無題

とんでもない勢いの雨が連日続く。幸い、自分の住んでいる地域は、ひどい浸水や土砂崩れの被害はないものの、電車が止まってしまい、今日会う予定だった人と会えなくなってしまった。

外に出ることもできず、予定は空き、これはもうやらねばならない作業を部屋にこもってやるしかないな、と思っていたが、暗い曇天のムードに負け、昼寝して、YouTube観て、昼寝して、というだけで一日が終わってしまった。

しかし夕食に、冷蔵庫の残り物で作ったカレーとマッシュポテトが思いのほか上出来で、家族も喜んでいて、この夕食だけが今日一日の「仕事」という感触だった。

最近、家にいて、やる気の出ないときは、Spotifyで、なんとなく知ったつもりになっているがちゃんと聴いたことのないビッグ・アーティスト、名盤、名演をきちんと通して聴くことにしている。この前の休みはアントニオ・カルロス・ジョビンのアルバムを立て続けに3,4枚聴いたが、今日はアストル・ピアソラを聴くことにした。特に何か最近タンゴに興味がある、とかではなく、フレッド・フリスのカバーしたリベル・タンゴが非常に良かったので、オリジナルをちゃんと聴いてみようと思った訳。

ひんやりと涼しいがじっとりと湿った、墓場のような気温の中で切々としたバンドネオンの音をずっと聴いてると、なかなかたまらなく心地よい、侘しい気持ちになってきた。

今年に入ってよく、人の生き死について考える。己は基本的に、寺山修司的なセンチメンタリズムには懐疑的だが(ミスiDの選考コメントのようなセンスのポエムが世の中に溢れすぎてると思うのだが、そういう感性の源流だと思っているので)、唯一それが許されるのは人の生き死にについて考える場面だけだと思う。

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