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枕元にオススメの文庫本16選

文庫本が大好きな、25歳です。今まで読んできた本は2000冊以上(多分)。塾講師、写真館の着付けスタッフ、コンビニバイト、色々を経て現在、自宅待機中のインテリアショップ販売員です。

緊急事態宣言が出てから、Twitterで#本つなぎ、#映画つなぎ、等色々なバトン企画が盛り上がっていましたね。そんなこともあり、最近は今までに読んだ本や映画などを振り返っていました。
今回は自宅にある本の中で枕元にいつも置いている本を紹介したいと思います。普段は図書館で借りてくることが多く、買ってきた本の中には売ってしまったものもいくつかあります。そんな私が、この本たちだけは手元にずっと置いておきたいと、いつも枕元に置いてある16冊。あらすじや、一緒に楽しんでほしい飲食メニュー、素敵な言葉など。

本屋さんも図書館も臨時休業・休館で、なかなか行きにくい今ではありますが、この機会に本を読む時間が増えた方も多いはず。本読んでる暇なんかないよという方もいらっしゃるかと思います。それでも、1冊、お気に入りを見つけて持っておくだけで、ふと心が休まる瞬間もあるはず。気になる本があれば読んでみては?よければ、お付き合いください。

1.『ランチのアッコちゃん』柚木麻子著

食欲がないとき、なんとなく元気が出ないとき、読んでみてください。

できれば、サンドイッチとかおにぎりとかカレーとか片手で食べられるものと一緒に。

もちろん、夜寝る前に読んでも明るい気持ちで眠りにつけるのでオススメ。

派遣社員三智子がひょんなことから黒川敦子部長(アッコさん)とランチを1週間交換することになる。1週間、ランチの時間を通して三智子はどんな気づきを得ていくのか。なにげない日常に添えられた、明るくて元気をもらえるお話。

三智子はお弁当の包みを引き寄せ、結び目をほどく。いつものように固く結んであるのに、今日はするりと解けた。

2.『キッチン』吉本ばなな著

夕食を食べ終えたあと、キッチンに椅子を置いて少し読書に耽ってみる、なんてどうですか。

あたたかいブラックコーヒーと一緒に。

夜寝る前に読むと、家族を感じられて心が温かくなる1冊。

唯一の肉親だった祖母が亡くなったことをきっかけに、雄一と母(父)の家に同居することになったみかげ。そんなみかげの日常を描いた成長物語。

私と台所が残る。自分しかいないと思っているよりは、ほんの少しましな思想だと思う。

3.『羅生門・花・芋粥』芥川龍之介著

和室で雨音を聞きながら読みたい1冊。高校の授業を思い出しながら、読んでみるのもいいかもしれません。

日本茶と煎餅でも一緒に。

高校時代、芥川龍之介が書いた恋文を見たとき私はその文豪に恋をしました。家には全集を持っていますが、文庫本でいつでも読めるように文庫本を購入。角川文庫のカバーデザインも素敵で気に入っています。「羅生門」「鼻」「大川の水」が収録作品の中ではお気に入り。この文庫本には収録されていませんが、芥川作品であれば「藪の中」「蜜柑」「白」などもオススメです。

言わばどうにもならないことを、どうにかしようとして、とりとめもない考えをたどりながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を、聞くともなく聞いていたのである。

4.『ちょっとそこまで旅してみよう』益田ミリ著

いつか行きたい旅行先を思い浮かべながら、お昼の休憩時間に読みたい1冊。

コーヒーでも飲みながら、お取り寄せのおいしい焼き菓子を食べながら。

益田ミリさんの旅行エッセイ。19か所とおまけ旅。今日はどこに行こうかななんて思いながら行きたい場所の話を読むのもよし。個人的にはフィンランド1人旅のお話がとても気に入っています。益田ミリさんのゆるくてかわいい挿絵と一緒にほっこりしましょう。

