1秒の価値


5、4、3、2、1
ビー
試合終了

バスケットボールは時間に管理されるスポーツである。

ミニバスは6分
中学生は8分
高校生以上は10分

試合時間は違えど
ショットクロックリセットルールは
一部違うが
24秒となっている。

先日まで行われていた
ワールドカップにおいて
日本代表の試合が地上波で放送された為
普段バスケットを見ない人でも
日本代表の試合を見たという人は
多いのではないだろうか

そこで
富樫くんや河村くんという
日本トップクラスのPG達が
ドイツやオーストラリアといった
世界トップクラスの選手相手に
P&R(ピックアンドロール)のクリエイトに
苦戦したのは皆さんご存知だろうか?


P&Rの守り方の基本形として
・スイッチ
・ファイトオーバー

この2つは一度は聞いた事があるのでは?

スイッチは
スクリナー(スクリーンをかけた選手)

ハンドラー(スクリーンをかけてもらった選手)
のDFのマークマンが入れ替わる事


ファイトオーバーは
マークマンが入れ替わらず
そのままの選手を守るという守り方だ。

ここに
・ヘッジ(ハードヘッジ、ブリッツ)
・アイス(ブルー)
・ショウ

この様なものが今増えている

ヘッジは
簡単に言えば
ボールマンへのダブルチーム

アイスは
サイドラインに方向づけし
スクリーンにあえて掛かる

ショウは
ファイトオーバーしてくるDFが
追いつくまでの時間を稼ぐ為
ハンドラーの前にスクリナーのDFが
少しの時間出て時間を稼ぐ様なものだ

NBAでは
アイスが主流になりつつあるが
ショウ採用のチームもある

日本の中学生や留学生がいないチームは
ハードヘッジ採用のチームが多い印象だ。


今のバスケットボールのトレンドは
トップの位置からP&Rがはじまる
ハイピックというプレーだ。

ハイピックにはメリットが沢山あり
主なものとして
・ハンドラーの1on1するスペースが広い
・スクリナー(ダイバー)のダイブするスペースが広い
・P&Rが上手く展開できなくてもウイングまたはコーナーなどパスコースが多い


世界のバスケットでは
ハイピック

コーナーキックアウト

エクストラパス

ウイング3P

の様な展開が多い見られた。

ペイントエリアにアトラクト(DFを収縮させる事)させ
キックアウトをし
クローズアウトを起こすことで
ズレを生み出す。


今回のテーマである1秒の価値として
僕が伝えたい事は
このハイピックまたはP&Rを守る側が
1秒の価値を理解しているかどうかだ。

スクリーンを掛ける選手に対し

スクリーンボイスを出したり
守り方の約束事を遂行する

おそらく日本代表も
そこの徹底はあるだろう

それはチームとしては大切な事だが
今回僕の指摘は
スクリーンを掛けに行く選手を
スムーズに行かせない努力はしているのか?

例えば
ショットクロック10秒カウントダウンが
はじまり
トップの位置でPGがドリブルしているところに
Cの選手がスクリーンを掛けに行く

先程のハイピックのプレー
スクリーンが掛かって8秒

スクリーンの対応はアイスが多かった為
ここでもアイスを採用したとしよう。

ここで残りPGの選手がピックを使い
ペリメーターで残り1秒
プルアップ(ドリブルからジャンプシュート)
を打ったとしよう


結果として残り1秒でシュートを打たれている。

例えば
スクリーンを行く選手に
バンプ(ボールを持っていない選手にぶつかる事)
をしてスクリーンを真っ直ぐではなく
遠回りさせていたら?

ここに1秒の価値が生まれる

スクリナーにバンプをし1秒を稼げる選手
スタッツには残らないが
非常にバスケットボールの上手い選手なのでないだろうか。

その1秒を稼ぐ事で
PGの選手のプルアップがなくなり
ショットクロックヴァイオレーション

そうマイボールになるのだ。

BリーグやNBAでも
スクリナーに対してバンプをし
余程ハードなコンタクトでない限り
ファールが鳴るケースは少ない。

逆に言えば
そこが世界と日本の違いなのではないかと考える。

OFはスクリーンを掛ける際
バンプをされない様にスクリーンに行く
また時間に余裕を持って
ハンドラーはスクリーンを呼ぶなど
OFも1秒の価値に気づいてほしい。

富樫くんや河村くんは
日本ではトップクラスのPGであり
P&Rのクリエイトの非常に上手い選手。

そのトップクラスの選手達が
世界レベルでは
あんなに守られてしまう。

フィジカルの差があるとはいえ
ドイツ代表のPGシュルーダーは185cmなのだ

同じドリブルの回数でも
進むドリブルがあったり
下がるドリブルであったりと
回数でも価値が違う。


1秒をコツコツ積み重ねる事で
試合の残り時間の数秒を生み出す

ミニバスからNBAまで
どのカテゴリーでも行われる
P&Rの1秒にこだわる事

これがこれからの日本の課題なのかもしれない、、




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