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新あすの会の会員になりましたことのご報告とお願い。

いつも、このnoteやTwitterにおいて、私の発信を支持していただき、更に応援のお言葉をかけてくださる皆様にこの場を借りて御礼を申し上げます。7月に 新あすの会に入会申し込みをしておりました。本日、入会が叶ったことを心から感謝するとともに、これから一番に課題として重くある、犯罪被害者が明日の糧に苦しむことなく当然の権利の回復、政府が被害者の気持ちを蔑ろにせず、ワンストップで被害回復が出来るような法案を望んでいます。

新あすの会の方々の掲げている

http://www.navs.jp/souritu-taikai-ketugi.pdf

の全てに共感しています。

私は10年前に強制わいせつ致傷の被害者になりました。全く見ず知らずに人間が一時の感情を満たすために私から性的搾取をしたうえ、身体に一生涯回復が出来ない後遺症を残しました。あすの会の方たちが作り上げた被害者の不条理を変え、私は裁判員裁判で被害者参加制度を利用し公判で心情陳述や量刑に関する思い、被告人質問などが叶いました。

求刑7年、判決8年の結果を得ることが出来たのは、あすの会の方たちが苦しい思いを抱えながらも「被害者を置き去りにしない」と言う活動をしてくださったおかげで、私は刑事裁判において後悔のない思いを抱くことができました。犯罪被害者等基本法が制定される前には、被害者やご遺族が優先的に傍聴することや意見を言うこと、本来、生きていれば傍聴を出来た亡くなられたご家族の遺影を持ち込むことさえもが叶わなかったところから、被害者は「刑事裁判には関係がない」と言う司法を動かし、参加することが出来ました。そこには損害賠償命令制度など、刑事裁判の証拠を用い、原則4回の審理で結審し申し立て費用も2000円と経済的負担の少ない形で迅速に損害賠償を請求することが出来ました。私自身、その制度を利用し加害者は無資力だったため、加害者の父が連帯保証人となり即決和解に至りました。月1万円ずつの賠償と退職後に残金を払うという形になりました。その部分は加害者の父も控訴審で少しでも減刑させたいという気持ちからであったことは相手側の弁護人から聞いています。しかし、控訴審では棄却となり支払った金銭でどうにもならかったことを不条理の様に言われたことを今でも覚えています。のちに、上告され私は犯罪被害者と言うマイノリティと事件によって負ってしまった後遺症の治療をしながら、裁判費用であるとか明日の生活の糧の為にたくさんのことを犠牲にし諦めることを余儀なくされました。後遺症が残り後遺障害の症状固定をし逸失利益1500万円の民事訴訟をしました。その際に、加害者は懲役刑を受けているので当然のことながら損害賠償の回収は叶いません。昨年の9月下旬に出所しましたが、10月頭に不審死(恐らく、自死)を遂げ、弁護人に委任し相続人に損害賠償の請求をしました。しかし、死亡直後に息子、両親、兄弟、祖父母までが相続放棄の手続きを家裁にしており、知らなかったのは被害者と言う当事者である私だけでした。私は、その1500万の損害賠償請求権も加害者の一方的な死と言う形で失いました。その1500万円と言う金額は司法が言い渡した判決です。しかし、判決が言い渡されたことと回収が出来るかと言うことは全くの別問題であって、多くの被害者は訴訟提起自体をあきらめざるを得なかたったり、無資力がゆえに犯罪を犯しているケースも少なくなく、訴訟をしても弁護士費用や印紙代の方が遥かに高くマイナスになっていくケースがほとんどです。被害者は一方的に被害に遭い、一瞬にして地獄と言っていいほどの世界に落とされます。それでいても、加害者は検挙され留置されている段階から、被害者とは雲泥の差のあるほどの支援を国から受けることが出来ます。

これがどれほどに、被害者の尊厳や回復を日本政府が蔑ろにしているのかと言うを体感し、社会の構成員の一員として就労することや医療を受けるにあたっても「被害者は必要であれば自身の勝手で金銭を用意し回復したらいい」と言わんばかりの対応です。これが、先進国と言う日本の被害者に対する対応であると考えると、当然の感情として憤り、悲しみ、苦しみ、無力感に襲われてしまい、私自身もこれ以上、犯罪被害によって苦しめられ痛みを感じ辛い記憶のフラッシュバックに耐えながら生きるのであれば、死んでしまった方が遥かに楽だろうと自殺未遂をしてしまったこともあります。

一方、犯罪加害者は刑務所の中で足の先から頭の先までの保護を税金でされ、トイレットペーパーまでもをすべて用意される、収監から出所までが安全で明日の糧に心配することのない生活をしています。

そこで同じ時を社会の中で生きている被害者は大きく真逆な暮らしを余儀なくされています。

誰しもが犯罪被害者になる可能性というものがあるにもかかわらず、中には犯罪被害者の被害を好奇の目で見たり、あらぬ噂を立てられるということがごく日常的に行われています。しかし、犯罪被害によって自身の無力感を感じてしまっている私はそこに対して声をあげるということも叶わないほどに打ちのめされていました。

