就職活動・ブラック企業体験記②半年間の戦い

※先に断っておきますが、世の中にはもっとキツい会社、環境で働いておられる人がいるのは重々承知してます。
それでも、小さい頃から甘やかされて育ってきた私には、この半年間は本当にキツかったのです…。


社会人になって初めてのゴールデンウィークが終わり、さてここから本格的に頑張るぞ、というタイミングで事件が起こります。

私の入った会社においては、少し前に大幅な人事改革があり、そこから1年も経っていない状況でした。
※事業部長を中心とした幹部陣も多数交代があったそうです。

新しい事業部長は、かなり厳しい人ではありましたが、前年度はそれなりに売り上げが良かったことともあり、あまり現場に口出しはしなかったそうです。

しかしながら、私の入社直後の4月〜5月にかけて、売り上げが大きく伸び悩んでしまったのです。
企業内部の事情ゆえ、詳細は書きづらいのですが、大まかに書くと…

人材紹介を主業務としている都合上、大きく売り上げが上がるのは、年度が切り替わる3月〜4月になるんです。

1人紹介するごとに年収の◯◯%が手数料として売り上げになる、という理屈で、
4月に入社する人の手数料が3月 or 4月度の売り上げになる
→年度初めの4月は、紹介数・入社数が多いので、売り上げも多い、という話です。

一方で、5月にはほぼ売り上げの見込みが立たなくなります。
なぜなら、5月に転職・入社する人なんて、そう多くないから。
少し考えれば誰でも「仕方ない」とわかる話だと思いますが、ビジネスである以上、それは単なる言い訳としか見られない。


「5月・6月と連続で赤字になるぞ、どうするつもりだ」
今まで現場に口出ししてこなかった事業部長から、各支店長に緊急招集がかかります。

・求人獲得数、求職者の面接設定数、実際の紹介完了数、売り上げ等、各人に目標が課されているはず
・目標を達成していない社員に、帰宅する資格は無い

5月初めの支店長会議で上記のようなお達しがあり、その当日から、ほぼ毎日終電で帰宅する生活が始まりました。
※終電で帰れるだけマシだろ、という方もいらっしゃるかもしれませんが…

私の場合、都内在住で横浜勤務だったので、

7:00前には起床、ダッシュで電車に乗る
8:00過ぎには支店に着いて、新卒社員で掃除
8:30〜営業トークの練習・ロープレ
8:50〜朝礼
9:00〜業務開始 夕方までは、事業所へ架電
18:00〜残業 夕方以降は、求職者へ架電
22:00〜当日の成績を日報にまとめ、報告
22:10〜目標未達者に対し、事業部長から内線でお説教
(達成不可能な目標を課されるので、事実上全社員が対象)
23:30〜自分の番のお説教終わり。都内向けだと意外と終電が近いので、駅までダッシュ
25:30〜帰宅して夜食、風呂入って就寝

7:00前には起床

の繰り返しが、1ヶ月半ほど続きました。

自分の番のお説教が早く終われば少し早めに帰れたりするので、毎日終電だったわけではないですが、1日4時間以上の残業は当たり前でした。まぁ、残業時間でいえば、100時間を越えることはなかったはず。

※順番が前後しますが、この6月あたりに、旅行に連れて行ってくれた尊敬する上司が地方の支店に転勤になり、新しい上司とソリが合わなかったことも痛かった。


労働時間の長さというより、睡眠時間を削られてたことと、事業部長のお説教がキツかった。。
「なぜ◯◯しなかった!?」「なぜ売り上げが上がらない!?」みたいなのを延々と詰められる日々。部長の納得いく回答ができるまで、お説教は終わりません。

前の記事にも書きましたが、そもそも、転職すらしたことのない若造が、自分より社会人経験豊富な保育士・介護士さんを相手にしなきゃならない状況、今考えてもキツいですよね。
特に、保育・介護の現場って、(実際に働いたことはないですが、)外から見える部分だけでも本当に大変で、心と身体に負担が大きく、体調を崩される方が非常に多いんです…。
心身共に健康な方ならともかく、体調崩されたベテラン保育士さん・介護士さんのキャリアを、新卒の若造たちがコンサルティングできるはずがないですよね…。

5月初旬には53㎏ほどあった体重も、7月初旬には45㎏まで落ちるほど、ストレスで追い詰められました。
私だけでなく、周りの同期、先輩、上司も全員キツい状況で、当然ながら退職者も続出。


でも、7月中旬くらいだったかな?全社的に残業時間が長過ぎること、退職者が相次いだことから、さすがに少しテコ入れが入りました。
・どんなに遅くとも22:00には全社員退勤させること
・目標未達であっても部長には報告しなくてよい
(ただし、あまりに成績がふるわない場合は部長から直接パワハラ内線)
・(特に新卒社員は辞めさせないよう)支店内でフォローアップを徹底すること
みたいな形。

その他、支店の先輩たちからとても優しく&強力にフォローしてもらったおかげで、キツいながらも勤務を続けることができてました。


8月には夏季休暇をもらうことができ、実家に帰省。
あまりに痩せ細った身体を見て、両親に全力で心配されました。
※本筋からズレますが、この時、両親の奢りで焼肉をお腹いっぱい食べ終わった後に体重を計っても44㎏しかなかったので、たぶん43㎏とかまで落ち込んでたんじゃないかなと…。

束の間の休暇から仕事に戻った直後、ついに退職を決意する出来事がありました。

売り上げの悪化は止まらず、事業部長も焦っていたのだと思います、とてつもないことを言い出しました。

「お前たちの営業履歴を見ていたが、なぜ◯◯(某事業所)を求職者に提案していないんだ?」
→この事業所、詳細は書けませんが、短期間離職が頻発、鬱病患者も大量に出てしまうような、とんでもないブラック事業所。
よほどの事情が無い限り、求職者に紹介することはできない求人案件でした。

そこを詰められた先輩が部長に事情を説明したところ、「ブラック企業かどうかは、お前たちが決めることではない。実際に働くのもお前たちではない。」

だいぶ意訳が入りますが、
「グダグダ言ってないで、そこにねじ込んで、売り上げを上げてこい」
ということでした。(正確な意図はわかりませんが、少なくとも私たちにはそのように伝わりました。)

案の定、面接に連れて行った段階で「なぜあんなところの求人を紹介する?」「他に無いのか?」といったクレームも続出。

結果として入社されなかったので大丈夫でしたが、あやうく求職者さんの人生を潰す可能性すらありました。

新卒の若造ですし、半年にも満たない経験値ですが、私もキャリアコンサルタントの端くれとして、その状況を見過ごすのは、自分の正義感が許さなかった。

「売り上げのためなら、求職者の人生つぶしてもいいのか?ブラック企業に無理やり入社させて、体調崩されたらどうする?俺たちに責任は無いのか?」
「逆に、とっても良い事業所に、勤務態度に問題アリな人を紹介していいのか?事業所には、忙しいところ時間を作ってもらって面接してもらって、紹介料まで払ってもらってるのに…」

などと、それまではうまく説明できなかった、モヤモヤした違和感みたいなものが、一気に明確に言語化できるようになってしまった。
「こんなわけのわからん会社で、人の人生潰すかもしれないようなわけのわからん仕事やって、何やってんだろ…?」
こう思った時に、追い討ちをかけるように嫌なことが続いて起こったので、いよいよ退職を決意しました。


そしてまたもや3,000字に…。

やはり2回の投稿ではまとめきれないので、次の記事で退職の経緯、「今考える、この時どうすべきだったか」、次の会社への転職活動について、まとめようかなと思います。

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