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前世が天使だった夫③(妻目線)

◇私が20歳の時、旦那は5歳だった。
私が60歳の時、旦那はまだ45歳。…若い。考えても年の差は縮まらないのに年上女は“未来”を心配する。
夫は先のことより“今”を考えて。と。

◇やっぱり年の差婚は、うまくいかないのか?しかも……ウソでしょ?!でも…!!

…第3話…

一緒に出掛けた時の態度と、LINEの内容に『わたし何かしたっけな?』と思い始めた。
それか15歳も年上の女→しかも独身ということで、気を持たれたら厄介とか思ってきちゃった??
いや〰別に、若い子掴まえて付き合いたいとか全く思ってないしなぁ。。。
そんなことをあえて伝えるのもおかしいし…でも誤解は解きたいし…本当に困った。

そこで興味津々に根掘り葉掘り聞いたりせず、15歳も年下ボーイと連絡を取ってると言っても絶対に影で噂話をしたり、否定したりしない甘果さんに連絡してみた。
「どうした〜??」と、すぐに都合をつけて下さる。

「実は前の職場の男の子と連絡取ってて、よく会うようになったんですよ…スキとかキライとかそういう感じではなくて普通に仲がいい感じだったのに何か急に反応がおかしくなって。。。しかもその子の年齢はハタチなのですよ…」

びっくりされるだろうなぁ…と、ドキドキ。でも甘果さんは、一瞬目を丸くされたけれど優しい笑顔で「ハタチなんだ〜、若いね〜!!イイネ〜♪(ニコニコ)」と。

あぁ、本当に優しい…涙
職場での出逢いから今に至るまでの経緯を全て話した。

すると甘果さんは「それってその子絶対気があるんだよー、忘れるために時間が必要ってことなんじゃない?」

「えー???!」全く想定外の返答…。
だって私15歳も年上だし、ありえないって思っている…。

「誘ってくれるの絶対待ってるよぉ、LINEしちゃえ!!」

なんと〰、まだ迷う…。

もう一人同じタイプの優しい大親友、亜梨ちゃんに話す。
「そうだったんだー➰!!年の差なんて関係ないよー!それは恋だね(キラキラ)おめでとう〜!!」

「いや、まだわかんないよ笑」

ん〰連絡してみるか。。。微妙に緊張する。。。

すると、いつもは一日くらい放置なのに案外早い返信。

開く前に通知で届いたLINEの始めの文を読んで“避けてた”なんて書かれていたから、きっとこの下は…このまま一緒にいてもみたいなことを書かれてるんじゃないかとドキドキしながら開いたんだけど…

2人に相談した結果通りの返信がきた。(…私は鈍感)

…まぁ話は会ってからか。。。

結局改めて告白されるでもなく、逢う日が増えて何となくいつも一緒にいる感じの日々。

急にママさんと会うことになるし、もう舵を取るのは彼に任せて流されるまま流れてみた。
私は、ママさんに許可をいただかなければ…!絶対嫌だろうなぁ〰。。。と、いうことばかりがグルグル。悪い想像しかできないから不安でしかなかった。超緊張する…ママさんの反応次第では自然に離れようかとも思っていたけれど、車から颯爽と降りて来られたのは超カワイイ“お姉さん”。

「初めまして…あの…ごめんなさい。こんな年上で…」他に言葉が見つからなかった。

すると「二人が良ければいいんだよ、今度家に遊びに来てくださいネ」と、優しく微笑んで下さった。

きっとママさんも色んな葛藤があったと思う。気持ちを思うと、受け入れていただけただけでも感謝の気持ちでいっぱいだった。

そしてプロポーズも特にないまま結婚する流れに。
昔「運命の人は案外近くにいるんだよ」と言ってくれた人がいたけれど聞いてみたら家も近いし、こんな身近にいたとは…。10年経ってやっと「運命の人…、近くにいました」と報告した。

運命の人とはトントン拍子。
これ、本当なのね。

…第4話…

結婚して、ようやく落ち着いて来た頃の深夜…
珍しく「眠れない」と、ずっとスマホをいじって夫が起きていた。
明らかに様子がおかしい。

「どうしたの?」

顔を見ると、涙を浮かべて「俺、捕まるかもしれない」…と。

「は?!どういうこと?!」次の言葉を待つ間、窃盗?ひき逃げ?…まさか殺人?!!!と勝手に場面が浮かんでいく。

「何なに何?!早く言って!!」手に汗が滲む。

「俺さ、この前ちょっと良いとこ見つけたって言ってたでしょ?…絶対好きだと思う場所を見つけたから…嬉しくなっちゃってネットにあげたんだよ…。そうしたら…そこは立ち入り禁止の場所で…ネットで調べたら書類送検されるんだって…俺どうなっちゃうと思う?!」…と泣きじゃくった。

