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ふもとっぱらで牛すじ煮込みを楽しむソロ冬キャン

今回は久しぶりにキャンプ記事です。これまで本格的な冬キャンプはしたことがなかったのですが、薪ストーブを手に入れるなど装備が充実してきたので今シーズンから冬キャンプも始めてみました。

2024年もキャンプ記事は文字多めの写真多めで一気書きでいきたいと思いますのでお付き合いください。そのうち飽きるかもしれません。



はじまり

この年末年始休みは絶対に冬キャンプへ行くことに決めていた。ここ信州松本近辺のキャンプ場はそのほとんどが冬はクローズしていて、オープンしているキャンプ場でも景色が良いところとなると気温がかなり低くなる。それなら富士山の見えるキャンプ場へ行こうということで、今回はふもとっぱらの年末年始分予約開始時に何日分か予約したのだった。しかし、家の用事があったり天候が思わしくなかったりで結局は年末年始休みも終わる三連休の初日(1/6-7)の晴天の日に行くことにした。

私は「せっかく行くのであれば条件の良い日でなければ行かない」という軟弱キャンパーである。実はもっと軟弱で正月に家でぬくぬくのほほんとしていると「2時間もかけてふもとっぱらへ行くのも面倒だな」と思ってしまい、景色が少し悪くても近場で済ませようとも思ってしまっていたのだった。しかし、近場は天気が悪かったので結局はふもとっぱらになったのだった。

ふもとっぱらで一番怖いのが風だと思う。何も遮るものがないので強風だとなす術がない。 Instagramなどを見ていたら、ふもとっぱらで年越ししていた人達は結構なの悪条件だったようだが、軟弱キャンパーの私はそんな環境は耐えられない。そこで、風の状況も入念にチェックして1/6-7は風も穏やかである事を確信していたのだった。

いざ、ふもとっぱらへ

キャンプの前日に荷物を車へ積み込んでおき8:30に家を出発した。ふもとっぱらまでは高速で甲府南まで行き、そこから精進ブルーラインを走る約2時間の道のりである。前回のキャンプも11月のふもとっぱらだったので全然新鮮味がないが、やはり富士山が見えてくるとテンションが上がる。この日も山梨県に入ったあたりで見えてきた富士山にテンションが上がった。

順調に走り11時前に道の駅 朝霧高原へ到着した。キャンプに来たらその地のものを一つは頂きたいので道の駅へ立ち寄るのは欠かせない。

青空と富士山がたまらない

ここではこの日に飲むビールと日本酒を買う予定だった。ビールすぐに選ぶことができたのだが日本酒は前回来た時と同じ銘柄になってしまいそうで躊躇していた。そこで、近くにある日本酒の蔵元まで行って購入することにした。道の駅のすぐ近くにあるフードパークには日本酒の酒蔵「富士正」がある。前回のふもとっぱらキャンプではここの日本酒を道の駅で購入したのだが、それがとても美味しかったのでここの生酒を飲んでみたいと思っていたのだ。

お店に入ってみるとたくさんの銘柄が並んでいて迷ってしまった。しかし、最初に決めていた生酒のうち一番お手頃なものを選んで購入した。樽酒にも惹かれたが、はじめて酒蔵まで来たら生酒を飲みたいと思ったのだ。

店員さんの接客が良くて気持ちが良かったです

お酒も揃ったことでキャンプ場へ向かった。キャンプ場に着いたのは11時過ぎだったのでそれほど混んではいないだろうと思ったのだが、意外と混んでいて長いチェックイン待ちがある時に使われると聞いていた林の中の経路を誘導されチェックインまで10分ほどかかった。

チェックイン待ちで暇だったので撮影

前回と同じNエリア前方に設営したのだが、またカップルが

場内に入ると目の前にはふもとっぱらの醍醐味である見事な富士山が広がっていた。サイトには前日からいたキャンパーなのか、朝早く来た人なのかで売店やトイレが近い人気エリアはほぼ埋まっていた。それでもパラパラとは空いていたのだが、私は少しくらい不便でもあまりゴミゴミしていない方が良いので、前回来た時と同じNエリアの前方に設営することにした。