注文したものをトレイで受け取り席につく。すごい、すごい、ひとりでできた~と喜んでいるのを隠して、慣れた素振りでコーヒーを一口。

5.『あしながおじさん』J・ウェブスター著

勉強机に向かいながら、何度でも読み返したくなるお話です。

紅茶とアップルパイを用意して、のんびり過ごしながら。

幼少期に絵本などで読んだことがある方もいるかもしれません。結末知っているし…という方にもぜひ改めて読んでほしい。孤児ジルーニャは、突然、とある親切な紳士「あしながおじさん」のおかげで、月に1回学生生活について手紙を送る約束のもと、孤児院を出て大学に通えることになる。彼女があしながおじさんに送る手紙はどれもチャーミングで…。そんな手紙を読んでいると、彼女の生活が目に浮かんでとても楽しい気持ちになれます。幸せいっぱいの物語。

私は今までおじ様みたいに頑固で強情で、わからずやで、しつこくて、ブルドッグみたいに鼻っぱしが強くて、他人の立場を理解できない人って見たことありませんわ。

6.『トリツカレ男』いしいしんじ著

読書用の小さな明かりをつけて、布団にくるまりながら読んでみてはいかがでしょうか。

布団に入る前に、ホットミルクを飲んで。

「トリツカレ男」というあだ名のジュゼッペ。夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。いろいろなものに夢中になってきた彼がある日であったのは、ペチカという少女。無口な風船売りの少女に恋をしたジュゼッペは…。ピュアなジュゼッペに心打たれるラブストーリー。

ジュゼッペは自分の中に、哀しさと同じぐらいの、安堵を感じていた。つまり、ほっとしたんだ。やっぱりそうか、って。

7.『星の王子様』サンテグジュペリ著

夜空の見える部屋で、ソファにもたれながら読みたい1冊。

ホットココアと焼きたてのジンジャークッキーと一緒に。

砂漠に不時着した飛行士は不思議な金髪の少年と出会う。いくつもの惑星を巡り地球に降り立った星の王子さまの、今も多くの人に愛される、不思議なお話。

「人間はね」と王子さまは言った、「急行列車で走り回っているけれど、何を探しているか自分でもわかっていない。ただ忙しそうにぐるぐる回るばかりなのさ……」それから付け加えた―

8.『つめたいよるに』江國香織著

カフェで読みたいけれど、今は難しいので、おうちでカフェ気分で。

アイスコーヒーと一緒に。

短編集なので隙間時間にも読みやすい1冊。最初の「デューク」という作品は、出会いと別れの不思議な一日を描いたロマンティックなお話です。大切な人や愛犬を思い浮かべて読んでほしいお話。

すぐにすねるたちで、すねた横顔はジェームス・ディーンに似ていた。

9.『プーと私』石井桃子著

朝起きてすぐ、寝癖をそのままに日光浴しながら読みたい1冊。

ミルクティーとはちみつレモンケーキと一緒に。

『クマのプー』や『ピーター・ラビット』などの翻訳者、児童文学作家、編集者として活躍した石井桃子さんのエッセイ集。様々な発見を追体験できて、なんだか優しい気持ちになれる本です。プーさんやピーター・ラビットが好き、児童文学が好き、翻訳や外国語に興味がある、そんな方に是非。

頭のわるいクマのプーは、いまだにただおもしろおかしいだけでない、「思案のしどころ」へ、たえず私をつれていってくれるのだが、しかし、「プー」の本に限って、私は、あえて、分析しようとは思わない。魔法は魔法でとっておきたいからである。

10.『夢から醒めた夢』赤川次郎著

子どもと一緒に、おやつの時間にいかがですか?(私は子どもがいないので愛犬を抱っこしながらおやつの時間に読もうと思います。)

オレンジジュースとマフィンと一緒に。

文庫本でありながら、絵本。劇団四季ミュージカルにもなっているお話。冒険にあこがれるちょっと変わった女の子ピコタンがある日女の子の幽霊に自分と入れかわってほしいと頼まれたことから、あの世とこの世の垣根をこえた冒険が始まる。心が温かくなる、ファンタジー作品です。

だけど―頭で分かっていることと、心が感じていることは別なんだ。できない。―私、できない!

