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子供向けスポーツ用義足ワークショップ

パラリンピックなどで使われたスポーツ用義足。そのスポーツ用義足を誰でも体験できるような靴を使用し、これまでに多くのイベントなどで体験会が開催されてきた。我々は体験するだけでなくその学びをさらに深めるために、2015年からサイエンスやアートのエッセンスを含めた子供向けワークショップを毎年夏に森ビルのイベントの中で開催してきた。

2019年はレゴを使ってモータのような動力がなくても坂道をとことこ歩く受動歩行器を作って、足のメカニズムを学ぶワークショップを開催した。

昨年はオンライン開催ということもあり、レゴの歩行器をあらかじめ参加者の家に送り、組み立てと歩行実験をリモートで行った。また、新たな試みとして、義足の子がマラソン大会に参加した時の実際の出来事をテーマに、「公平」について考えるカリキュラムを作成し、チームに分かれてディスカッションを行った。参加者たちからは答えのない公平に対して様々な意見が出てきた。

そして、今年はスポーツ用義足のミニチュアを作り、自分の好きな色を塗ってコマ撮りで動画を作成するワークショップを開催した。スポーツ義足は今まさにリチャードブラウン選手が世界記録を樹立した時に使っていたスポーツ用義足と同じものの1/10モデルを3Dプリンタで作成した。1つ300円ほど、5色左右それぞれ50個ずつ、計500個。

これを左右2つ好きな色を選び、ポスターカラーを使って好きないろに塗ってもらった。スポーツ用義足の板バネは一般的にはカーボン調の黒が一般的だが、自由な色を塗ってもいいとなると、子供たちは思い思いの色を塗って楽しんでいた。


日常用義足とスポーツ用義足の違い、板バネとソケット、走っている時の板バネのたわみ、設置位置など色々と考えながらも楽しそうに色を塗って、動画を作成している子供たちの想像力は、我々にとっても大きな学びとなった。動画作りには、テーブルいっぱいの競技場とサッカーフィールドをプリントした紙の上で、2つのスポーツ用義足を指にはめ、足の動かし方を指で再現しながら義足を動かし、その様子を連続で撮影し、コマ撮り動画の作成を行った。義足の動かし方は実際の選手の走り方を動画で見ながら、義足の地面へのつきかた、義足のたわみ具合、跳ねる感覚などをうまく再現していた。

出来上がった作品たち。これまでのワークショップは参加者通しの会話はあったが、今回は共同作業がたくさん生まれ、その場で初めてあった子と仲良くなったという話も伺った。

そして恒例の体験会と春田選手との交流。

スポーツ用義足体験会
春田選手との交流会

通常一般的に行われているスポーツ用義足の体験は一回1分ほどで終わってしまい、一人ひとりの学びは正直小さい。今後ともこのようなワークショップを通じて、義足で走っているアスリートの凄さ、走りや板バネのメカニズム、さらには障害や多様性、SDGsなど話を広げて理解を深めていきたい。

このようなワークショップ開催(レゴ歩行器、公平に関するディスカッション、ミニチュアスポーツ義足)にご興味ある方、ぜひ連絡ください。


Xiborgインターンメンバー

左から楽聖雅、遠藤謙、内藤秀人、山中海斗、春田純 コロナ陽性で当日来れなかったメンバーや準備に関わった全てのメンバーに感謝の意を表したい

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