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PENTAXのフィルムカメラプロジェクトの話

ヤッターーーーーーーーーー!!!!!!!!!
嬉しいのでヘッダーはMXとわたしです。自撮り。

いや、プロジェクトが動き始めたよという時点で、商品化に辿り着けるかどうかもわかっていない段階なんですが、
これは久しぶりにフィルムカメラ界にかなり明るい光となるニュースなのではないでしょうか…!?

わたしはフィルムもデジタルもPENTAXをメイン機にしておりまして、人生で初めて自分で買ったデジイチからずっとメイン機はPENTAXを使っています。
PENTAXを使い始めた理由は「父がPENTAXのデジイチを持っていたから(レンズ借りようと思った)」なので、
いろいろ住んで引っ越して最終的に住み着いたPENTAX、ではなく、地元がPENTAX、みたいな状態で、
逆に他社との比較ができず「ここが良い!これが推しポイント!」って語りにくいんですけど、
ずーーーっと使っているカメラメーカーから、こうやって自分向けのニュースが出るのはとてもHAPPYです。

今現在のメインのフィルムカメラはお馴染みPENTAX MX、過去にはじめて買ったフィルム一眼はPENTAX KXでしたね。
SPも何台か持ってて、フィルム一眼はじめての人に説明用に貸したり、整備して人にプレゼントしたり、MEも人にプレゼントしたりとか。

わたしのレンズがドイツ製だから集合写真としてイマイチだけど、自分のMXと友達にあげたMEちゃん

デジイチも今のKPを使って長いですが、その前もPENTAXだったし、
今ほどフィルムメインで撮り始める前はコンパクト代わりにミラーレスのK-01使ってたし、
ほんとにね、PENTAXお世話になりまくって生きているんですよ。
毎日MXが鞄に入ってるのに、今はデジほとんど撮らないせいで新しいレンズが必要な理由がなくて、PENTAXに課金する機会がなくて。
これでもしこの愛機MXが壊れたとしても、わたしは修理屋に課金するか中古カメラ屋に課金をして新たなMXを得るんですよ。
こんなに、こんなにPENTAXと共に生きているのに、PENTAXにお金が入らないんです。
この状態、推しにお布施することを生き甲斐にしているオタクとしてはつらいものがあって、
前々から「金払わせてくれ…!!!」と思っていたので、わたしがPENTAXに課金できるようになるならとても嬉しい!!!


フィルムカメラプロジェクトの話。
現在フィルムカメラは若いユーザーに人気のカルチャーであるのに、ほぼ中古を買うしかない市場。メンテナンスや修理なども困難で、ここから先ユーザーが安心して使えない状態であると。
PENTAXとして、フィルムカメラを作製していた殆どのエンジニア達が定年で引退し、技術を後世に残すとするなら今がラストチャンスであることもあり、
フィルムカメラカルチャーを支持する若いユーザーが安心して趣味を楽しめるフィルムカメラを、また若いエンジニアへ技術の伝承を、という2本の柱があるプロジェクトということで。

まず、スタートからですがかなり難しい話だと思うんですよね。
新規ユーザーがフィルムカメラを始めるにあたって中古市場がメインの状態になって、もう20年近いと思うんです。
フィルムカルチャーに今から触れる若者は産まれていないかもしれない時代です。
なので「昔は新品が買えてメーカー修理もできたらしいけど、今は壊れたら終わりで実質使い捨て(電子コンパクトは特に)」という状態が当たり前の認識になっているのではないかと。
昨今は中古フィルムカメラ市場が賑わって、人気機種は価格も高騰していますが、新製品を投入するにあたってライバルが数多の中古品って、どうしても価格にハンデが出ますよね。
RICOH GR、FUJIFILMのNATURA CLASSICA、CONTAX Tシリーズみたいな、中古価格が高嶺の華となっているカメラもありますが、
なんでも良ければ3千円、多少のことを何か言うなら1万円あれば中古カメラは買えるので、今現在「入門」自体は簡単な趣味なんです。
3千円、1万円で買ったカメラが長く使えるものではなくすぐ壊れて修理が必要かもしれない、というのは入り口の「一歩先」の話なんですよね。
若いユーザーの方で「一歩先」にたどり着いている方もたくさんいらっしゃるのですが、今現在このフィルムや現像料金の高騰。
「原材料の価格上昇」「流通のコスト上昇」によるものであることは間違い無いんですが、同時に「絶対数が少ないことによるコスト増」もあると思うと、
デジタルに適応できずずっとフィルムで生きてきたおじいさんおばあさんがお年を召して引退していく人数と、新規参入の若いユーザーの人数、変わらないか新規参入が少ないか、だと思うんですよね…。

