫定的にDH制を採用、2022年からは正式に採用され、MLBはアメリカンリーグ、ナショナルリーグ共にDH制が採用されるようになりました(大谷選手の活躍がルール変更に大きな影響を与えた部分もあったと思います)。大谷選手の二刀流での活躍によって、MLB挑戦の時とは違い、全球団が大谷選手を獲得できるなら獲得したいという状況になりました。しかし、当然MLBの中にも資金力があるチームとそうでないチームがあり、資金力がないチームは大谷選手争奪戦から次々に撤退、最終的に候補として残ったのは、ナショナルリーグ西地区のロサンゼルス・ドジャースとサンフランシスコ・ジャイアンツ、アメリカンリーグ東地区のトロント・ブルージェイズ、そして、6年間在籍したエンゼルスに残留、この4つに絞られたことが報道されていました。そして、日本時間12月10日、大谷選手は自身のインスタグラムでドジャースを移籍先に選んだことを発表しました。

◯ドジャースの何が大谷選手に響いたのか

①優勝を狙えるチーム

 大谷選手は多くの偉業をMLBで成し遂げましたが、MLBではまだ優勝を1度も経験していません。MLBはアメリカンリーグとナショナルリーグそれぞれに東地区、中地区、西地区があり、各地区の優勝チームとそれ以外に勝率の高い3チームの合計6チーム(両リーグ合わせれば12チーム)がそれぞれのリーグでポストシーズンを戦います。そこから、アメリカンリーグとナショナルリーグの王者を決め、リーグ優勝したチーム同士でワールドシリーズを行い、ワールドチャンピオンを決めます。

 ドジャースは2013年〜2023年の11年間、2021年以外の10年間でナショナルリーグ西地区の王者となっており、今、最も地区優勝の可能性が高いチームになっています。しかし、地区のレベルが低いかというと、そのようなことはなく、2023年は同じくナショナルリーグ西地区に在籍するアリゾナ・ダイヤモンドバックスがワールドシリーズに進出しています。またドジャースの長年のライバルであるサンフランシスコ・ジャイアンツは2010年・2012年・2014年にワールドチャンピオンに輝くなど、短期決戦で力を発揮できないことが多いドジャースとは対照的に、ポストシーズンで強さを見せています。また、2023年のWBCで戦いを共にしたダルビッシュ有投手もナショナルリーグ西地区のサンディエゴ・パドレスに在籍しており、今後、対戦する機会は増えるはずです。

 優勝を狙える一方で地区のレベルが高く、戦いがいがあるという点は大谷選手がドジャースを選んだ1つの要因になったと思います。

②生活環境を大きく変える必要がない

 ドジャースもエンゼルスもロサンゼルスを本拠地にするチームですが、両チームの本拠地は車で高速道路を使用した場合、45分ほどの時間は掛かるそうです(ロサンゼルスは渋滞が多いため、もっと時間が掛かることも当然あります)。同じロサンゼルスといっても距離が近いわけではないため、引っ越しなど生活環境を変える可能性はもちろんありますが、それでも、他のチームへ移籍することを考えれば、その影響は少ないです。報道によると、移籍先の候補として最後の最後に絞られたのはドジャースとブルージェイズだったそうですが、ブルージェイズはカナダを本拠地にするため、生活環境は今までと大きく変わります。そのあたりの負担の少なさもドジャースの魅力の1つになったと思います。

③ドジャースへの憧れ

 2023年のWBCで大谷選手は背番号16のユニフォームを着用しました。ファイターズ時代は11、エンゼルスでは17のユニフォームを着用していたため、あまり16のイメージがない人も多いかもしれません。しかし、2014年の日米野球、初めて侍ジャパンに選ばれた時に大谷選手は16番のユニフォームを着用していました。2023年のWBCの記者会見の際、背番号16について日本人メジャーリーガーのパイオニアとなった野茂英雄さんにも言及しています。さらに高校時代に大谷選手は将来の目標として「2020年ドジャース ワールドシリーズ制覇」と記入しており、ドジャースに対する思いは当時からあったのだと思います。

 エンゼルスでは大谷選手が活躍してもチームが勝てない状況が続き、ファンとしてはモヤモヤすることが多かったと思います。今のドジャースは大谷選手が活躍して優勝することが十分に可能なチームです。2020年ドジャース ワールドシリーズ制覇は確かに達成されましたが、そこに大谷選手はいませんでした。数年遅れにはなりましたが、ようやく大谷選手の夢を掴むチャンスが巡ってきました。2024年も大谷選手の活躍が本当に楽しみですし、全力で応援したいと思います。


◯出典
・Sports navi LAといえばドジャース? エンゼルス? ロサンゼルスにおける野球ファン事情 配信 2018年3月23日
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201803230003-spnavi?p=1


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