邦題：カニの大騒ぎ（Crab rave）

これは、ニンジャスレイヤーTRPGのトラッシュ＝サン作オリジナルソロシナリオ「ニンジャのカニ工船」を元にしたリプレイ小説です。元シナリオそのままでやってますので、ネタバレにご注意下さい。

挑むのは、ふわふわローンでの借金返済に失敗して捕えられたニンジャ……すなわち、彼です。

◆ウォンテッド（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　　　　４　　　　体力　　　　　　　　４
ニューロン　　　　　５　　　　精神力　　　　　　　５＞４
ワザマエ　　　　　　４　　　　脚力　　　　　　　　３
ジツ　　　　　　　　０　　　　万札　　　　　　　　０
ＤＫＫ　　　　　　　２　　　　名声　　　　　　　　０

◇装備や特記事項
▶サイバネアイ：ワザマエ判定ダイス＋２
○指名手配犯：シナリオ開始時にＤＫＫが０の場合２まで上昇
◆過労：シナリオ開始時、精神力に１ダメージを負った状態

能力値合計：１３　サイバネ数：１　回避ダイス：５　ワザマエ判定ダイス：６

◆忍◆
つの版ニンジャ名鑑
【ウォンテッド】
ソウカイヤのサンシタニンジャ。ふわふわローンの借金を返せず、ニンジャ要塞に立て籠もって追跡ニンジャを殺そうとしたが失敗した。
◆殺◆

導入な

「おい、地獄さ行（え）ぐんだで！」（小林多喜二『蟹工船』より）

―――ドサンコ・ウェイストランド、アバシリ港のはるか沖合。大波がうねり、装甲カニキャッチ漁船「ケジメを迫るヴィーナス号」を木の葉のように弄ぶ。これは悪徳金融企業ネコソギ・ファンド所有のUNIX操作漁船であり、乗組員は全員「ふわふわローン」での借金を返済できなかった債務者だ。

苛酷なカニ漁は一攫千金のチャンスでもある。期間内に規定額分のカニをキャッチして生還すれば、ローンを返済して社会復帰できる。運が良ければ、数ヶ月から一年で。だがその間にカロウシや発狂死、溺死、殺し合い、海賊船の攻撃や殺人マグロの襲撃などで、多くの者が命を落とすのだ。

そして期間内に規定量に達しなければ、全員が臓器をケジメされ、ヨロシサン製薬の新薬テスターとして悲惨な最期を遂げるだろう。このジゴクに放り込まれた者たちは、沈痛な面持ちで互いを慰めあい、あるいは支給されたドラッグで現実から逃避する。生きるもジゴク、死ぬもジゴク……。

乗組員らがスシ詰めされたスペースから扉を一つ隔てたモニタルーム。そこにはUNIXを操作するハッカーと、監督・指揮・護衛を行う船長がいる。だがこの船長は、漁業のプロたる漁師ではない。彼もハッカーも単なる債務者であり……そして船長は、ニンジャであった。名を、ウォンテッド。

漁船に乗せられる者は全員素人で、目標の漁獲量に到達するなど不可能だ。故にこの漁船の存在意義は、債務者に対する無慈悲な処刑装置に過ぎない。ネコソギ・ファンドの首魁ラオモト・カンは、弱者が無駄な悪あがきをして絶望とともに死んでいくのを見下ろすのが何よりも好きなのだ！

しかして、この漁船を監視するモニタのたぐいはない。GPSで位置情報がわかる程度だ。仮にモニタがあっても、多忙なラオモトはそれを一瞥もしないだろう。そこに絶望している連中がいることがわかれば、それでいいのだ。いや、わからずともよい。ただそれらを忘れ、見捨てておけばよいのだ。

……だからといって、おとなしく殺されるわけにはいかない。希望はある。カニを獲り、そして生き残るのだ。手段を選ぶ余地はない！波風に揺られ、甲板に凍り付いた水飛沫をそぎ落とし、マズい食事と硬いベッドで生活してきたウォンテッドは、憔悴した顔で荒海を見つめていた。