わたしがもう既に30歳を超えていて、フィルムカメラを始めた頃はハードオフのジャンク500円みたいなところに使えるカメラやレンズがゴロゴロ転がっていて、
中古フィルムカメラで遊ぶということが「お金をかけずに遊べる趣味」だった世代の人間なので、
10歳〜15歳下の若いユーザーとは感覚が乖離している可能性も高いのですが、
「今は動いているけれどすぐ壊れるかもしれない3000円の中から自分の好きな機種を探す」のと
「新品、保証あり、安心して使えるカメラ◯◯円」って、後者が勝つとしたらいくらまで出せるんでしょうか?
MAXで1万円なんじゃないかな?と思うのですが、コダックのプラスチック製ハーフカメラEKTAR H35が約8千円、ロモの新作LomoApparatが1万円超えする現在です。
1万円前後の新機種、となったときに、かなり簡素なプラスチックカメラしか産み出せない気がするんですよね。
(※書いていて途中で思ったのですが、世代的に自分より下の若いユーザーはSDGsへの理解が深いので「壊れたとして捨てるしかないカメラ」を次々と買い換えることに抵抗があるかもしれないです)
(ジャンク遊びで買って動けばラッキー、直せればラッキー、動かなくてもまぁまぁ、って、買っては捨て買っては捨てしていた世代はもうかなり古い価値観な気がしてきました)
(そうなってくると、保証あり、修理ができて長く使える、っていうのはわたしが考えるよりかなり有用な付加価値なのかもしれないです)

動画内では、過去モデル復刻ではなく、楽しさや機能や価格を、今の時代に合った、若いユーザーが楽しめるものを新規に開発したいと仰っていました。
「若いユーザー」「価格」のワードは何回もでてきたので、ここは要になっていると思います。

・まずはコンパクト
・次にハイエンドなコンパクト
・そして一眼レフ
・最終的にはフルメカの一眼レフ
という長いプロジェクトとして一歩ずつ歩んでいきたい、というお話をされていますね。

この「まずはコンパクト」が目指しているコンパクトカメラが、
所謂コダックのM38のような「何度も使える写ルンです」的なカメラで1万円前後なのか、
当時のエスピオシリーズのようなAFつきの電子コンパクトで5万円以内(可能なんでしょうか?)なのか、
多分この2択だと思うんですが(個人的にはもっとレンジファインダー寄りを期待しますが、それは内部機構がフルメカ一眼寄りだと思うので、ないかな)
どっちがきても、この話題に「わーい!」って思った現フィルムカメラユーザー達は「なーんだ」ってそっぽ向いてしまいそうな気がするんです。
わたし的にはKonica BIGmini的な単焦点の電子AFコンパクトのシンプルなのでくるかな、と予想をしているのですが、価格が抑えられないと思うので、
よほど若いユーザーに人気の出るデザイン、ファッションアイコンにならない限り、初手が厳しい戦いすぎませんか…?