書類送検について、こんなにも調べたことはなかった…。初犯だし逃げも隠れもせず取り調べにも応じて特に生活は変わらなかったけれど…。いくつかの新聞記事を読むと事実とは少し違ったり、夫のコメントも「俺、こんなこと言ってない」という感じだった。

職場では、まさか記事が夫のことだなんて誰も知らないので「そういえば、昨日の新聞見たー?!立ち入り禁止の場所に入った人の話ー。看板見なかったのかねー、バカだよねー笑」

いくつも記事がある中で、そのニュース。。。涙
顔は笑ったけど世間の反応を生で聞いてしまうと、胸が締めつけられる思いだった。

夫は仕事を辞めざるを得なくなり、アルバイトを始めたけれど何だかイライラしてる日があったり、ひどく落ち込む日があったり。かと思えば超ハイテンション。おかしい。

そしてある日、たまたまチャックが開いて広がった夫のバックから、チラリと1枚の封筒が見えた。手に取ると“日本年金機構”からだった。

『え〰?!!!特別催告状?!』
…も〰!!次は何〰!!…涙

−その夜−

「ねぇ、これ何?!」…通知を広げて見せる。

「いや、わかんないけど来てた」

「わかんない訳ないでしょう?!払ってないから届いたんでしょうがー!!これいつ届いたの?!」

「ちょっと前だけど…お金ないから…」

「お金がない?!アルバイト代はどうしたの?!」

夫は視線を下に向けて「…実は…俺ギャンブル依存症でパチンコしてて…借金があるんだよ…返済にあててるから貯金がなくて…」と、話した。

私は薄々気付いていた。
付き合っていた頃、友達とカラオケに行ってタバコ臭いから車を出せないとか、友達にお金を貸したお金が返ってこなくて凹んでる。とか、明らかに『そんなことある??』と、いうようなウソをついていて。始めは誰かと逢ってるのか?って浮気を考えたりしていたけれど、ガソリン代がないから暖房がつけられないと言われた時に『正社員で働いているのに、なんでそんなにお金がないんだろう?』って考えたら、そういえばパチンコ屋ってタバコ臭いよね。。という答えに辿り着いたのだ。

それでも誠実そうだったし、仕事もまじめにやっているように見えたし…借金をしてまでパチンコをするなんてイマイチ、ピンとこなかったのだ。

「お金もないのに、なんで結婚しようなんて言ったの?!!!借金があるなんて聞いていたら結婚しなかったよ!!」

あ〰ギャンブルに借金に事件に、簡単にウソをつく癖…一体どうなっちゃってんだー??

ケンカが絶えない。。。

でももう何を言っても遅い…………。

前を向いて、パチンコをどうしたら辞められるのか考える。
ネットで検索したり本を読みあさり、心理を理解することから始めてみた。

…っていうか、行くなら行くって正しく申告してくれればパチンコに行ったらダメ!!なんて言わないけどね…。お金も自分のお小遣いの中で、やり繰りしてくれれば余分には渡さないし。。。

そして、ある日の会話。

「パチンコ行きたくなっちゃった」

「はいはい、いってらっしゃーい。ごゆっくり〜何時間?」

「んー?俺がパチンコ行くの楽しみにしてるでしょ?!何か行きたくなくなってきたー」

「え(笑)そんなことないよ?行っておいでよー➰」

「そこは行かないでって言うとこでしょ?!すんなり行っておいでよって言われるとヤメておこうかな…って感じになってきて…」

「まぁ残念。私の自由時間が〰」

…この人、俺のギャンブル依存症を治すとかいって、いない時間をEnjoyしていやがる〰!!(…と、夫は思ったと。)

結局遊びに行かせて1人でお出かけ♪車を走らせていると『思い切って大きな買い物をしたらいいんじゃないか?!』と思い、欲しがっていた車の見積りを勝手にサッサと取りにいったのである。
無謀とも思えるが、お金について学ぶのにはよいきっかけだと思った。

この作戦、バッチリで思惑通り!!…(ニヤリ)
もう車のことに夢中!!

結果パチンコに行きたい気持ちは全くなくなったようで、行かない記録7ヶ月を更新中である。


※※※最終話で、ようやく夫の正体(今は人間だけど)が判明。夫目線も一緒にご一読いただきますとストーリーが繋がり、夫目線と妻目線でそれぞれの思いのすれ違いや考えなどを書いております。是非^_^※※※



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