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【終助詞】「よね」

2022年1~3月、FB中上級の学習者向けに載せたものです。トップの写真はささやかなスノーキャンドル。


① ここまで、「文の最後のひらがな一つ(終助詞)」の話をしてきました。もっともっと話は続くのですが、ちょっと気分を変えて、「ひらがな二つ」の話をしましょう。
会話が聞こえてきました。AさんとBさんが雪まつりの思い出の話をしているようです。

A「去年は雪まつりが中止で、寂しかったね。」
B「そうだね。あれ、いつだったっけ? 昼間見て、夜も見に行ったよね。」
A「行った行った。めっちゃ寒かったけど、楽しかったよねー。」
B「今年は雪まつりあるんだよね。行こうよ。」
最初は「ね」、途中から「よね」になりましたね。まず、「よ」「ね」を確認しましょうか。

「よ」:話す人がよく知っていることを相手に伝えたいです。
「これ、何の雪像?」「進〇の巨人だよ。」

「ね」:話す人が、相手も同じ気持ちや同じ考えだと確認したいです。
「やっぱり夜は寒いね。」「うん、きれいだけどね。」

では、「よね」は? 次回をお待ちください。(写真は2016年、撮影筆者)

2016雪まつり進撃

② みなさん、こんにちは! まだまだ札幌は寒いです。
みなさんは「卒業式」というとどんなイメージですか? 桜?
北海道は3月1日が卒業式の高校が多いです。桜どころか、まだ雪、雪、吹雪です……
卒業生の声が聞こえてきました。

A「卒業式、すごい吹雪だったよねー」
B「うんうん、寒かったよねー」
「私は卒業式がすごい吹雪だったということをよく覚えている」と伝えたい+「あなたもそれを知っているでしょう?」⇒「よね」
このような、お互いに共有している思い出の話をするときは「よね」が便利です。

ほかにもいろいろな場面で使います。
C「卒業式って桜の季節だよね。」
D「えっ、北海道は雪だよ。」
C「あっ、そうか。そうだよね。」
CさんとDさんは同じではありませんでした。Cさんはすぐに理解して、「よくわかった」と伝えたいです。こういうときも「よね」がいいです。

「よ」は話す人がよく知っていることを表すので、使い方に注意が必要なこともあります。次回はその話をします。(写真撮影筆者、寒かった)

北陵高校卒業式

③ みなさん、こんにちは! 札幌はまだ寒いですが、春も近いです。日本語学校での勉強もあと少しです。
先生が留学生に何か言っています。

1「話す練習をしないと上手になりません。わかりますか。」
2「話す練習をしないと上手になりません。わかりますね。」
3「話す練習をしないと上手になりません。わかりますよね。」

1質問だけ。
2あなたもわかるでしょう、と言いたいです。
3私はあなたもわかると思っている。そうでしょう?と言いたいです。
「よね」と言われると、「いいえ、わかりません」と返事しにくくなります。ですから実は3がいちばん厳しいです。「あなたは私と同じ意見です。そうでしょう? 反論しないですね」ということだからです。

AさんとBさんがアニメの話をしています。
A「ちび〇る子ちゃんが好きです。」
B「あー。ちび〇る子ちゃんってもう古いですよね。」
これは、Aさんは気分が悪くなるかもしれません。Bさんの「よね」は「Aさんもそう思うでしょう? 反論しないでしょう?」ということで、好きなアニメのことを古いと強く言われたのと同じだからです。
こんなときは、Bさんは「ちょっと古くない?」など、ほかの言い方をしたほうがいいです。

でもみなさん、あまり心配しないでどんどん日本語で話してくださいね! 春はもうすぐ!(写真は2011年、撮影筆者)

2010雪まつりちびまる子


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