わたしも、それなりにいろいろ撮っているほうだとは思いますが、PENTAXでいちばん使っているカメラはマニュアル一眼レフMXです。
冒頭で話した「一歩先」に既にたどり着いているユーザーが、簡単なプラカメを新しく求めているか?と言われたらNOだし、
エスピオシリーズ的なAF電子コンパクトが1万円では絶対に作れないので3〜5万円で作れると仮定して、3〜5万円出すとちょっと良い中古カメラ買えるんですよ…!
話しが堂々巡りするんですが、いまの若い子の5万円って大きくないですか?写真が撮れる以上にどれくらいの付加価値をつけると5万円出してくれるの?
なんならわたしは数日前にCanonオートボーイを千円で拾ってきたよ…!これからテストで撮るから死体を拾った可能性も捨てきれないんだけどさぁ…!
ぼちぼちフィルムカメラやってると生でみて触ってチェックしなくてもヤフオクとかで仮死状態の生き返るカメラと死体の見分けがつくようになってくるからさぁ…!

PENTAXにやってほしいこと、羅列したいくらいいっっっぱいあるんです。
既にね、 SNSを見ていると「LX復活して!」とか「645をデジとフィルム並行で開発し続けて!」とか「機能を絞って軽くして現代のSPを!」とか、
オタクの煮凝り達からアツい声援がたくさん届いているのを見るんです、が、わたしもオタクの煮凝りとして思うのは、
このプロジェクトのメインターゲットわたしたちじゃないので「頼む!こういうのを作ってくれ!」って期待するの全部外れるんだろうな、って。笑

なのでわたしはもう、PENTAXファンとして、初手で「使わんな…」っていうM38みたいなプラスチックのカメラがきたとしても、ぼちぼちな価格であれば買います。
そして見た目がかわいくて使い勝手も程々によければ、それをなにかにつけて若い子にプレゼントしまくるカメラ配りババアと化します。
今みたいにフィルム一眼を使っていると、一回り以上年下の子から「わたしもフィルムカメラやってみたいんです」って言われることが多いので(特に若い子を撮らせてもらっているのでモデルさんとかに)
そういうときにね、誕生日プレゼントとしてね、サクッと渡せるような入門プラスチックカメラはある意味アリです。
これはまさに、5千円前後で流通しているコダックM38の市場なんですが、個人的にあれは見た目が好みじゃない&初期不良の話をよく聞いて人にはあげづらいので…。
PENTAXさん!プラスチックカメラを作るなら、ゲームボーイカラーのスケルトンみたいな、ちょっと変わった色を出してください!!!
フィルムカルチャーはレトロフューチャーなので、iMacすらもクリアになっていたあの時代のデザイン、親和性高いです!!!
K-rやK-xで培った100色以上のカメラを用意する根気、RICOHの FF9-SDの実績があればやれるって信じてます!!!
あっ、希望を叫んでしまった、これは外れるフラグを立ててしまった…!

