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観劇のマナーについて考えた

星組公演も無事に完走。頭の中はまだディミトリとJAGUAR BEATの舞台が絶賛脳内再生中。
その星組公演を何度か観劇したときに、思ったことを書き留めておこう。

遅れて来る客 その壱

1F後方席で観劇した日のこと。芝居も半ば。ルスダンとディミトリの結婚式のシーンで、のこのこと入場する客あり。劇場の係員は姿勢を低くして、後方席の観客の妨げにならないよう案内するのだが。当の遅刻してきた客は、自分が後方席の視界を妨げていることなど気にもせず、すたすたと案内係の後をついていく。それが1階前方席の客なのだ。そんな状況が何回かあった。
酷い客になるとディミトリと庭師が密談しているシーンで入場。悪びれる風もなく1F前方席へ向かって行った。
なんて不作法な…。

遅れて来る客 その弐 高齢者

その日は2階席で観劇した。開演のアナウンスが流れ、場内が暗くなりかけた頃に、高齢の女性二人が係員に案内されて着席した。一人は杖を付き、もう一人はシルバーカーというのかな?歩行器を押していた。2階席は勾配が急で、段差も大きい。膝への負担も大きい。足の悪い人にとっては、難儀である。
「ディミトリ」が終わり。35分の幕間休憩。「大劇場、開演5分前です」のアナウンスが流れるが、前列は空席。場内は暗くなり、
「大変長らくお待たせいたしました」こっちゃんのアナウンス。幕が上がり、ありちゃんとブラックパピヨンのキレキレダンスが始まる。銀橋でありちゃんとブラックパピヨンが踊っているさなかに前列の二人はよたよたと入場。一人は前方席に向かう。もう一人は「○○さん、そっちやない。こっちよ」と叫ぶ。足が悪いので動作は緩慢だ。ヨロヨロしながら自席に向かう。この間、舞台では、なこちゃんがせり上がり、ありちゃんと華麗に踊る。ありちゃんが、なこちゃんの羽をむしり取る。そして後方からこっちゃんが格好良く登場。この一連の素敵な場面を前列の女性二人によって視界を阻まれてしまった。不作法もここまでくると、犯罪級だ。

宝塚って、本当に優しい。不作法な客もちゃんと入場させてくれるんだから。これがクラシックの音楽会なら、入場不可だ。ホワイエに置かれたモニターで鑑賞するしかない。宝塚もそうすればいいと思う。しかし聞くところによると演劇界では、遅刻、中座については規制はしていないらしい。観客の良識に委ねるということか。ちなみに宝塚の場合は、初舞台生の口上以外は、遅刻も中座もアリらしい。

終演後、隣席の女性も不快に思ったのだろう。「前の席の二人、やっぱり遅れてきたわね」と苦笑交じりに話しかけられた。「しょうがないわよ。今日は阪急友の会の貸切公演だから、客席も宝塚ファンの人とは限らないしね」とも。
そういえばそうだ。超チケ難公演なのに、2階後部3列程空席なんだから。
阪急友の会は、阪急百貨店のファンであって、必ずしも宝塚ファンとは限らないのだ。この日の公演は阪急友の会のご招待、つまり運良く抽選に当たったし、タダやから行こう!という感覚の人もいるだろう。観たくてもチケットが、取れなかった人が聞いたら腹立たしいに違いない。

年寄は来るな!とは言うまい。杖をついた高齢女性は近い将来の私の姿かもしれない。でも彼女らのように老害をまき散らす人間にはなるまい、と硬く心に誓った。

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