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不安を乗り越え成長を示した快勝劇

2024年2月4日(日)第17節・岐阜スゥープス86-67金沢武士団
主力の#2ジョシュアと#11ベイリーを負傷などで欠く厳しい布陣も、残る選手の特徴を生かしたバスケットを展開し、Wホームゲームの金沢戦で2連勝を達成した。

第1クォーター 岐阜18-21金沢
スターティング5は、#8田中、#14佐藤、#22増本、#42ノア、#67清野

素早いパス回しでこれまでとは違うリズムを作り出した

全日のゲームワン同様に立ち上がりから接戦に。金沢の得点源、クリストファー・オリビエに対し徹底マークを試みたが、完全に抑え込むことはできず8得点は奪われたが、スゥープスはバランス良く得点。特に終盤は素早いパス回しでオープンショットを作るなど、これまでにはない攻撃の形も見られ、ブースターを沸かせた。

第2クォーター15-20(33-41)
#1岩松、#10ハンター、#23サンブ、#33荒川、ノア

田中昌寛の3ポイントシュートで若干差は詰めたが

AJとベイリーの不在もありリバウンドでは不利な状況。細かなミスも頻出し、徐々にリードを広げられてしまう。その中でノアが献身的な動きで奮闘。田中の3ポイントも決まり8点差で前半を折り返した。

第3クォーター31-19(64-60)
岩松、ハンター、サンブ、荒川、ノア

バスケットカウント付きのシュートを沈めてこの笑顔

金沢に先に得点を奪われ苦しい展開になるかと思われたが、ノアが立て続けに得点を演出。サンブへのアシストや、自身のフリースローも着実に沈める。そして清野の得点で52-52とようやく追いつくと、金沢に見事な3ポイントを連続して決められたが、田中とサンブの3ポイントですぐに追いつき、逆に4点のリードを持って最終クォーターへ。

第4クォーター22-7(86-67)
田中、ハンター、増本、ノア、清野

119歳トリオは短時間でも持ち味を出した

勢いの出たスゥープスは、清野とハンターがエンジン全開。ペイントアタックからどんどんリードを広げると、守備でも徹底的に抑え込む。最終盤には#18山田と#17杉本HC、田中の3人が同時出場。山田はすぐにスティール、杉本もアシストを決めるなど、ただの顔見世ではなく戦力的にもまだまだ十分戦えるところを見せた。

【HC・選手コメント】*要約・抜粋
杉本憲男HC兼選手

--見事なターンからアシストを決めました
「3人の年齢を合わせたら119歳でした。自分は出場する気はなかったんですが、ヤマさんは絶対に出したいと思っていたので。そしたらタイムアウトのタイミングで田中さんが(出てほしいと)言い出して。そうしたらアシスタントの水野君が(田中さんも)行きましょうと言って、3人で出ることになりました」
--試合を振り返って
「内容としては、前半全然糸口がつかめなくて非常に苦しいバスケットでした。後半はフロアバランスを少し修正して、ノアを起点にやったことも良かったと思います。(清野)飛鳥も良いアタックをしてくれたし、本当に糸口が見えたからこそ(逆転)できましたが、それは選手間で良い意見が出たから。個人的な反省としては、コーチからしっかりとそれを提供しないといけなかった。そこは自分として反省点ですが、たくましい選手が揃っているということも感じました。すごく良い試合だったと思います」
--Wホームゲームでした
「金沢武士団は、これまでいろんな紆余曲折があったチームですが、そんな中でも選手同士がしっかりと前を向きながらやっています。今まで対戦した中でも逆境に立ち向かってくる姿を見ています。この試合を通して石川県に人たちに、金沢武士団というチームを見てみたいなと思ってもらえるきっかけになればと思いますし、被災されて避難所生活とか、日常生活ができない方々にも、ちょっとしたワクワク感というか、そういうものを持ってもらえるようなきっかけになってくれれば。手前味噌ですけど、クラブのフロントもすごく良い演出をしてくれましたし、本当に誇らしいと思います」
--メンバー的にも厳しい布陣でしたが
「ノアを起点にすればハーフコートバスケットがすごく機能するということは、去年からもイメージが湧いていました。それができたのは非常に大きな財産になると思います。一つのバスケットしかできないよりも、ある程度できる範囲を広げていきたい。ただ、うちの武器となるもの、核となるものをもっと磨くことも大事。シーズンは終盤に差し掛かっていますけども、核となるものをもっとしっかりと作り上げていきたいと思います」