状況整理な

装甲カニキャッチ漁船「ケジメを迫るヴィーナス号」
装甲：６
LAN直結小口径砲（ダメージ1、射撃難易度HARD、ニューロン判定）装備

管理モニタルーム・クルー
・船長：ウォンテッド（ニンジャ）
・ハッカー：イリエ・オカサベ（漁船のUNIX管理とソナー索敵を担当）

彼についてはこちらをご参照下さい。

労働クルーの一覧
・ペケロッパ：モモノ
・無軌道大学生
・アンタイブディズム・ブラックメタリスト（ABBM）
・チンピラ：アカウチ
・チンピラ：アオスゲ
・スモトリ崩れの男：キガヌマ
・重サイバネヤクザアナキスト：クロハマ
・重サイバネの女

彼らのうち名前がある連中についてはこちらをご参照下さい。

期間内の規定カニキャッチ数：30（元シナリオより10増やす）

ウォンテッドは精神力に1のダメージを負ってシナリオを開始する。また、精神力消費による自動成功は全て禁止である。

漁場到達一日目

「カニ群反応を捉えました！」モニタルームのハッカー・オカサベがソナーを見て声を上げる。ウォンテッドは船底から労働クルーたちを甲板へ引きずり出し、檄を飛ばす。「野郎ども！カニを獲れ！規定量のカニさえ獲れればローンが返せるんだ！生還したけりゃとっととやれ！」「「「ハイ！」」」

カニキャッチ判定。管理役を除いた現在の労働クルーの人数分ダイスを振ることができ、難易度はU-HARD。6の出目の数だけカニを獲得できる。8D6で[11244524]＝失敗！

この場合は、クルーをどやしつけてカロウシ寸前まで追い込むことで追加でカニを+3できる。代償として労働クルーの一番上にいる者が力尽き、船から転落して死ぬ。さようならモモノ。ウォンテッドはDKK3を獲得。現在5。

「全ッ然獲れてねえじゃねえか！ボーッと生きてんじゃねえ！キリキリ働けーッ！」「「「アイエエエ！」」」ニンジャにどやしつけられ、労働クルーたちは必死にカニを獲る！「ペケロッパ！」ついに1人が波にさらわれ海に転落！救出を試みる手間も時間もない！「バカ！カニの餌になっちまえ！」

転落した男はたちまち沈み、海の藻屑となる。彼の命と引き換えに少しばかりのカニが獲れた。キャッチされたカニは船舶のオートメーション機能で自動的に処理・梱包されていく。捕獲が人力なのはラオモトの趣味だ。苛酷なカニキャッチはまだ始まったばかりなのだ……。

数日経過

カニキャッチ判定、7D6で難易度U-HARD。[2345565]＝1成功。今日は比較的豊漁で、成功数+3のカニがキャッチされる。現有カニ数7。

「よーし、いい感じじゃねえか。為せば成る！」ウォンテッドはどやしつける必要もないカニ量に喜ぶ。だが……「7時の方角から船が接近！」ハッカーが叫ぶ。そちらをウォンテッドが見ると、武装したサイバネ海賊船だ！装甲船を爆破し、コンテナのカニを根こそぎ奪う腹づもりなのだ！

POW！ 海賊船から有線ミサイルが飛来！LAN砲の射角外からの攻撃！直撃すればこんな船は一撃でオタッシャだ！「イヤーッ！」ウォンテッドは船を守るべく、ミサイルめがけ支給品スリケンを投擲！

ワザマエ判定、難易度HARD。ただし精神力を消費しての自動成功は航海中はすべて不可能だ。幸いウォンテッドはサイバネアイを埋め込んでおり、ワザマエ判定ダイスは6もある。[123334]＝ブッダ！失敗！

ナムアミダブツ！スリケンはミサイルにギリギリ命中せず！「なにィ！？」こうなったら……アレしかない！

身を挺してミサイルから身を守る場合、カラテ判定で難易度U-HARD。成功すれば1ダメージで済むが、失敗すれば1D6ダメージを受ける。だが……そんなデスパレートをどうしてやらねばならないのか？弾除けならば甲板の上にあるではないか。労働クルー一覧で現在一番上にいる者を犠牲にすれば、傷一つ負わずにミサイルを防ぐことができるのだ。さようなら無軌道大学生。なおDKKを1D6獲得する。出目は[4]。現有DKK9。残り労働クルー6名。