新あすの会の創立決議からの引用ですが、

第1決議 犯罪被害者等の加害者に対する損害賠償債権を国が買い取り、国
が回収を行う制度の創設を求める。
〔理由〕犯罪被害者等は、損害賠償請求によって被害を回復されるべき
立場にありながら、訴訟を起こして賠償を命じる判決を得ても、収監
され、財産を持たない加害者からは支払われず、犯罪による被害は全
く回復されていない。また、このように実現可能性が乏しいことや、
加害者のことを怖れるなどの理由から泣き寝入りを強いられる現状に
ある。国による被害回復の実現を確保する制度が必要である

は早急に果たされるべきであり、文章内にあるように「実現可能性が乏しい」ことによって本来、回復されるべき補償されるべき権利を泣く泣く手放す被害者が多くいます。犯罪被害者になってしまった時点で、仮に判決と言う紙の上での勝利を得たとしても、それが現実のものにならなければ単なる紙の上のものにすぎません。一番、迅速に被害者の損害が回復できる方法としては、上記引用にあるように国が代替する制度を導入することが一番良い方法であると私自身も賛同しています。

第2決議 損害賠償請求訴訟を起こせない場合にも、損害賠償請求権を国が
買い取る制度の創設を求める。
〔理由〕加害者が自殺したり、特定できないなど、損害賠償請求訴訟す
ら起こせない犯罪被害者等も少なくない。こうした被害者等を救済す
る必要がある。

これは私自身も、加害者が出所後に自殺をしてしまい、その自殺によって犯罪被害で被った被害を回復する権利である判決を持っていても、死亡によって叶わないということは、起承転結の全てに加害者の自己決定が存在しています。その行為によって被った被害を当然に回復されるべきであって、加害者の自殺や特定ができないということで泣き寝入りをすることを見ているだけの日本政府には当然の憤りを感じます。私自身、加害者の自殺によって被った新たな被害と言うものはとても甚大であり、許すことができません。せめて、これからの被害者が同じようなケースになってしまっても回復できる機会を国が確実かつ迅速に行うべきであると思っています。

第3決議 犯罪被害者等の病院での治療、入通院交通費、介護、介護用品、
義手義足、自宅改造などを、国が現物給付する制度の創設を求める。
〔理由〕犯罪被害者等は、犯罪被害によってたちまち直面する困難によ
り、平穏な生活を取り戻すどころではなく、最低限の生活も困難にな
る。犯罪被害者等が最低限の人間らしい生活を確保するために現に必
要なものについて、犯罪被害者等に金銭的負担をさせず、国が直接負
担する制度が必要である。

この部分に関しても深く共感しています。なぜ、犯罪被害に遭った被害者が明日の糧を心配しながらも、最低限の生活すらが危うくなっている中で心身の治療費を捻出しなければいけないのかということを考えると、加害者は刑務所では無料で医療が受けられるが、しかし、被害者は自身の抱える心身に対する治療費、また交通費などを当然のように負担しなければいけないというのはあまりに酷であると思います。私たち犯罪被害者は、犯罪被害者になろうと思ってなっていないことからして、この不条理を不条理のままに放っておくことは残酷だと思います。

他の第4決議から第7決議まですべてに対して私は同意です。

被害者が被害にあったという現実だけでも、被害者本人やご遺族に被害はとどまらず、様々な場所に犯罪被害の影響を与えることは言うまでもない現実です。

犯罪加害者に対する保護観察等を含む予算は年間2600億円を超えており、日本よりも経済規模が小さい国家であっても被害者の回復や補償に対する予算は数百憶を超えています。これが、日本で叶わないということは考えづらく、単純に日本政府が被害者を置き去りにしていると結論づけるほかありません。

日本は犯罪被害率が低いから、自分たちが犯罪被害者にならないであろうというバイアスを取り除き、災害レベルで誰しもが自分が当事者になるということを考えていただき、私たち犯罪被害者を置いていかないで、無視しないでと心より願っています。

岡村勲弁護士が仰るように、国が出そうという気がないからこそ出ていないというように思っています。

私の犯罪被害者としての声を上げる口をふさぐことは何人にもできないと思いっています。犯罪被害体験を語るということ、権利の拡充を求めるという活動をすることに痛みが伴うということを認識しています。押し黙ることも出来ると思っていますが、私は自身が犯罪被害者と言う立場になり不条理を不条理のままにしておくことが、この先の未来に何をもたらすかと言うことを考えると当然、未来の日本の犯罪被害者のこれからを憂いてしまいます。

本来、犯罪被害と言う一方的な惨劇に遭うべきでないことが理想ですが、人が複数になればどこでどのように、何が理由で犯罪被害者と言う当事者になるかはわかりません。少しずつであっても、必ず変わるべきだと思っています。

この度、新あすの会の会員となったことで、一層、犯罪被害者が苦しまない社会を作っていく励みとなりました。

この活動には皆様のお力や応援、支援が欠かすことが出来ません。今現在、多くの方が私の活動に応援のお言葉をくださっている皆様に感謝を申し上げると共に、今後もご指導ご鞭撻のほど心より申し上げる次第でございます。


               令和4年10月11日 ものくろちゃん


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