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シャブ中ドンギマリの注射事情 -8

あれから時間は少し経ち
1人目のシャブ中と付き合うことになった。
そしてまた会う時には
お互い覚醒剤を入れたが、
この頃から私と相手がいる時間が長くなり、
覚醒剤を追う回数も増えたからか、
私の腕からシャブが漏れる回数も多くなった。

私が特に嫌だったのは何度も追い討ちしていると
針が血管に入らなくなってくるという所。
医療従事者でもなく素人が
しかもドンギマリの状態で
形として見えない血管に入れるんだから
そりゃ上手く刺せないに決まっている。
さらに当時は知らなかったが
覚醒剤をやることによって水分をとらなくなる
そうすると血管が細くなり、
逃げやすく漏れやすくなるらしい。


自分で入れることが出来なかった私は
相手に都度入れてもらっていたが
追う回数が増えれば増えるほどシラフじゃなくなり
相手の手も震えるし、私の血管も逃げる。


そしてシャブ中の悪い所が発揮される。


自分は血管を分かっているという謎の自信だ。
お前は今正常じゃないんだよ、
事実1発や2発で入ってないのに
その謎の自信の根拠は何?と聞きたくなる。

そして血管を刺せているという謎の自信から
角度や深さがダメだったのかもしれないと
刺した状態で血管を探られぐりぐりされて痛い。
表面の皮膚そのものは1回しか刺していないが
内部の組織を何度も傷つけている為
腕はズタズタだ。
やっと血管に入ったかと思えば途中で漏れる。

そして諦めて刺し直したりもする為
結果目に見える傷も多くなる。


注射で血管以外に薬品が入ると
すぐ分かる。
点滴が漏れる時と一緒で
その感覚が高速でやってくる感じだ。

漏れると凄く痛いが痛いと言うまでに
相手は分からず注射器の棒を押し進めてしまう。
漏れたところはしばらくすると
青あざになり痛む 。

しかもこれをやっている最中
相手はドンギマリなので
何度も刺し直している最中、
自分がどれだけえぐい事をやっているか気がついていない。
覚醒剤が入っている私でさえ
相手が血管を探り何十分と戦っている姿は
うわー…と正直引いてしまう場面だ。


シャブ中の良くない所大お披露目会だ


そうして青アザになるコブが両腕にでき
さらに再チャレンジしようとなった時、
流石に私は嫌になった
もう痛い思いはしたくない
注射が苦手じゃない私でさえ怖くなり拒絶した。

「もう刺すの嫌だ…」


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