ウォンテッドはたまたま隣りにいた無軌道大学生の首根っこを掴むと、ミサイルめがけて投擲！「え」「イヤーッ！」KA-BOOOOM！ナムアミダブツ！ミサイルは無軌道大学生に直撃し、空中で爆発四散！血肉が飛び散り、甲板を赤く染める！「「「アイエエエ！」」」「よし。必要な犠牲だ！」

なんたる暴虐！そしてウォンテッドから放たれる鬼気迫るアトモスフィアにサイバネ海賊たちはNRSを発症！「「「アイエエエ！」」」海賊船は急回頭して逃亡した。問題解決！「やれやれ。……ん？」ウォンテッドが甲板を見回すと、クルーもNRSを起こしている。今日は一旦漁を中止するしかない。

数週間経過

深夜。当番制の見張りを任せていた重サイバネの女が、仮眠中のウォンテッドを叩き起こした。「ア？」憔悴した女はサイバネアイを輝かせ、激しく興奮し、笑い叫ぶ。「ねえ、見てちょうだい！このキラビヤカな光！ネオサイタマの夜景よ！私たち、帰って来られたのよ！ヤッター！ヤッター！」

ニューロン判定、難易度EASY。5D6で[12446]＝成功。

……周りには、キラビヤカな光などない。星のない闇夜。暗雲と暗い海だけだ。「なんだ、発狂しやがったか。よくも起こしやがったなクソが！」ウォンテッドは悪態をつき、手首を握る。「ファックしてやる！」「キャハハハーーッ！」女は凄まじい力でそれを振り払い、凍てつく海に飛び込んだ！

「あ」ざぶん。重サイバネの女は、サイバネの重さでそのまま海の底へと沈んで行った。「クソ、勝手に死にやがって！他のやつが迷惑すンだろが！」ウォンテッドは舌打ちし、腹いせに労働クルーを叩き起こしてカニキャッチを行わせた。女がいないことには誰も言及しない。無駄口は無益だ。

カニキャッチ判定。残り5人になったが、慣れてきたので5以上の出目で成功。5D6で[33356]＝2成功。現有カニ数9。

数週間経過

カニキャッチ判定。5以上の出目で成功するが、それから3を引いた数しか獲得出来ない。[15556]＝4成功、1獲得。現有カニ数10。

「……チッ、全然足りねえな」不漁が続いている。かなりハイペースだが、まだ規定量の1/3だ。このまま漁獲量が足りなければ……クルーたちは精神的に抑圧され、気が立っている。「ザッケンナコラー！テメエだけ楽しやがって！総括！」「グワーッ！」ついに取っ組み合いのケンカが始まった。

「もういやだ！労働者よ団結せよ！造反有理！」重サイバネヤクザアナキストのクロハマがハッカーのオカサベに暴力を振るい、泣き叫びながら危険な革命思想を呼びかけ始めた。大変だ！「何やってんだコラーッ！」

カラテならEASY、ワザマエならHARD、ニューロンならU-HARDでケンカをやめさせることができる。割って入れば双方から殴られて2ダメージ。ここは当然カラテだろう。4D6で[1225]＝成功。クロハマは即死し、ウォンテッドはDKK2を獲得する。現有DKK11、残り労働クルー4。

「イヤーッ！」「アバーッ！」クロハマの首をウォンテッドのカラテチョップが断ち落とした。力仕事ではスモトリ崩れのキガヌマの次に役立ったが、ハッカーが死ねば全滅だ。仕方あるまい。第一アナキストは反乱を起こしかねない。「和を乱す野郎はこうなる！ワカッタカ！」「「「ハイ！」」」

数ヶ月経過

―――あれからいろいろなことがあった。暴風域に突入する中のカニキャッチ、網にかかった巨大バイオカニと繰り広げられた死闘、サイバネ海賊の波状攻撃……数々の困難を乗り越え、この装甲カニキャッチ漁船「ケジメを迫るヴィーナス号」のクルーは固い団結を形成しつつある。