わたしが予想しているKonica BIGmini的な電子AFコンパクトがきてもぼちぼちの値段だったら買います。
こういうコンパクトはほんと、カバンに入れてて邪魔じゃないってだけで「持ってて損はない」ので。
毎日一眼レフ持ち歩く自分としては需要は低いんですが、買います。
フィルムが1本300円で買えた時代から、1500円の時代になって、36枚撮りの1コマが40円、現像データ化も考えると1コマ60円〜80円くらいかかる現在ですか。
フィルムカルチャー、お金のかかる時代になりました。
そんなお金のかかる趣味のフィルムですが、フィルムカメラを全く触ったことのない子達に写ルンですを渡して、意外とうまく撮れないのって、だいたい暗くてダメなんですよね。
スマホの写メに慣れすぎて、ふつうの室内で光量が足りなくてフラッシュが必要なんてまさか想像すらつかない。
そんな子達がはじめて使うカメラに、フラッシュの電子制御(暗いと勝手にガコッとフラッシュが出てくる)があったら「撮ったの全部ダメだった」って体験が少なくなって、
ディープなフィルムユーザーの人数はわかりませんが、ライトなフィルムユーザーとしての生き残りは増えていく気がするんですよ。
やっぱり写真屋やってて「あぁ、お友達とディズニー行ってたのに1コマもちゃんと撮れてないな…」とか、
「卒業式でみんなと仲良さそうな写真撮ってるのに全コマ暗くて教室の蛍光灯以外全部ノイズだな…」みたいなの見るの、辛いじゃないですか。
写真屋が辛いんだから、思い出のある本人もっと辛いと思うんです。
「現像したら送るね〜!」なんて言いながら特別な一日を撮ってまわって、結果が真っ黒だったら、
フィルムカメラなんかエモいって聞いたけど全然だったわ…もう触りたくない…ってなっちゃうかもしれない。わたしだったらなる。
そういう子達を減らすために、程々な電子コンパクトは存在してほしいです、フィルムカメラ業界。
新開発するなら電池をねぇ、カメラ用の特殊な電池じゃなくて、いっそリチウムの充電式にするか、本音を言えば単3×2本とかで許して欲しい。これがハードル高そう。
あとデート機能をここから100年後くらいまで搭載してください!!!2100年まで!!!3000年くらいまで入れてくれても良い!!!
デート機能生きてる電子コンパクトなだけで需要あるから!!!わたしが買う!コンパクトあんまり使わないけど買う!!!
だって!!!このプロジェクトに一歩ずつ歩んで貰って!!!最終的にフルメカの一眼レフにたどり着いて欲しいんです!!!
本音を言えばわたしだってLXを復刻して欲しいんだ!!!!!!!わたしはオタクの煮凝り!!!!!!!!!!!

当時、PENTAXだけではなくCanonもNikonも OLYMPUSもMINOLTAもKonicaもその他メーカーもフィルムカメラを製造していて、
山ほどあるフィルムカメラの中で、やっぱり「良い」と評価されるものも「ぼちぼち」なものも「イマイチ」なものもありました。
でも当時はね、選択肢がたくさんあったので、自分に合うものを自分で選べたわけじゃないですか。
それがいま全てのフィルムカメラユーザーがこのプロジェクトに「ああしてほしい」「こうしてほしい」と言うわけです。
叶うはずが!!!ない!!!!!だって!!!!まずはじめに開発されるカメラはひとつ!!!!!!
そしてそれも若手エンジニアの子が開発にかかわるわけです。そんなの煮凝りの欲しいものが一発で出てくるはずがない!!!!!

このプロジェクトが上手くいきそうな気配があったら、OLYMPUSとかも現代のフィルムのPENを出して続いてほしいし、
逆にこのプロジェクトが初手から躓いて上手くいかなかったら、フィルムカメラはもうライカとかそっちに流れるしかない世界なんだなと悟ることになると思うので、
(とんでも石油王がとてつもないパワーを持って新規参入てきてヤバいロモグラフィーみたいなのが産まれる可能性もゼロではないですが)
どうにか、どうにか上手くいってほしいなぁと思います。そしてこれに乗っかってフィルム業界がフィルムを作り続けてくれれば。
TwitterとかでPENTAXに対して「フィルムが高い」「現像プリントできるところがない」みたいに声かけてる人がいますが、PENTAXにそれは何の責任もなくて、関係なくて。
フィルムカメラユーザーが増えて、フィルムが売れ続け、フィルム現像の受注が増え続ければ、富士フイルムもコダックもビジネスチャンスなわけで、
いまフィルムの価格が高くなり続けて写真屋が減り続けてるのは「現状維持の本数フィルムが売れて現像を受注してもビジネスとして無理です」って事なので、
カルチャー、っていうと気取った感じがしますが、とにかくライト層で「試しに撮ってみた!」って人がね、どんどん増えると良いなと思います。
自分が必死にいっぱいフィルム使うより、10人、100人がライト使う方が総量はいっぱいで簡単なのでね。


みんな!フィルムカメラ使おうぜ!
一眼レフからコンパクトからハーフカメラまで、各種カメラ貸します。遊ぼう!!!!!

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