Nエリアの中でもなるべく景色の良い場所に設営したかったので、歩き回って場所定めをして「ここ」という場所を見つけたのだが、その場所の斜め前にソロキャンパーがいた。しかし、そのソロキャンパーからは帰りそうな雰囲気を感じたので、私のその直感を信じて設営場所とした。

今回は薪ストーブを使いたかったのでサバティカルのモーニンググローリーTCを持ってきた。一人でも設営は簡単だし広さは十分あるのでお気に入りのテントである。風があると設営難易度が一気に上がるところが弱点だが今回はほぼ無風だったので助かった。テントを建ててみるとテント越しの眺めもテント内からの眺めも最高だった。

設営が完了する頃には私の感は的中し、斜め前に居たソロキャンパーは撤収していった。「これは今回はついているぞ」と喜んでいたらその場所に若いカップルがやってきた・・・また前回、前々回と同じかと自分にツキなど無いことを認識して、こういうこともあるだろうと持ってきた大きい陣幕をテントの前に建てた。焚き火台も出さないのに陣幕だけ張っているのは、周りから見たら奇妙だっただろう。

富士山とモニグロ
テント内からも最高の眺めだが前方には・・・

お昼ご飯は茹で汁の残らないパスタ

目の前も隠れたので少し遅い昼ごはんにした。今回の昼ご飯は以前に本で見てやってみたかったフライパンひとつで作れて茹で汁も残らないミートソースパスタである。

マルチグリドルに水220mlを入れて沸騰させたら早湯でのパスタを投入して蓋をし、パスタの指定時間茹でる。時間が経ったら蓋を開けて茹で汁がなくなるまで火にかける。あとはお好みのパスタソースを加えて軽く炒めたら完成だ。具材を入れたらもっと美味しいだろうが、富士山を眺めてビールを飲みながら食べるのでこれで十分である。

一方で目の前に設営を始めていたカップルはと言うと、彼女の方がテントを広げてスマホで何かをずっと調べていた。おそらく設営方法を調べていたのだろうが、全くテントを建て始めない。そして、ついにはテントを片付け始めてしまった。どうやらデイキャンプでテント設営の練習に来たようで、その後1時間くらいしたら帰って行った。「私の陣幕設営労力をどうしてくれるんじゃい」と思ったが、目の前に建てられないに越したことはないので良しとした。

最初の一杯はマルエフがうまい

場内散歩

このままだと富士山を眺めながら飲み続けてしまうと思ったので、設営されているテントやギアを眺めながら場内を散歩することにした。色々な種類のテントがあるものだと感心するし、レンターカーで来ている人が結構いて自分ならそこまでしてキャンプ来ないなと思ったりした。しかし今はシェアする時代だから必要な時にレンタカーを使うのが都会では普通なのかもしれない。そんなことを思いながら場内を一通り歩き回り、定番の風景を撮影してから売店で買い物をしてサイトへ戻った。

この時間でも風が弱かったので逆さ富士が綺麗だった
キング牛舎越しの富士山が好きなのです

薪ストーブで牛すじ煮込みを仕込む

テントへ戻り、少し早いが晩御飯の準備を開始した。本日の晩御飯は牛すじの煮込みである。毎回美味しそうな料理を作るteraken_さんの記事を見て作ってみたいなと思っていてたのだが、キャンプの食材を買いにスーパーへ行ったらちょうど美味しそうな牛すじが売っていたので今回はこれにしたのだ。

前日に牛すじを茹でて下処理をしておき、それをジップロックに入れて持ってきた。下処理は終わっているのでお好みの材料を入れて煮込めば良くとても簡単だった。teraken_さんは大根と煮込んでいたが、私は根菜好き、食物繊維たくさん取りたい派なので大根、にんじん、こんにゃくと一緒に煮込んでみた。

