2024年柔道整復師国家試験 必修対策(倫理、コミュニケーション)編

この文章は2024年の2月に作成したものです。
また、指定試験機関から2022年に出版された柔道整復師国家試験出題基準をベースに執筆しています。
念の為、必修以外の範囲も記載してあります。
誤字、脱字、情報の誤りがある場合はコメントで教えていただけると助かります。
(注)この記事は柔整の必修国家試験対策のものです。
今回は倫理、コミュニケーションの項目を書いていきます。


医療倫理(四原則、ヒポクラテスの誓い)

倫理四原則


① 自己決定の尊重(Autonomy):患者の意思を尊重する
② 善行(Beneficence):患者に善いことを行う
③ 無危害(Non-maleficence):患者に害を加えない
④ 公正(Justice):限りある医療資源を公正に配分しましょう




ヒポクラテスの誓い

↓本文
医の神アポロン、アスクレーピオス、ヒギエイア、パナケイア、及び全ての神々よ。私自身の能力と判断に従って、この誓約を守ることを誓う。

  • この医術を教えてくれた師を実の親のように敬い、自らの財産を分け与えて、必要ある時には助ける。

  • 師の子孫を自身の兄弟のように見て、彼らが学ばんとすれば報酬なしにこの術を教える。

  • 著作や講義その他あらゆる方法で、医術の知識を師や自らの息子、また、医の規則に則って誓約で結ばれている弟子達に分かち与え、それ以外の誰にも与えない。

  • 自身の能力と判断に従って、患者に利すると思う治療法を選択し、害と知る治療法を決して選択しない。

  • 依頼されても人を殺す薬を与えない。

  • 同様に婦人を流産させる道具を与えない。

  • 生涯を純粋と神聖を貫き、医術を行う。

  • どんな家を訪れる時もそこの自由人と奴隷の相違を問わず、不正を犯すことなく、医術を行う。

  • 医に関するか否かに関わらず、他人の生活についての秘密を遵守する。

この誓いを守り続ける限り、私は人生と医術とを享受し、全ての人から尊敬されるであろう!
しかし、万が一、この誓いを破る時、私はその反対の運命を賜るだろう

ヒポクラテスの誓いの内容まとめ
患者に対する医者中心の倫理観や義務を説いた文章。
個人情報や守秘義務に関しても触れられている。


柔道整復師の倫理綱領


1.柔道整復師の職務に誇りと責任をもち、仁慈の心を以て人類への奉仕に生涯を貫く。

仁慈(じんじ)の心:人を慈(いつく)しむ心、思いやる気持ち。
柔道整復師の職務に誇りと責任を持つ。
そのためには、柔道整復師の業務が何であるのかを知らなくてはならない。国家資格であることに誇りを持ち、自身の医療知識と医療技術を高め、医療人として行いに責任を持つ。
思いやりの気持ちで患者さんに接し、生涯自分を高めることに努める。

2.日本古来の柔道精神を涵養し、国民の規範となるべく人格の陶冶に努める。

涵養(かんよう):水が自然にしみ込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てる。

人格の陶冶(とうや):自我の意識を持ち、自分勝手にならず、社会の中で役割を果たしルールを守っていくこと。
柔道整復師の冠である柔道の精神を理解し、国民の模範となるようにルールを守り人格を高める。

3.相互に尊敬と協力に努め、分をわきまえ法を守り、業務を遂行する。
関わる全ての人々と協力し敬(うやま)う。自身の立場をわきまえ法令順守の下、柔道整復を行う。

4.学問を尊重し技術の向上に努めると共に、患者に対して常に真摯な態度と誠意を以て接する。

真摯(しんし):真面目で誠実であること。ひたむきな姿勢。寛容にして私心なき心。
学術の研鑽に努め、患者さんに対し、真面目で誠実な態度で接する。

5.業務上知りえた秘密を厳守すると共に、人種、信条、性別、社会的地位などにかかわらず患者の回復に全力を尽くす。

守秘義務を守り、区別、差別せず、患者さんの痛みや悩みの除去に全力を注ぐ。

簡単にまとめる(間違っている場合もあるので参考程度に)
1.柔道整復師として、誇りと責任をもち人に接する。
2.柔道の精神を持ち国民の模範となるように社会のルールを守って生活する
3.お互いに尊重、協力し自分の立場をわきまえた上で法律遵守で業務を行う
4.技術、学問を向上させつつ、患者に真摯な態度と誠意をもって向き合う
5.患者の守秘義務を厳守し、差別せずに対応する

患者中心の医療(医療面接)

患者とのコミュニケーション
一般臨床の教科書に詳しく書いてあるので一読しておくといいかもしれない


①施術者の態度(共感的、理解的、支持的)

今日、しり、いたいど〜
共感、支持、理解、施術者の態度


②情緒的対応(傾聴、共感、支持、尊重)

今日、太陽で村長をしけい
太陽→対応
きょうか→共感
村長→尊重
し→支持
けい→傾聴

患者さんの言う事に耳を傾け
患者さんの考えに共感し支持、尊重してあげること

態度、対応で重複しているのは共感支持である。


生活の質(クオリティオブライフ)

QOL(Quality of life)クオリティオブライフ
→「生活の質」、「生命の質」
ある人がどれだけ人間的尊厳をもって生活できているかというの考え方で、本人の幸福感を重要としている。

ノーマライゼーション

高齢者や障がい者などを排除するのではなく、健常者と同等に当たり前に生活できるような社会こそが、正常(ノーマル)な社会であるという考え方。

例えば、バリアフリーなので一般の人と同じ生活を送れるようにするなど。
施設に入所させるなどは典型的な間違えの選択肢。


↓は柔整国家試験必修の柔道を解説しています。


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