カニキャッチ判定。難易度はNORMAL、出目6につき+1。4D6で[2566]＝3成功+2で5獲得！現有カニ数15。あと半分！

「よし、よくやった。もう少しだ！」「ハイ！」無事にカニ漁を終え、彼らは曇天の寒空の下で一息つく。互いを励ましあい、息のあった動きでカニを捕らえる。ウォンテッドもこれ以上クルーを減らすことはない。生還のためには、これ以上誰も欠けるわけにはいかないのだ。……その時。

「革命！」「進歩！」「闘争！」騒々しいメガホン音声が静寂を破った！「我々はァ！進歩的革命闘争連帯、イッキ・ウチコワシの！洋上欺瞞資本主義漁業粉砕同胞団である！」赤塗りのコルベット艦から現れたのは、上下赤備えの男たち！ナムサン！ソウカイヤと敵対する武装アナキスト集団だ！

「ブルジョワ傘下の漁業労働者諸君！ 我々は諸君らの労働を搾取する構造を徹底的に世界より撃滅総括打破するためにここにいる！即刻下船し革命闘争の進歩的先鋭戦力になることを宣言せよ！ 万が一にでも無思考的拒否を示す場合、我々は、革命的艦砲射撃でこれらを革命的排除する姿勢である！」

ウォンテッドとクルーたちは顔を見合わせて頷く。立ち上がったウォンテッドは首を親指で掻っ切る仕草をする！ABBMもメロイックサインを掲げた！イクサあるのみ！「……これより目標を相互共産不可能的無知能無思慮反革命勢力とみなす！」「総括！」「総括！」「総括！」

コルベット艦が重機関銃で艦砲射撃開始！装甲カニキャッチ漁船もLAN操作小口径砲で応戦！BRATATATATATATA！BRATATATATATATA！

毎ターンごとに船に1ダメージ。しかしこちらの船は体力6、あちらは10なので、放っておけば先にこちらが沈む。スリケンでちまちまとダメージを与えることも可能だが、確実なのはウォンテッドがあちらの船に乗り移り、カラテで皆殺しにすることだ！脚力判定、難易度NORMAL。失敗すれば海の藻屑だ。3D6で…[244]＝成功！カラテ判定もNORMALで[1666]＝成功！

「イイイイヤァァァーーーーッ！」ウォンテッドは全身全霊を振り絞り、常人の三倍近い脚力でコルベット艦に飛び移る！そして！「イイイイヤァァァーーーーッ！」死物狂いのカラテを振るい、コルベット艦のアナキストたちを凄まじい勢いで皆殺しにしていく！ゴウランガ！これがニンジャだ！

「ハァーッ、ハァーッ……！どうだ！俺はニンジャだ！」ウォンテッドは殺戮と勝利の喜びに打ち震える。これだけではおさまらない。活動物資を色々溜め込んでいるはずだ。倉庫へ走るウォンテッド！

カニ入りコンテナ（カニ5を入手）、真っ赤なアタッシュケース（バイオインゴットを入手）、剥き出しの貴金属類（万札10に相当）のうちどれかを選べる。当然カニを選択（他のはなしとする）。現有カニ数20。あと10だ。

「これだ！」他のカニキャッチ漁船から掠奪したカニ入りコンテナを入手！ウォンテッドはコンテナを担ぎ上げて運ぶ。装甲カニキャッチ漁船をギリギリまで近づかせ、コンテナを甲板へ投擲！さらに水や食料、武器弾薬に燃料も奪い取り、後は漂流するに任せた。いずれ海の藻屑だ。

数ヶ月経過

予想外の収穫もあり、規定カニ数までは後少しだ。クルーたちは喜び勇んでカニキャッチに励む。皆、一丁前の海の男の顔になっていた。

4D6で[1255]＝2獲得。現有カニ数22。

ぼちぼちの漁獲量だ。だが……海面にバイオサメめいたヒレが現れ、こちらに近づいてくる。ウォンテッドは警戒した。「サメだ！気をつけろ！」バイオサメ程度ならこの航海で何度も殺している。それほど大きくもない。甲板に登ってくる前に殺すべし！支給品スリケンを投擲！「イヤーッ！」