具沢山の牛すじ煮込み

具材をダッチオーブンに入れて味付けしたものをガス火にかけて煮込んでいる間に薪ストーブに火を入れた。薪ストーブの全面ガラスは不良品を交換したてなのでピッカピカで気持ちが良い。やはり薪ストーブのガラスは毎回綺麗な状態で使いたいと思った。そして、火が安定したところで薪ストーブの上でコトコトと煮込んだ。

炎が見えた方が楽しい

富士山と美味しいFujiyama Beer

薪ストーブでテント内も暖かくなってきたので、道の駅で購入してきたビールを飲むことにした。今回選んだビールはFujiyama Beerのヴァイツェンである。この時期はなぜかヴァイツェンが飲みたくなるのだが、何故だかはわからない。これに合わせるおつまみは厚揚げとピクルスである。実は私は厚揚げが大好きなのだ。

厚揚げの調理方法はシンプルで、熱したスキレットにごま油を引いて厚揚げを温め、その上に九条ネギと醤油をかけた。やはりこのようなシンプルなものが一番うまく、あまりカロリーを摂りすぎることができないお年頃の私にはちょうど良い。絶景も相まってビールがとても進んだ。

どうこのロケーションとビール
お手軽で間違いないおつまみ

赤富士と富士山麓ハイボール

ラジオを聞きながらのんびりとしているとだんだんと日が暮れて富士山が赤く染まってきてとても綺麗だった。ランタンにも火を灯して、しばらくその景色を眺めた。

見事の赤富士
ランタン越しの山も好き

最高の景色を見て気分がよくなったので、晩御飯前にもう一杯飲むことにした。つまみは軟骨揚げである。少量を揚げるので小さなスキレットに油を入れてアウトドアスパイスで味付けした軟骨に片栗粉をまぶし揚げた。そして、このつまみと一緒に飲んだのは富士山麓のハイボールである。揚げ物にはハイボールが良く合う。

揚げ物の音とにおいがたまらない
富士山を見ながら富士山麓を飲むこだわり

山と酒は私のキャンプには欠かせないものなので山が眺められないキャンプ場に行くことはほとんどない。暗くなるまでこの景色を眺めながら美味しいハイボールを頂いた。

牛すじ煮込みと地酒

すっかり暗くなったので晩御飯にした。薪ストーブの上に置いたスキレットからはグツグツという良い音と、とても良い香りがする。蓋を開けると味が沁みていてとても美味しそうだった。この牛すじ煮込みに九条ネギを載せ、八幡屋礒五郎の七味(長野市のお店だが松本城デザイン缶)をかけた。最高の組み合わせ。

これに合わせたのは、来る途中で寄った酒蔵「富士正」で買った「辛口本醸造しぼりたて」である。辛口のお酒が甘辛い牛すじ煮込みとマッチして美味しかった。

本日のメインディッシュ
別のアングルから
ネギたっぷりがうまい

あまりにも美味しかったので、残っていた具材を追加してさらに煮込んだのだが、「もしかしたらこの汁には私の大好きな厚揚げが合うのではないか?」と思い残っていた厚揚げも投入してみた。これが正解だった。なんでもやってみるのが大事である。

かなり飲んでいたのでピンボケしてます

夜景を撮影してからプリンを食べる

いつもならこのままお酒を飲み続けるのであるが、毎回同じことをするのもつまらないのでカメラを持って夜景の撮影に出かけた。向かった先は金山キッチン前の池である。私がテントを建てたところからは歩いて5分くらいかかるが、風もなかったしお酒も入って気持ちよくなっていたのでのんびりと歩いて行ってみた。

行ってみると星空と池に映り込んだ富士山がとても綺麗だった。星空撮影用のフィルターを家に忘れてしまったのがとても残念だった。

星空と鏡富士
ぜひ拡大して見てください

その後もテントに戻りながらしばらく富士山と空を撮影していた。空には冬の星座がたくさんあった。これが見られるから冬キャンは素晴らしい。

富士山とテント
反対方向も
方向によっては天の川が見えたらしい

時間を忘れて撮影していたら体が冷えたので、暖かいテントの中に入ってお湯を沸かし、オーストラリア出張土産でもらったコーヒー豆を挽いて淹れた。そして、ここにきたら毎回食べるふもとっぱらプリンと一緒に頂いた。酸味が強い豆とプリンが美味しかった。

