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義実家の犬

義実家には犬が2頭いました。そろそろ10歳になる、チワワ×プードル(チワプー)のオスとメス。そのメスが、数日前に虹の橋を渡りました。

黙っていれば美人でした。無駄吠えがあったのでそれは正直イヤでしたが、それさえなければ…という犬でした。白い毛並みで、マルチーズに似ていました。

私との初対面は3年前。義実家に初めて挨拶に行った時でした。オスと共にすごく吠えられました。玄関に入った時はもちろん、私が口を開いただけでダメでした。

それから数か月後、夫君が引っ越し、私が義実家に出入りするようになりました。最初は吠えていたけれど、だんだん慣れて吠えなくなりました。私や夫君の足元で、よくお昼寝をしていました。

同棲、結婚と時が経つにつれて、義実家に行くことが増えました。家に誰もいなくても、犬と遊ぶために夫君と頻繁に訪れました。

様子がおかしくなったのは、先月辺り。急に水を飲む量が増え、オピッコ(おしっこ)の量も増えました。お義母さん曰く、トイレだけでなく、部屋中でしてしまうようになったそうです。

後ろ足もプルプル震えだし、踏ん張りが効かなくなりました。吠える回数も急激に減り、目で訴えることが増えました。通院が始まり、服薬中でした。

夫君と「今年生きられるかなぁ…」なんて話をしていた矢先、2人での帰宅中に、お義母さんから訃報の電話が入りました。

お義兄さん一家が遊びに来ていた中、息を引き取ったそうです。お義父さんは取り乱したと聞きました。義実家に着くと、まだ微かに温かい犬が眠っていました。お義父さんもお義母さんも号泣していました。オス犬は理解出来ていないようでした。

私も涙が流れました。でも実感が湧かなくて、不思議な気持ちでした。夫君は1人の時間に涙を流しました。

お葬式には参加しませんでした。お義父さんとお義母さんで済ませました。犬は綺麗なたくさんのお花と思い出の写真、私達が書いた手紙を添えられて、天国へと逝きました。

お骨になった犬とはまだ会っていません。オス犬とも会っていないので、どんな様子か判りません。お義父さんはメス犬の生前、「次の犬を…」と言っていたようですが、あの様子からすると迎えるかは判りません。ペットロスが激しく、とても落ち込んでいるようです。

私達も不妊治療を諦めた時、ペットを飼うか話し合ったことがありました。やはり長くても10数年で終えてしまう命なので、その時を考えたら飼うことは出来ない、という結論に至りました。動画で見ているだけで充分だね、と。

今は気持ちを切り替えることが出来ています。私達がずっと泣いていても、メス犬は成仏出来ません。別のことで落ち込んではいますが、犬に関してはとても穏やかな気持ちです。

手紙には感謝の気持ちを書きました。ありがとう、また会いまと。夫君とお義父さんのことが大好きな犬でした。夫君に毎回マーキングをして、撫でられながら私をドヤ顔で見るような犬でした。とても可愛らしい犬でした。

ありがとう。

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