[122346]＝成功。

「グワーッ！」命中！だがサメは異様な叫び声をあげると、突如甲板へ跳躍してその姿を現す！サメではない！藻屑をニンジャ装束として纏ったバイオニンジャだ！「アババーッ！」異様なその姿を見ても、数ヶ月もの間ニンジャと暮らしてきたクルーはNRSを起こさない。だが、距離はとった。

バイオニンジャは既に瀕死のようで、倒れ込んで気絶した。そして藻屑には多数のカニがしがみついている！「ちょうどいいぜ。イヤーッ！」ウォンテッドのカラテがバイオニンジャの頭部を粉砕！「サヨナラ！」バイオニンジャは爆発四散！「ヤッタ！カニだ！」クルーたちはカニを拾い集める。

カニを3獲得。現有カニ数25！

……その時。

「……オー……」妙な音が聞こえた。「……オー……」波？　風？　妙な音だった。「……オー……」船の進路には、岩塊がある。音はそこから聞こえて来るようだ。「おい、舵を切れ！ぶつかるぞ！」「か、変えてるんです、逸らしてるんです」計器を見ても異常はない。ならば、岩が動いているのだ。

「……オー……」今やはっきりとわかる。謎の音は怪物の発する唸り声だ。身をもたげるそれは、岩山めいた甲羅を尖らせた巨大な亀……否……奇妙に老人じみた面影のある巨大な顔の獅子……否……亀と獅子の合いの子のような姿をしていた。波間に動く巨大な柱じみた足は六本ある。「オー……」

フランス南部、タラスコン市の紋章

ウォンテッドは直感した。あれは……ニンジャだ。自分のようなサンシタではなく、おそらくは太古から今まで生きている不滅のニンジャ。自分たちは知らぬままに、そのテリトリーへと到達してしまったのだ。モータルがアレを直視すれば発狂死は免れまい。どうする。どうする。

例のアレです。精神力判定、難易度HARD。4D6で[1556]＝成功。

船内が混乱に見舞われる中、ウォンテッドは初めて漁場についた時と変わらず、断固としてクルーらを激する！「見ろ、奴の体表を！」乗組員たちを落ち着かせるにはどうすればいいか？「……カニだ！」「カニ！」「キャッチ重点！」クルーたちは無数のカニへギラギラとした目を向けた！

「オー……」もはや亀めいた謎の巨大ニンジャは目の前！それは巨大な前足をもたげ、装甲カニキャッチ漁船へと無慈悲に振り下ろす！

カラテ・ニューロン・ワザマエで最も高い値で判定、難易度U-HARD。ワザマエ判定、6D6で[123356]＝成功！ゴウランガ！

ウォンテッドの脳裏にソーマト・リコールがよぎる。だが、ここでおめおめと死ぬわけにはいかない！「イイイイヤァァァーーーーッ！」ウォンテッドは全身全霊を振り絞り、超重量の一撃をいなす！振り落とされたカニが甲板に散らばり、クルーが急いでキャッチ！

カニキャッチ判定。[2346]＝2成功、さらに神話級ボーナスとして+10！現有カニ数37！ゴウランガ！

今まで見たこともないほど大量のカニが一度に！だがこのままでは船が危険だ！「離脱しろーッ！」ウォンテッドの掛け声でハッカーは漁船のニトロエンジンを点火し急速離脱！KA-BOOOM！ウォンテッドは漁船の船尾でカラテ警戒の姿勢を取りながら神話級ニンジャと相対する！「オー……」

うらめし気な咆哮を上げながら沈んでいく怪物を見つめながら、ウォンテッドは用心深くザンシンした……。「……勝った」ウォンテッドが呟く。「見ろよこのカニの量を！俺たちは勝ったんだ！素晴らしい収穫だ！これでカニは規定数に到達した！帰れるぞーッ！」ウォンテッドが叫ぶ！

「「「「「ウオーーーッ！！」」」」」クルーたちは号泣！「ウワーッ！」「ウォンテッド＝サン、バンザーイ！」「アアダブーッ！」「バンザーイ！バンザーイ！バンザーイ！」……