このプリンが美味しい

そして10時過ぎに寝ることにした。今回も車中泊だったが氷点下まで下がる予報だったので珍しく湯たんぽを持ってきた。その湯たんぽを電気毛布で温めた寝袋の中に入れたらとても暖かくて快適だった。これならあと5℃下がってもいけそうだ。そんな暖かい寝袋の中で眠りについた。

ふもとっぱらの朝を楽しむ

3時過ぎごろから車内にいても外の風の音がして何回か目を覚ましたが、起き上がることなく6時まで寝袋の中にいてゴロゴロしていた。きっとテント内ならうるさかっただろうがこれが車中泊のいいところだ。そのうちに外が少し明るくなってきたので、ダウンジャケットにダウンパンツという完全防備でカメラを持って夜明けを見に出かけた。

外はとても寒く、車の窓もテントも凍っていたが、空気は澄んでいて気持ちが良かった。私はこの静けさと凜とした空気感が好きだ。朝も鏡富士を見に行ったのだが、夜とは違って写真を撮っている人がたくさんいたのでいい場所が空くのを待って数枚撮影した。ここからの景色は日の出前の方が綺麗だと思う。

夜明け前の富士山と三日月
もう少しで夜明け
そして空が明るくなった

テントに戻り薪ストーブに火を入れてコーヒーを淹れるためのお湯を沸かしていたら、富士山の横から太陽が登ってきた。寒いところに居ると、お日様って暖かいんだなって実感し、その有り難さを知るがこれもキャンプのいいところ。

この日の日の出
やはりこの景色を見ながらの朝のコーヒーは格別

朝ごはんは私が育った地域では定番のとろろ汁

この日は1月7日で普通の地域では七草粥を食べると思うが、私の実家では長芋をすりおろしたとろろ汁を食べていた。長芋は私の生まれた村の特産品だったからだとは思うが、1月7日の朝になると父親がとろろ汁を食べていたのを思い出す。そんなわけでこの日の朝ごはんはとろろ汁にした。長芋は実家から貰ってきたものなので産地直送である。

メスティンでご飯を炊き、とろろで手が痒くならないように手袋をして長芋を擦り、めんつゆを入れて頂いた。久しぶりにとろろ汁を食べたら、とても美味しくて普段炭水化物を制限している私も思わずご飯を1合食べてしまった。長芋は今が旬なのでとても美味しかった。

お味噌汁はインスタントです
混ぜて空気を入れたのでトロトロのふわふわ

風強い中の撤収

夜明けからだんだんと風が強くなってきていた。あまり長居はするつもりが無かったので、朝ごはんを食べたら早々に撤収作業に入ったのだが、この風がテントを畳むのに厄介だった。それでも、予報を信じてテントの撤収を最後にしたら、ちょうど風が弱まってきたのでそのタイミングを逃さず撤収することができた。なんてラッキー。最後に売店で定番のお土産を買ってふもとっぱらを後にした。また近いうちに富士山を見に来たいなと思いながら。

定番土産のビールとプリン
撤去直前

おしまい。


あとがき

こんな久しぶりのソロキャンプでした。最近は同僚とのデュオキャンが多かったのですが、久しぶりのソロキャンは気ままで楽しかったです。朝の強風以外は天気にも恵まれて景色も良く最高の冬キャンだったかなと思います。ふもとっぱらはやはり見晴らしが最高なキャンプ場ですが、たまには富士山が見える違うキャンプ場へも行ってみたいなと思いました。

あと、最後に思い出したのですが、目の前に大きなキャンピングカーが停まっていて終始私の視界に入ってきていました。このキャンパーはどうやら韓国のYouTuberみたいで終始撮影したり実況中継をしたりしていました。キャンピングカーのナンバーが日本のものではな無かったのですがまさか船で来たのですかね。調べないですけど。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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