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ゆがみ百貨店inアミューあつぎレポート 沙さ綺ゆがみ 『暇』2024年5月号


 なぜこうなったか思い出すのに窮しますが、『暇』誌の杉本さんと南極の話をしている中、便利でオシャレで元パルコだったショッピングセンターを借りて好き放題できると聞いたのが発端だったかと思います。
 そのショッピングセンターとは厚木市にあるアミューあつぎ。
 ダメもとで杉本さんにアミューを一日だけ建物ごと借りて健康的ではないアーティストに一軒ずつお店を持たせることはできますか?と聞いてみると、できる…かもしれないというご返答が!
 すかさず『ゆがみ百貨店』というイベント名にしてアミューの外壁に歳末地獄めぐりとか書かれた垂れ幕を垂らして遠くから双眼鏡で眺めて爆笑したいと私の正直な欲望を吐露しました。
 そして5ヶ月後、『ゆがみ百貨店』はアミューあつぎに現実化したんです。

 少し早めに本厚木駅に到着。
 正式な入厚を果たしました。
 しかし駅前はミロードばかりでもしかしたら違う駅なんだろうか、間違えて告知したんだろうか、今からSNSで不特定多数の人に謝らなければいけないのか、逃げるか、よし逃げよう、みたいな思考がループする中どうにか交番を見つけアミューへの経路を教えて頂いたのです。イオンの向かいにアミューはありますとのことでイオンを探し、そしてそれはありました。AMYU。
 AMYUは想像していたより小さく私の地元のクリーニング屋さんより小さかったです。
 入り口も体を屈めてやっと入れる感じで。
 でもサカゼンの大きいサイズの店舗がアミューには入っていてこの矛盾こそがアミューの魅力なのだなと小さな成功体験を得ました。

 その後杉本さんと合流し、本厚木の観光スポットを少しだけ案内して頂きました。ヨガやリラクゼーション、お座敷サロンといったお店の多さが目立ち、もしかしたら本厚木はここまで多くの”癒し〟を求めているのだろうかと自問自答しました。ところで杉本さんの本厚木ガイドで最も印象に残ったのは間違いなくパルコ2(Due館)です。パルコ2は今も健在で手前はコインパーキング、2階はガールズバー、建物の色もマットな黒に統一しファッションの聖地であった時代のパルコを見事に体現していました。ただ驚いたことにパルコ2は既に閉館していてこのファッションビルはパルコ跡地だとのことです。地元の人に聞かないと分からないものですね。さて、ちょっとした観光気分を味わった後オフィス杉本で水を頂きました。ウォーターサーバーの水は美味しかったんです。

 12時、#だじゅんフェス屋外会場のバスセンター上に向かいました。バスターミナルの上にある公園一体型の歩道橋だからバスセンター上。ちなみに『ゆがみ百貨店』は#だじゅんフェスの屋内会場という括りなんです。バスセンター上では音楽の演奏が行われ、春の太陽が会場を照らし鳥たちが頭上を舞います。ここでkitさんのフライヤーを配布するのが夢でした。なのでさっそく配ります。イオンの方から幸せそうな恋人たちが来たので「ヤバいアート展やるんで14時から来てくださいよ」と言いながら渡しました。次に厚木地元ヤンキー風のグループに「グロいのやるから来て。スゲエから」と言って渡しました。私のちっぽけな夢は叶いました。これはもっと続けたいところですが会場の搬入時間が迫ってきたので屋内に移動です。

バスセンター上でkitさんのフライヤーを配布する

 13時からポツリポツリとアーティストさんが集まり始めます。心強いメンバーです!
 今回『ゆがみ百貨店』に参加のアーティストさんについて寝ルさん、なかがわ寛奈さん、碧い吐息さんの3人は当初から想定しており、3人の類まれな実力は既に目にしていたので参加の可否を待つのみでした。
 ただイベントを知り合いだけで固めるのはつまらないことです。そこで切断された内臓の断面が美しいと評判の皐月臨さんという漫画家さんに打診しました。
 またイベントのメインアートは血まみれホラー映画のポスターをよく手がける前述のkitさんにお願いしたいとワガママを言いました。
 ちょうどその頃kitさんは血まみれ映画の祭典ゴアフェスと学生残酷映画祭というイベントのポスターを手がけていてこの2枚が大変カッコよかったため、これを白昼の駅前で大々的に配ったら厚木市のみんなが喜ぶだろうなと思った次第です。

 14時開場、のはずが14時前から入場してしまうお客様が何人かいたので嬉しくなってしまいました。今回お客様の流れが不思議でして2人ぐらいいらっしゃって帰る頃にまた2人ぐらいいらっしゃるので、その場の人数は少なくても常にお客様がいる状態でした。場所が違うと人の流れも違うんだね。

アミューあつぎ市民交流プラザ・ルーム605


沙さ綺ゆがみ「百貨店」(税込1億円)

 16時、闇のような作品群を前に朗らかな時間の流れを味わっていると哲学芸人マザー・テラサワさんが現れ会場の電気を消しました。事実上の闇の中に浮かぶプロジェクターの光の中にパワーポイントの画面が浮かびます。怪しげなムードに包まれ哲学芸人マザー・テラサワさんのプレゼン芸が冴えます。しかし!
 2つ目のネタでマザーさんがネタにした芸人を会場の殆どの人が知らないという問題が発生します。危うしマザー・テラサワ!

 (と、この時ある奇跡が起きたのですが別の機会に話すことにしましょう。マザー・テラサワさんに焦点を当てた新企画のヒントとなる奇跡が人々の目の前で起きました。今後の『暇』誌の展開にご注目を!)

 今回私が人選に関与していないアーティストさんにはマザー・テラサワさんの他にイラストレーターのわんぱくさんがいます。この方は素敵な色使いをするアーティストさんなんですが、夕方になると突然姿を消してしまい全員でペンライトを持って厚木森の里を探索したところ、彼は森の中で小野小町と楽しく語らっていました。実は厚木市のこの辺りには小野小町を祀る小町神社があり、小町七不思議という伝説が言い伝えられているそうです。私たちも厚木の森と文化を大切にしなければと気を引き締めました。

 以上、『ゆがみ百貨店』inアミューあつぎのレポートでした!

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