11.『ユタとふしぎな仲間たち』三浦哲郎著

1人の部屋で胡坐をかいて座りながら読みたい1冊。

ほうじ茶と饅頭を一緒に。麩菓子や大福なんてのもいいかも。

勇太は父を事故で亡くし、母と東北の湯ノ花村に移り住む。村の子供たちに馴染めずにいたが、ある日、不思議な座敷わらしたちと出会う。たくましく成長していく勇太と座敷わらしたちの物語。東北のにおいと自然のにおいを感じられるような。

東京の月をゴルフボールだとすれば、この村の月は、まるでよく熟した夏ミカンだと、ぼくは思った。

12.『モーラとわたし』おーなり由子著

晴れの日、庭に出てレジャーシートに横になりながら読みたい1冊。

アッサムティーと、キャラメルソースを添えたスコーンと一緒に。

わたしと、ともだちのモーラのお話。わたしだけに見える、特別なひみつのともだちモーラ。懐かしくて温かい気持ちになれる、文庫本サイズの絵本。

モーラはある日わすれたキャラメルみたいにわたしのポケットにはいっていた

13.『あの子の考えることは変』本谷有希子著

夜更かししてベッドの上でごろごろしながら読むのがオススメ。

コーラとチョコスナックを横に置いてつまみながら。

Gカップおっぱいを持つ23歳フリーターの巡谷と、「自分は臭い」と思っている同居人の日田の2人が繰り広げる日常。なんだかエネルギッシュで、コンプレックスすら愛しく思えてくる、そんなお話です。

いまの感覚のままで一生、生きていられたら、すごく幸せかもしれない。このまま煙突の一番天辺に出られれば、生きてきて一番きれいな景色を見れたかもしれない。

14.『絵のない絵本』アンデルセン著

よく月が見える夜、眠りにつく前に。1日の終わりに1夜分。

あたたかいカフェラテとバタークッキーと一緒に。

屋根裏部屋で暮らす貧しい画家が書き留めた、月の語ったお話33夜分。絵がないのに、しっかり目に浮かぶ、不思議な本。

「わたしは小さい女の子が泣いているのを見ました」と、月が言いました。「その子は世の中が意地悪いのを泣いていたのです。

15.『パパの電話を待ちながら』ジャンニ・ロダーリ著

夕焼けのあかりが差し込む部屋で、ジャズでも聞きながら。

ハニーミルクとチョコチップクッキーと一緒に。

あちこち飛び回るセールスマンのパパが、毎晩電話で女の子に聞かせたたくさんのお話。読むたびに心がワクワクするショートショート。

そう言って、うれしそうに笑いながら老人は去っていきました。子どもに何か贈り物ができる老人は、世の中で誰よりも幸せ者ですからね。

16.『日のあたる白い壁』江國香織著

おやつの時間に、白い壁の部屋でお気に入りのチェアに腰かけながら。

カプチーノとジャムクッキーを傍らに。

江國香織さんが観てきた絵画について綴られたエッセイ。ゴッホやゴーギャンをはじめ、27人の画家の作品に江國香織さんを通して触れることができる1冊。いつかまた美術館に行ける日を心待ちにしながら、読書で絵画に触れてみませんか。

至極当たり前のことだけれど、年譜やイメージや代表作からはうかがい知れないものがある。たとえばオレンジの絵をみてああいいなあと思う一瞬に、そういう、こぼれおちた何かとすれちがえるような気がする。


※本の中のお気に入りの言葉を引用(グレーアウト部分)にて紹介させていただきました。


いかがでしたか?私の枕元の16冊。読んだことあるけれど読み返してみようかな、この本気になるな、など発見があれば嬉しい限りです。

どこにいてもそばに置いておけるコンパクトな文庫本。小さな文庫本の中にさまざまな世界が詰まってるのが本当に魅力的。

ほっと一息つける時間を、お気に入りの本と一緒に。どこまでも連れてってくれる魔法のお友達と過ごす時間を。

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