帰路にて

長い、しかし通常の漁よりは遥かに短い船旅だった。ウォンテッドは甲板で沈む夕日を眺めている。狂気は過ぎ去り、彼は油断ならぬニンジャとして、タフな海の男として鍛え上げられた。カニの数は規定量を超えた。無事に帰還できれば、ローン返済に加えてボーナスさえも獲得できよう。

Wasshoi判定。現有DKK11。2D6を合計した数が11以下であれば失敗する。出目は……[16]＝7。Wasshoi！出現地点は……[1]。だが果たして、こんなドサンコの海上に、ネオサイタマの死神が出現するのであろうか？

甲板ではクルーたちがカニキャッチに勤しんでいる。カニの量が多ければ、再出発の資金の足しになる。「よし、たまには俺もやるか！」「アリガトゴザイマス！」ウォンテッドはニンジャ筋力で軽々と網を引き上げる。

その中には、奇妙なカニがかかっていた。赤黒い大きなカニが。それは網を引き裂き、甲板に降り立った。

「ドーモ、シヲマネキです」

デデデデデデ　「「「「うわぁーッ」」」」

イメジはPicrewの「異形人外メーカー」で以前作ったやつの再利用です。

逃げ場のない船内で死神と相対する。出目1でNORMAL、出目2-4でHARD、出目5でU-HARDでカラテ判定。成功すれば海に突き落とし難を逃れるが、失敗したら死ぬ。6が出たら即死だ。出目は……6。ナムアミダブツ！

「ど、ドーモ、シヲマネキ＝サン。ウォンテッドです」野良ニンジャのようだ。ウォンテッドはアイサツを返し、顔を上げた。「……え？」シヲマネキの鋭いハサミが、一撃でウォンテッドの心臓をえぐり取っていた。「アバッ……サヨナラ！」KA-BOOOOOM！ウォンテッドは爆発四散！

「「「アイエエエ！」」」クルーたちは船長の突然の死に恐慌！

目の前で仲間のニンジャがサツバツにより即死したため、重度のNRS判定。精神力はABBMが4、キガヌマが2、アカウチとアオスゲが1だ。難易度はU-HARDだが、NRS耐性がついているためダイスを追加で2振れる。[122355][1556][466][266]＝ABBMのみ失敗！出目は[5]+1＝6、失禁して気絶し精神力に1ダメージ。NRS判定に自動成功とはいかないのだ。アアダブ！

「ヴォイド……！」ABBMはあまりのショックに失禁し、その場に昏倒した。シヲマネキはABBMをハサミで捕らえると、海へ飛び込んで去っていった。餌にするつもりなのだろう。生き残ったのは、四人。

「に、逃げるぞオカサベ＝サン！」「ハイ！」キガヌマが船長代理となり、オカサベがニトロエンジンを点火して、高速でその場を離れる。アカウチとアオスゲは船室へ逃げ込み、ガタガタと震えた。「も、もうカニキャッチはやめだ！充分だーッ！」「ああ！帰ろう！アハハーッ！」

エピローグ

数日後。装甲カニキャッチ漁船「ケジメを迫るヴィーナス号」は、アバシリ港にしめやかに帰還した。「……みんな、よくやった」キガヌマの目に涙が浮かんでいた。「ハイ！」生き残ったクルーたちも涙を流し、互いに抱き合う。あのジゴクから、生きて帰ったのだ。そしてタフになった。

ふわふわローンの担当者が待ち構え、カニの数を確認していく。「ふむ、規定より短い期間にこれほどのカニを……大したものだ」キガヌマとオカサベは航海記録を提出し、乗組員たちの活躍と死を報告した。「ウォンテッド＝サンは死んだか。まあよかろう、よくやった。貴様らは自由だ」「ハイ！」

ローン返済は終わり、ある程度のカネも手に入った。それでもアバシリからネオサイタマへ戻るには、さらなる冒険が必要だろう。だが……彼らはドサンコの大地を強く踏みしめ、堅く立った。ニンジャでも死ぬジゴクから帰ってきた戦士たちは、このマッポーの世で雄々しく生き抜いていくであろう！

【クラブ・レイヴ】終わり

リザルトな

ウォンテッド：死亡
オカサベ、キガヌマ、アカウチ、アオスゲ：生存

ニンジャ総合目次