ノア・ダールメン

--良い試合になりましたが意識していたことは
「連続した動きを意識していました。みんなが良いアイデアを持って試合に取り組めたことが良かったと思います。コートに立っている全員が責任を持ってプレーし、チームのために良いスペースを作ろうとか、少しタイミングが悪かったらそこを修正しようとか、そこを意識してプレーをしていました。それと同時に5人全員が打つべきところでシュートを打てたことが大きかったと思います。悪いプレーがなかったというわけではないですが、悪いリアクションはなかったと思います。チームとしてすごく自信が上がってきていると思いますし、公共後半は全員が自信を持って、その自信を爆発させることができたと思います。僕自身はチームメートを生かすことがスタイルなので、僕がチームに与えたものを、みんなが受け取ってくれたという試合でした」
--後半に修正した点は
「前半は、ボールスクリーンに対するディフェンスをうまくやられてしまっていたので、ミドルポジションを利用して、相手に読ませないようにしました。前半はオープンショットも数多くありましたが、確率は20分の5でしたが、反対にペイント内の得点が11分の8でした。もう少しペイント内に要求するともっと効率よく得点を獲れるというような話し合いをしました。ガード陣がすごく良い働きをして、パスも正しい状況判断をしてくれました。それによって相手のディフェンスは自信を無くしましたし、逆に僕たちは勢いに乗れたと思います」
--AJ、ベイリー、髙橋快成を欠いた布陣でしたが
「この勝利はすごく多くの意味があると思います。全員が自分たちの役割の中で輝くことができて、自信を持つことができましたし、自分の役割に対する責任感が芽生えたのは良かったと思います。3人のスター選手がいませんでしたが、ステップアップする機会になったと思います。今日のような雰囲気の上に、また何かを積み上げたいと思います」
--Wホームゲームという特殊な状況だったが
「すごくユニークな体験でした。この会場の雰囲気も楽しめましたし、アリーナ全体でポジティブなエナジーがあふれていました。僕はポジティブなエナジーがある時は良い働きができます。いろんな雰囲気の中、例えばアウェイの好戦的な雰囲気も、ホームのみなさんに応援してもらえる雰囲気も好きなんですけど、今日は本当にユニークで、人と人のつながりの素晴らしさを見せてくれました。その一因になれたことをすごくうれしく思います。このようなアイデアを発案してくれた人もすごいですし、うまく運営してくれたスタッフやボランティアのみなさんにも感謝しています」

清野飛鳥

--試合を振り返って
「快成やベイリー、AJがいないタフな状況でしたけど、ノアを中心にオフェンスを組み立てることができて、ディフェンスもノアがしっかりと指示を出してくれたので、全体的にまとまった試合ができたと思います」
--その中で意識していたことは
「いつも得点を獲ってくれるベイリーとAJがいないので、今節はHCに得点を獲りに行ってほしいと言われていました。そこは意識をしました」
--最終クォーターはとてもバランス良くできたが
「ディフェンスももちろん良かったと思いますけど、それ以上にオフェンスがしっかり、良い形で終われていたことが大きくて、昨日は速攻で相手に得点を多く奪われていましたけど、そこはほぼなかったし、セカンドチャンスを与えないようにと話をしていて、それもある程度修正できていたと思います」
--1700人以上が来場したWホームゲームだったが
「すごく温かい雰囲気のゲームでした。ただ試合は試合なので、そこはお互いにバチバチやり合えましたし、最後ああやって2チームで一緒にはドル組んだことも、なかなかない建研だったと思います。みんな笑顔でハドルを組んでいたのでアットホームというか、すごく良かったと思います」
--いつもと違うバスケットを見せられたと思うが
「このバスケットは、HCの目指しているスタイルでもあると思うので、ベイリーやAJが復帰した時にどうなっていくかは分からないですけど、今節出たメンバーがしっかりと共有していくことによって、うまく融合すればもっと強いチームになれる。全部ミックスするのはなかなか難しいと思いますが、練習から取り組んでいきたいと思います」

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