マイナス5℃

灰色の世界の中。
雪は冷たくて、ミルクティーはあったかくて、あなたは白くて綺麗だった。
空気は冷たくて、私の手も冷たくて、でも心はドキドキとあったかかった。
切り取られた景色が頭に浮かぶ。あの日の冷えた空気ごと、私の中に閉じ込められている。そうだね、あなたごと閉じ込められたらよかったのに。
あの日あなたは、「また」って言った。私は明日を信じながら眠りについた。
だけど、待ち合わせの場所にあなたは来なかった。
それだけじゃない。あなたの香りの残るものは全て、私の元から去ってしまった。
あの日に私は縛り付けられている。進むのが怖い。あなたは、もう居ないから。

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