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U0。0UbANdアルバム『To,bE』使用機材紹介☆シンセ編

U0。0UbANdにとって初めてのアルバム『To,bE』が11月11日、ついにリリースされた。そのサウンドを構成している機材について、アユ犬氏に訊くべく、U0。0UsTud!oに直撃取材を試みた。使用機材と使い方も詳しくお聞きしたので、ぜひアルバム『To,bE』をより深く聴く際の参考にしていただきたいと思う。


アルバム『To,bE』を聴かせていただきましたが、今回のアルバムのサウンドを作っている機材についてお話を伺いたいと思います。アユ犬さんと言えば、動画や配信などでハードシンセをガンガン弾いている印象が強いんですが、アルバムの曲を聴くと緻密に打ち込みされたシンセのサウンドも入っているように思います。やはりシンセはハードが多いんでしょうか?


アユ犬(以下A):曲によって配分が全然違うんですけど、ざっくり分けるならポップな感じの曲はほとんど全部propellerhead reasonでベーシックを作り、必要に応じてハードシンセを重ねていますね。
プログレっぽい曲をライブ録音するときは、ソフトシンセは全く使わず、全てハードシンセを一気にライブで演奏しています。


ソフトとハードの割合は曲によって違うんですか?


A:今回のアルバムで一番ハードの割合が多いのが、タイトル曲の『To,bE』で、この曲のシンセサウンドは全部、ハードシンセの音です。曲の頭から最後まで一気に演奏しながらライブ録音したトラックがベーシックになっているんです。


頭から最後までですか?後から付け足した音はない!?


A:シンセの音に関してはないですね。ぶっ通しで一曲です(笑)


そういう曲を録音するときは、どの機材で、どのように演奏するんですか?


A:基本としては、Roland JunoGを弾きながら音色とアルペジェーターのパターンを探して、カッコいいリフになるように弾き方を考えて、セットしておきます。同時にリズムパターンもセットしておいて。それができたら、録音ボタンを押し、アルペジェーターをホールドして流しながらフィルターなどを操作しつつ弾いていきます。


『To,bE』はとても複雑な展開をする曲ですが、ああいったコード進行とか展開もあらかじめ考えて演奏するんですか?


A:今回はあえて意識して、上に歌やギターが乗った状態をイメージして演奏しました。メロディーとかは後でつけたのですが、ここにはこんな感じでのるからこういうコード進行で進める、みたいなことは考えながら弾きましたね。そのトラックに歌をのせて、さらに歌に合わせてギターを入れていきました。


シンセのmixはどのようにしていたんですか?


A:全て演奏時にミキサーでセッティングしたままです。エフェクトもそれぞれのシンセの内蔵のもので、moogにいたっては全くのドライな音で鳴っていますよ(笑)それを直接BlueTubeというプリアンプに通して、チューブドライブをかけ、Cubaseに流し込んでいます。ヴォーカルやギターも同じ流れでPCに録音しています。


シンセがドライに鳴ってるというのは驚きですね。何らかのエフェクトがかかってるように聞こえますね。


A:それは元の音がキチンと出てるからでしょうね。以前のアルバムから、このセッティングは同じですよ。


他の打ち込みを行っている曲についてはいかがですか?これらの曲もハードシンセのサウンドなんでしょうか?


A:他の新曲については、propellerheadのreasonで打ち込んで、その中のソフト音源を使っています。アナログシンセからサンプラー、エフェクトまで内蔵されているので非常に使いやすいですよ。


アナログシンセのサウンドが多用されているように聞こえましたが?


A:reasonにはアナログのモデリングシンセが入っているので、基本的にアナログサウンドになります。全ての音色はエディットしてイメージにあうようにしました。reason上で、ギターもキーボードで入れてしまって、ほぼ完全な状態のアレンジを一度作ってしまいます。本番のレコーディングでは、それを生の音に差し替えながら、生ならではの要素をいれて弾いていきます。


今回のアルバムの曲は、ギターの音もとても綺麗にアレンジされたパートが多くて、いつものアユ犬さんの曲とは少し違ったサウンドに聞こえるところがありましたが、それが影響しているんでしょうか。


A:そうですね、打ち込みからギターのラインもいれておくと、実際に音になった時にどう聞こえるかわかりやすいですね。フレーズも忘れないし、実際の録音も早い(笑)

なるほど、ありがとうございます。
ギターの話が出てきたところで、次回はギター、ヴォーカル編です!


U0。0U studio システム全景

JunoGマスターにも使ってる。アルペジェーターとリズムにも多用。色々シールとか貼りまくってて愛用中。ディスプレイが壊れていて、全く表示されないので、どのパッチかとか、テンポすらもわからず弾いてます(笑) 

Korg MS2000。アナログっぽいパッドやアルペジェーターに使用。ノブを回しながら演奏するので、曲頭にセットした音色から最後は全く変わってる(笑)バーチャルパッチやアナログディレイも多用してます。

moog Little Phatty Bob Moog Tribute Edition。唯一のアナログシンセ。リードやベースまで広い音域でウニョウニョ手弾きするのに愛用。実はあるセクションのボタンが故障していて、あるパラメーターしか変えられない。でも、温かみのある太いサウンドにいつも痺れながら弾いています。 

ヤマハのデジタルピアノ。昨年まで愛用していたモデルが壊れてしまったので、新しく入手したもの。ちょっとは新しいサウンドなのかな。ピアノサウンドにはこだわりがあるので、いつも生ピアノを弾く気分で指先に鍵盤の振動を感じながらヘッドホンで弾いています(笑) 

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