「ハァ……気に食わんな」

彼は苛ついていた。何もかも、気に入らない。

爆弾付きの首輪をつけさせられ、落下傘で戦場に放り込まれ。武器を拾って殺し合いをして、最後の一人まで生き残れ、と。どこのアホが考えたデスゲームか知らんが、俺に対する……罰か？温情か？　悪趣味な。

確かにまァ、弱者は淘汰される。強者が最後に残り、すべてを手に入れる。戦場とは世の中の縮図だ。なんでも願いを叶えてくれるというなら、優勝すれば俺の願いも、信念も、実現するのだろうか。

だが。そうはいかん。俺が『見返り』を求めて勝ち残るわけにはいかん。
俺には義務がある。信念がある。無論、悪党なら殺そう。だが、無力な弱者を殺すわけにはいかない。そして悪というなら、こんなくだらんイベントを開催した、主催者が悪だ。断罪せねば。真の英雄なら、『彼』なら、当然そういう結論に至るはずだ。俺もそう思う。

英雄とは何か。ずっと自問し続けてきた。自明だ。見返りを求めず、己の生命を捨ててまでも、真心から出た行動で、確かな力で、人を救う者。そうでなくてはならん。俺は英雄にはなれん。そうせねばならなかったとはいえ、己の信念のために人を数多く殺した汚れ者、ヴィランだ。かといって、自殺など論外だ。生き残らねば、俺の信念は為せぬ。ならば。ならば。

「今はただ、悪人を殺す。そうし続ければいい。シンプルだ」

【？？？/午後12時12分】
【ステイン＠僕のヒーローアカデミア】
［状態］：健康
［装備］：
［道具］：スマートフォン
［思考・行動］
基本方針：悪人を殺す。最終的には主催者も殺す。無力な弱者には手を出さない。結果的に優勝すればそれでよし。
１：武器を探す。

【人物紹介】
漫画『僕のヒーローアカデミア』6-7巻に登場するヴィラン。31歳。赤黒いマフラーを纏い、包帯状の覆面で目の周りを覆った凶相の男。元は正義のヒーロー気取りのイカれた辻斬りで、ある事件をきっかけに凶悪な思想殺人犯「ヒーロー殺し」となった。No.1ヒーロー・オールマイトだけを真のヒーローとして狂信しており、彼以外のヒーローのほとんどを贋物として殺害対象に含む。鍛え抜かれた身体能力、戦闘経験、異様な妄執によって高い戦闘力を誇る。"個性"は対象の血液を摂取することで身体の自由を短時間奪う「凝血」。血液型がO＜A＜AB＜Bの順で奪える時間は大きくなり、B型に対しては8分もの拘束が可能。逮捕後から参戦。

◇

◇

ヒロアカ海には詳しくないが、あからさまにニンジャめいているので気に入った。悪人には悪人なりの信念があるが、それを貫き通すなら、それを止める信念の持ち主が向かってくる。善悪はさておき、カラテあるのみだ。

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