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「熱狂のお好み焼」関連の広島県内の追加情報や、全国のローカルお好み焼についての情報まとめ

「熱狂のお好み焼」は2019年6月10日、ザメディアジョンから刊行された、主に広島県内にある様々な形態のお好み焼が成立するまでの歴史などを考察した本です。
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① You Tubeでの解説

みっちゃん総本店の公式You Tubeで「熱狂のお好み焼」に書いた、上手に食べる技術や、県内のローカルお好み焼について解説を行っています。
文章より動画のほうが圧倒的にわかりやすいです!

◆ 広島お好み焼をキレイにおいしく食べる技の解説

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広島オールドスタイルの解説・広島県外の老舗も採用している一銭洋食直系の焼き方

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広島スタンダードスタイルの解説・麺を入れる前提で改良され、S32頃に成立した焼き方

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焼そば三原スタイルの解説・神戸モダンと同じ焼き方で神戸市から伝わった可能性が高い焼き方

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焼そば呉スタイルの解説・焼そば三原スタイルの変形ながら広島市の影響も受けつつ独自の形をなした焼き方

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備後尾道スタイルの解説・尾道市ならではの一銭洋食の流儀を受け継ぎつつ、麺を入れるように改良した焼き方

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備後府中スタイルの解説・尾道市から伝わった焼き方をベースに、挽肉を使うなど独自の改良を施した焼き方

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因島オールドスタイルの解説・一銭洋食をベースに、尾道市や三原市の影響を受けつつ、独自の形を模索しつつある焼き方

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福山混ぜ焼きスタイルの解説・広島県下で唯一、戦後に混ぜ焼きが発展した地域の焼き方

岩国市に残る牛肉入りお好み焼の歴史についての解説

② 広島お好み焼に関する記事

◆ 広島風お好み焼きは大阪・関西風の亜流ではなかった…発祥の地に関する意外な真相
ビジネスジャーナルの取材を受けた記事が公開されました。
目新しい情報はないですが、短く端的にまとめられています。

◆ 広島市のお好み焼誕生秘話の誤解について
超有名な「戦争で夫を亡くした女性が焼け跡から鉄板を拾って始めた。○○ちゃんはその女性の愛称だった」という誕生秘話は、情に訴えて物語的に優れていますが、歴史の事実は違うというお話です。

◆ 広島市はなぜお好み焼タウンになったのか(前編)
◆ 広島市はなぜお好み焼タウンになったのか(後編)
上記の「広島市のお好み焼誕生秘話の誤解について」と併せて読んでいただけると理解が深まると思います。

◆ 広島お好み焼「さっちゃん」系列まとめ
本には書けなかった「さっちゃん」の系列をまとめました。
ルーツとなった店の閉店が残念ですが、そのDNAが伝わる味をお楽しみください。

◆ 広島県府中市のお好み焼秘史
府中市のお好み焼はまだ調査が不十分であることがわかりました。
もしかしたら県内で最も古い形を残しているのかもしれません。

③ 全国各地のローカルお好み焼に関する記事

◆ 淡路島には最古のお好み焼(=肉天)が今も残っていた_1
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淡路島には最古のお好み焼(=肉天)が今も残っていた_2
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淡路島には最古のお好み焼(=肉天)が今も残っていた_3
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淡路島には最古のお好み焼(=肉天)が今も残っていた_4
現地の人たちですらその価値に気づいていない淡路島の肉天についてレポートを書きました。
これはお宝ですよ!

◆ 岩国市の薄切り牛肉入りお好み焼の由来を調べて驚いた
全く知られていませんが、岩国市の古い店に残るこのお好み焼について調べると、庶民の強かさと逞しさが感じられました。

◆ 熊本市発祥のちょぼ焼に関する考察
ローカルお好み焼の中でも圧倒的に特徴がありながら、当地で衰退しつつある「ちょぼ焼」について調べました。

◆ 兵庫県高砂市、にくてんの記録
お好み焼の最も古い呼び名「にくてん」が現在も使われている地域、高砂市の現状について調べました。

④ 中国新聞SELECT「熱狂のお好み焼トリビア」連載(2019年5月〜10月)

前半が本の概略、後半がトリビアになっています。
全文を読むにはメールアドレスを登録して、ログインしなければなりませんが、すべて無料で読むことができます。
(1)誕生の真実、知りたかった
(2)標準の焼き方、実は改良型
(3)呉市に残る異なる文化
(4)おじやのような優しさ
(5)尾道市は軽め、生の海鮮も
(6)府中の焼き方、尾道由来か
(7)しまなみにも独自の文化
(8)福山中心部は混ぜ焼き
(9)もう一人のキーマン搜せ
(10)「関西風」呼び名の源流は
(11)「ソースレス」成立するか
(12)島や住宅街に潜む穴場店
(13)弱点改良「シャオヘイ型」
(14)近くに同名の店が三つ
(15)牛肉入り豚肉よりも歴史
(16)季節限定素材で魅力向上
(17)麺を抜けばダイエット食
(18)換気・スプレーでにおい対策
(19)まさかの屋号や外観の店
(20)冷凍食品で地元の文化拡大

