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地球は滅亡しない

地球は滅亡しないんだよなあ。天体だから。滅亡には少なくとも数十億年はかかるはずだ。

乗っかってるもの(生物・無生物を問わず)が破滅することはあっても、天体としては、人類史もほんの一瞬のこと、くらいにしか思わない。
破滅するしないは、乗客のうちの人類の都合で、それは今世紀末までにひとつの画期を迎えるだろう。

生きて22世紀を見てみたいが、多分私の年ではそれは叶わない。
宇宙から見た星空も、多分難しいだろう。
後世の人類ですら、かなり厳しそうだ。
宇宙線による生殖機能への影響の報告はまだない。

火星をテラフォーミングして人が住めたら少しは違うかもしれないが、火星まではずっと、年単位で宇宙線を浴び続ける。
火星に行く人々は、片道切符になる可能性が高い。
遺伝子を破壊され、生殖機能を失う可能性が否定しきれない。
火星では第一世代しか生きられないとしたら、まるで流刑地のようになる。それとも「プランB」、人工受精に頼るか。

地球上では、少なくとも「日本人」(主に「和人」)は、今世紀末までには激減していて、そこまで静かに減っていくようだと様々な試算が指し示している。
もしかしたら移民政策で人口だけは保てるようになるかもしれないけれど、国家自体や、生活レベルや、科学技術や産業をどこまで保っていられるか。

近代イギリスのように、富裕層から中流層が大きな顔をして生き延び、貧困層は死に絶えてしまうかもしれない。
他民族を見ないふりをして「単一民族国家である」と威張ったとしても、遺伝子検査をしたら、いろんな人にあちこちの由来の遺伝子が検出される、それが「和人」という幻想。科学的に不明なことばかりの民族。
民族のアイデンティティが希薄で、失ったものをまだ保持している人々に求める。

自分ひとりで着物も着れない少数派の「和人」が、他民族集団や移民への民族差別を続けながら細々と生きてゆくか、それさえも難しいくらいに衰退するか。中韓云々全く関係なく「我々」は減少していく。
ご丁寧に国家が文化や科学や技術に止めを刺しに来ているが、それは止まらないのか。

でも、このずっと先に何があるのかを見てみたい。

少子化が大逆転を果たすか、食糧危機が画期的なブレイクスルーを見つけるか、地球温暖化にちゃんとブレーキがかかるのか。他国とCO2を取引するようなズルなしのカーボンニュートラルが、本当に実現するのか。菅総理は、未来の責任を取る気はさらさらなさそうだが。

生きて22世紀を迎え、繁栄していられる国や民族はあるのか。その頃の科学技術はどうなっているのか、どんな生活をして、どんな文化があるのか。
それまでに世界大戦が起こったりしないか。様々な民族は、国家は、本意でない立場に押し込められてはいないか。どんな思想や歴史をもつのか。

生まれ変わって運良く人間になれたら、私はやっぱり同じようなことを考えているような気がする。

この先の未来が見たい。明日が今日に、未来が現在に、SFが日常に、私達が歴史の1ページに、マスクをした人達が教科書の1ページになっている未来。
世界地図はあまり変わりないのだろうか。

動物相、植物相は大分変わるのかな。
りんごや鮭がとれないかもしれない。冬に雪が積もらないかもしれない。暑いのは嫌だけど、多分それが日常になってる。
もし逆に小氷期が来るのなら、暑さの心配は要らないけど、そうしたら「緑のサハラ」が復活するかもしれない。オーストラリアも。

そうしてまた、生まれ変わっても、23世紀が見たいとか考えているのかな。
それまでには宇宙旅行の宇宙線問題が解決してるかもしれない。

子供の頃思っていた「未来」よりも、「現代」は割と普通だった。

でも、ずっと生きてるから普通だと思ってるだけで、例えば2006年、重いうつに苦しんで死にかけていた頃はとても不便だった。
こんなふうに、端末ひとつで世界のトップクラスの医療データにアクセスして、COVID-19の流行状況を求めたり(すごく大変なのでやってないだけで、Android版Excelを酷使すれば国別統計データは出せる。あとは文字数の問題)、世界中の、とりあえずアクセスできる範囲内のニュースを読むことができる。

世界中にいる仲間たちと挨拶したり、ずっと昔の友人を探したり、本も読める。音楽も聴ける。

2006年の私にはそれらがほとんどなかった。
だから、まともに連絡も取れず、遠くの様子も分からず、亡くなった友人の葬儀に弔電も打てず、時々薬の副作用にやられて倒れたりしていた。
そうしてずっと天井を見ていた。あれ、そこはあまり変わらないな。

たった15年ほどでこんなに変わった。
だったら、もっとドラスティックに世界が変わる未来もあるかもしれない。
それが戦争ではあってほしくないが、少なくともアジアは、いつか、いくつかの問題に、正式な決着をつけるべき時が来るだろう。
せめてそれが民主的に行われますように。

あと9年ではどうなっているだろう。
9年前を考えてみたら、あんまり変わらない気もするけれど、スマホの進化が著しいように、スマホからWebサービスの環境構築から運用まで、できるようにならないかな。

あと4年経ったら、今私が飲んでいる薬の特許が切れてジェネリックが出る。絶望的に高い薬が安くなる。少し、いやだいぶん楽になる。できることが増える。

何をしようか。どうやってゆこうか。どこに行こうか。
少なくともカナダと上海と台湾には行きたい。友達に会いに行きたい。

冷戦下で育った小さな頃は、ベルリンの壁は壊せないと思っていた。ソ連がなくなるなんて考えてなかった。自衛隊は悪い人達だと思っていた。500円札が500円玉になるなんて想像もしなかった。

今でも時々見る夢の中の両親やきょうだいは、私が家を出る前の若い頃のままの姿で、何も変わっていないように思える。
でもそれは夢。
両親もきょうだいも、私も相応に年を取った。

できないことも増えたけど、生きて、見られるだけ未来を見たい。

自転車で旅をしていたとき、地平線に向かって自転車をこぎ続けたら、「そこ」が「ここ」になったように、可能な限り進んでゆきたい。
まだ見ぬ「未来」が「現在」になったところを見たい。

地球は当分滅亡しないんだから。

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