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d. schoolでの学び② 「遊び心」

前回の投稿ではは、d.schoolでの学び①として、
 ・インタビュー文化
・考える⇄作るが表裏一体

について書きました。

今回は、3つ目の学び、「遊び心」について、紹介させていただきます。

From Play to Innovation

私が受けたd.schoolの授業の名前は、"From Play to Innovation"でした。
「デザイン思考 + 遊び心」をテーマに、"Play"がもたらす可能性についてプロジェクトを通して学んでいく授業でした。

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メインの講師は、d.school創始者が作ったデザインコンサルファームであるIDEOのPlay Lab (旧Toy Lab) という、おもちゃ、ゲーム、アプリ、UXなどをデザインする組織のファウンダーである、Brendan Boyleという方でした。

授業の内容については、コチラに詳細にまとめていますのでご参照ください。

"遊び"の力

この授業にて、
「Play=遊び」は、デザイン思考プロセスの随所で機能する
ことを学びました。
その遊びが持つ5つの力を紹介します。

①Relax
授業の1つで、共感のプロセスの中に遊び心を加えてみようという課題がありました。
各チームが、
-インタビューをゲーム形式にしてみたり、
-考え方を逆転してみたり、
-ジムでワークアウトしながらインタビューを行ってみたり、
-ちょっと変わった人を演じながらインタビューしてみたり、
と、様々な遊び心で課題に取り掛かったのですが、そこで印象的だったのは、インタビューする人、インタビューされる人、お互いが笑顔でリラックスした状態で望めているということでした。

状況によっては、インタビューが初対面というのもあると思うのですが、遊び心を加えることで、お互いがリラックスして、初対面でも打ち解けて、より感情的な部分を引き出しやすいという効果があると思いました。

また、もちろん共感プロセスだけでなく、アイデア発想のプロセスでも、リラックスして望めることで柔軟な発想が期待できます。
ワークショップでは、よく最初にアイスブレイクをすると思いますが、これも同じような効果を期待しています。

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↑d.school Starter Kitの最初のワーク

②Ridiculous
2つ目は "Ridiculous = 滑稽" です。
授業の中で、「3分で25個アイデアを考えて!」と言われてブレインストーミングが始まりました。
さらに、
「その中で最もRidiculousなアイデアを発表して」
と続きました。
Stanford Stadiumを有効活用するというお題だったのですが、発表されたアイデアは、滑稽なアイデアが並びました。

アイデアに遊び心をもたせ、滑稽なアイデアを出すことは、アイデアの幅を拡げることに繋がります。アイデア出しでよく多様性や、量のように言われるのは、自分の思い込みから脱するためで、違った視点が、今まで考えたこともなかったところへと連れて行ってくれるのです。
そのきっかけの1つが、滑稽なアイデアであると感じました。

③Laugh
次は、アイデアを聞いた人の反応ですが、
「大声で笑いましょう」
と何度も言われました。
実際、アイデアを発表すると、講師人が率先して、本当に大きな声で大袈裟に「わっはっはー」と笑ってみせるのです。

こうした反応は、①のRelaxもそうですし、心理的安全性を高める効果があると感じました。
「発言していいんだ、次はこういうことを考えてみよう」
と、思わせてくれるのです。
実際、英語が苦手で中々議論に入れなかった自分は、この笑いで何度も救われました。
デザイン思考では、「Yes, Andの法則」が非常に重要視されますが、正にその最終形とも言えるのが「Laugh, And」だなぁと感じました。

④Fun
プレゼンテーションにも遊びの要素を加えよう!という話です。
授業の中では、プレゼンテーションでパワーポイントで発表することはしません。
「寸劇(Skit)をしてください」
と言われます。

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役になりきって、簡単な劇を通して、
実際のユーザーの苦悩を伝えたり、解決策を伝えたりするのです。

想像の通り、とても印象的なプレゼンテーションになります。非常に具体的でわかりやすくなります。
遊び心を持った楽しいプレゼンテーションは、人を惹きつけるのです。

⑤Enjoy
最後は、全体を通して「とにかくプロセスを楽しむ」ということです。

「仕事は遊びに勝てない」みたいな話をよく聞きますが、正にそれで、やはりモチベーションが何よりも重要です。
圧倒的なモチベーションで、圧倒的な熱中が、圧倒的なパフォーマンスを発揮するのです、遊び心を随所に加えて、プロセスを楽しむことが、チームの士気を高め、チーム全体のパフォーマンスを向上させるのです。
遊び心に溢れた授業が、生徒の皆のモチベーションを高めていたことは間違いありません。
自分自身、授業にいく前は毎回すごく緊張していて、今更ながらよくやったなぁと思いますが、授業に行きたくないと思うことはなく、ただただ楽しめたのです。いやぁ、感謝。。。


以上が遊び心における学びです。
なかなか会社で遊び心をもたせるのは難しいという方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで説明した5つの要素の1つでも、取り入れてみてください。

d.school Starter Kit 日本語版

私が運営させていただいています、無料のfacebookグループ、「デザイン思考研究室」では、そんなd.schoolが公開した2020年5月に公開したデザイン思考入門のオンラインワークショッププログラムの日本語版を公開しました。

定期的にワークショップも開催していますので、ご興味のある方は、私のnoteやデザイン思考研究室noteをウォッチしてみてください。

また、デザイン思考研究室では、「日本をもっとクリエイティブに!」を理念として、デザイン思考に関連する情報やコラム。発信、交流。ワークショップの主催、企画、など行っておりますので、ご興味のある方は気軽にご参加ください。

それではまたお会いしましょう!

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