⑤ その他

◆ 2021年8月15日、終戦記念日の特集として聖教新聞の取材を受けました
 なぜ終戦記念日にお好み焼の記事なのかは「広島市はなぜ、お好み焼タウンになったのか(前編)(後編)」を読んでください。
 記事そのものは有料会員登録しなければ読めないのが難ですが...。

◆ 2021年3月3日「みっちゃん総本店」において、二代目井畝満夫襲名式に立会人の一人として出席しました。
 朝日新聞の記事に僕のコメントもありますが、有料会員部分に入っています...。

⑥ 熱狂のお好み焼の正誤や追加情報など

◆ 広島県最古の可能性がある店
三原市東町「さかい」の創業は昭和20-24年(1945-1949)とのこと。
当然ですが代替わりしているので、正確な創業年はわかりません。
焼き方は焼そば三原スタイルではなく、戦前の一銭洋食の流れを汲む広島オールドスタイル。
しかし麺入りをモダン焼と表記しており「三原市で麺入りをモダン焼と呼ぶのは、関西の芸人から伝わったんだよ」と教えてもらいました。
その後、閉店されていることを確認しました。
残念です...。

P12:「戦前、中華麺を使った料理としてはラーメンよりもソース焼きそばの方が一般的で、専門店も多くあった」と書いていますが、ラーメンのほうが一般的だったはず、と焼そばの大家からご指摘いただきました。何かを読んでそう書いたはずなのですが、執筆に時間をかけすぎたのでソースがわからなくなっていますが、誤りの可能性が高いです。

P34:「聞き書 広島の食事」からの引用で、お好み村初代村長の古田正三郎さんの話を掲載していますが、引用元には古田正三郎さんの談話と書いてあるのみで、お好み村初代村長かどうかは明記されていません。同姓同名の可能性があります。また、古田正三郎さんは愛媛県の出身であることがわかっており、彼の談話はどこまでが広島県の話なのか、愛媛県の話なのか引用元にも明記がありません。子供の頃の話は当然、愛媛県と推察されるため、広島県の一銭洋食とは状況が異なっていた可能性があります。

P40:「かじもと(広島市中区江波)」は閉店したようです。歴史の証人ともいえる店でしたが残念です。

P158:デフォルトでコンニャクが入るのは「仲よし」「ニューさが」だけでなく「珠里庵」でも入ります。痛恨の校正漏れです。

P273:佐々木酒店(現在も営業中)と書いていますが、令和元年6月に入って、5月31日で閉店したと、貼紙が掲示されました。後継者問題のようです。

P280:三葉矢ソースを使っている店がもう一軒、見つかりました。東広島市安芸津町「おふくろ」です。

P285:サニーソースは尾道市天満町「樽屋商店」と尾道市因島土生町「小林商店」で購入可能と書いていますが、どちらも閉業されました。サニーソース自体が廃業されたとの情報もあります。

P298:480円で提供している店を新たに見つけました。広島市西区大芝「一休食堂」です。
P301:400円で提供している店を新たに見つけました。広島市安佐北区可部町「まこ」です。

P341:「14」が貸店舗になっていました。閉店か移転かは不明です。

P348:「焼きそばという料理は、中国の炒麺がルーツなので、歴史は紀元前までさかのぼる」と書いていますが、やはり焼そばの大家から、中国において焼そばが成立したのは早くても北宋の十世紀頃ではないか?とご指摘をいただきました。これは確か麺の歴史に関する本を読んで書いたはずですが、ソースがわからなくなっています。張競著「中華料理の文化史」を読むと炒めるという料理が生まれたのが北宋の十世紀頃と書いてありました。僕は麺という料理の成立と混同したのかもしれません。

P362:「がんちゃん(広島市中区薬研堀)」も「みっちゃん総本店」で修業されているという情報をいただきました。
「はちめん(広島市佐伯区五日市)」は元福屋にあった「みっちゃん総本店」出身との情報をいただきました。

P363:「普(広島市安佐南区山本)」が別の店になっていました。閉店か移転かは不明です。

P366:歴史的には非常に重要な「光」「かじもと」「中刎」「なおき」は閉店のようです。

なお、この本では主に戦後に発展した広島県内のお好み焼について、その来歴を明らかにしていますが、戦前のお好み焼史については、近代食文化研究会著「お好み焼きの物語」が出色です。
この2冊を読めば、少なくとも東京都と広島県のお好み焼についての歴史的事実を理解することができます。

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