壊れたヒマワリの処分方法【カバー小説参加作品】
※不快な表現があります。
ヒマワリの花言葉には、「あなただけを見つめる」「あなたは素晴らしい」「あなたを幸せにします」、ヒマワリは輝く最高の花だ。
色あせたヒマワリは、椅子の上で枯れていた。幸せな家庭で生まれて、この寄宿舎で、優しく包まれて生きていた……筈だった。
花びら20枚が床に散らばっている。首は太陽の方角を向かず重量に従い下を向いたままだ。
(この娘が何をしたというかの……)
屋根裏で薄汚いネズミが走り回る。汚れたネズミの糞がちらばっている。不潔で病気になるのは当たり前だ。
だけど、もうヒマワリは僕を見つめてくれない。せっかく綺麗だったのに可愛かったのにあんなに輝いていたのに色あせてしまったヒマワリ。
(私がもっと早く訪れていれば……)
大富豪のクリスフォードは、立ち上がるとミンチン院長を見つめる、彼女は恐怖でおびえていた。
「鏡を用意してくれ……」
彼女を椅子に縛りあげると周囲に複数の鏡を立てる。まぶたを閉じないように器具で固定した。彼女の体にネズミが好きそうな食べ物を置くと、屋根裏部屋の扉を封鎖した。後は時間が解決してくれる。
ヒマワリを抱えて階下に降りる。黄緑の体はとても細く脆くなっていた。壊れたヒマワリを、大事に向日葵畑へ埋める事にした。
「ラビニアの養子縁組は出来たか」
「両親へ多額の寄付をしてます」
娘を金で売るような家族だ、彼女がねじ曲がるのは仕方が無い。私が彼女を育てよう、僕だけを見つめてくれるヒマワリにしよう。彼女が最高の幸せの瞬間に、またここに連れて来よう。
「次に屋根裏部屋を訪れるまでは、管理してくれ」
召使いに厳命して私はかわいそうなヒマワリを抱えて馬車に乗る。そして明日からの新しいヒマワリを愛でる楽しみで、心が震えた。
カバー小説です、もう邪悪すぎてすいません。
カバー元です、これはこれでまさに邪悪!(褒め言葉)
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