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あまとみトレイル〜信越トレイル 200kmのパックパッキング(後編)


天水山に無事到着し、昨年の記憶を拾いながら信越トレイル延伸前区間80kmを歩き終えた。
天水山の様子は昨年とほぼ変わりなかった。

昨年は松之山口より入ったので、この先は歩いたことがない道になる。どんな道だろうか。

しばらく天水山で休憩をした後に歩き出した。
時刻は8時半。

かなりのんびり歩いても午前中には森宮野原駅に着くだろう。
とりあえず風呂とコーラが欲しい。

下山コースなら楽だろうと気を抜いていたら、意外や多少のアップダウンは残っている。
森のトンネルを歩いて行く。
これまでの雨模様とは変わって、雲が高くなった。
開けたところを覗くと、雲の上を歩いているようだ。
山間部は雲海のように見える。


自然路を歩き終えて林道へ出る直前に、
一羽のフクロウが僕の方に向かいながら頭上を通り過ぎていった。
お疲れ様のあいさつかな?と珍しいものが見れたことに、歩いてきてよかったなとしみじみと感じた。

森宮野原駅に降り、予約していた旅館へ向かう。
かなり早い時間だったが、快く迎えてくれた。
信越トレイルクラブ加盟の旅館で、ハイカーサービスで翌日のお昼用のおにぎりをくれる。
なんと嬉しい…。

今回は一泊二食付きで予約した。
ご飯が楽しみだ。

シャワーを浴び、20分弱ほど歩いてファミリーマートへ向かう。
ここで翌日からの食料を補給する。
コンビニはいい。
大体コンビニでなんでも揃う。

宿に戻り、またゆっくりとお風呂に浸かった。
豪華な食事を楽しんで、のんびりと疲れを癒した。


翌朝も豪華な朝食を楽しんだ。
食事はタンパク質がしっかり摂れるようなメニューにしてくれている。
とにかく身体を動かし続けるハイカーには嬉しい。
ここのお母さんはとても優しいしフレンドリーだ。
またのんびり泊まりにでも来たいなぁと思った。

昼食用のおにぎりを頂き、バックパックに道具を詰めて再出発する。

里山と畑が広がる農道を入り交えながら歩いて行く。
山を登り終えたときに広大な田んぼが広がる。
その時僕は思わず「おぉー!」と声に出して漏らした。

雪の時期になると、平野一面広がる白銀世界になるのだろうか。
なんとなくジュークの曲を思い出しながら歩いた。

妙法育成牧場を通る。


牛がのんびりと草を喰みつつ、こちらを見ている。

せっかくなので、牛を眺めつつ離れた場所で腰を下ろして休憩した。

苗場山麓ジオパークトレイルをかすめながら歩いて山を越えると、かたくりの宿に到着する。

小学校跡地をホテルに改装しているところで、ハイカーは校庭にテントを張ることができる。
楽しみにしていた場所だ。
中は学校跡らしいインテリアになっている。

家族連れで来ても楽しめるところだ。
食事付きで予約しなかったことを後悔した…。

タープを張り終えてタバコを吸いながらのんびりしていると、見覚えのあるバックパックを背負った人が1人。

…?あれ?
と声をかけると、のりさん。
まさかのバッタリ遭遇にびっくり。
反対方向から始めたところで、1泊目は同じくかたくりの宿。
偶然の出会いって面白いものですね。

お互いの最近のハイキング事情などを話しつつ、また楽しいキャンプとなった。

あ…かたくりの宿内の温泉、めちゃくちゃいいです。

翌朝はのんびり8時前ごろに出発し、小赤沢周辺で泊まった。

一泊した後に早朝に苗場山へと向かう。
もう終わりかと感じながらも、12日経過していた。
1人で歩くと時間の経過が早い。

再びあいにく雨模様。
晴れの苗場山を歩けたらよかったがこれが今回の信越トレイルなんだ、と切り替えて登った。
足元に岩が多く、濡れているので滑る。
割と急峻な道が続く。
鎖場もあり、晴れていたらなんともアスレチック!

黙々と登り続けて、八号目を過ぎると一気に道が開ける。

樹林帯を抜けて開けたが、モヤだらけだ
少し赤色が付いている。

もうすぐ信越トレイルも終わり。
木道は歩きやすい。
が、気を抜くと滑る。
木は濡れるととにかく滑る。

苗場神社に寄り道
赤、緑、黄色と色使いが綺麗だ。


苗場山頂ヒュッテに到着。

役行者の石碑。修験僧がいた…?

時刻午前9時30分、無事に信越トレイル終点に辿り着いた。

ここから祓川登山口へ降りて、タクシーで送ってもらう。
ばったり遭遇したのりさんに教えてもらった「雪国観光舎」経由で送迎を依頼。
経由するとお安く依頼できる。

祓川登山口への下山ルートもまた…岩が多くスリッピーで大変だった。

予定していたよりも早めに着いてしまったので、タクシーの時間を早めてもらい、越後湯沢駅に送ってもらった。

無事、あまとみトレイル〜信越トレイル200kmが終了。

今回このルートを選んだ理由としては、
・距離
・補給地のバランス
・情報量
と諸々あるが、とにかく山から街へ、街から山へを繰り返し、なるだけシンプルな頭の中で歩きたいと思ったからだった。

観光名所が多すぎても雑念になる
少なすぎても飽きてしまう
ちょうどいい塩梅の中歩ける道があまとみ〜信越トレイルだったように思う。
特に信越トレイル延伸前区間の森の中はいい体験だった。
雨とモヤの中、見える範囲だけを見て足元に集中して歩いて行く。
目立つような絶景はないけど、見える範囲に目を向けると神秘を感じることができる。

この没入感は、前の行程であまとみトレイルを歩いてきた効果もあった。
あまとみトレイルで程よく慣らしたのちに深い森へ入ることでどっぷりと漬け込めた。

今回歩いた道を反対側から歩いたらまた別の気持ちになるだろう。
それもまた面白そうだなぁ。


今回の装備を宿で並べてみた。
145×265cmのポンチョタープ。
雨具としてもタープとしても程よく機能してくれた。


装備はそこそこ絞っていった。
「少なくして、多くする」Take less,Do moreの精神で行ったところ正解だった。
物が少ないことは、目の前のことに集中できる。
なにせあるものしかないんだからあるものでやるしかないもんね!
って感じだ。
多過ぎると、これはいらなかったなぁとか考えがちな僕だからこそ今回は良かった。


行程については、かなりゆとりを持っていた。
最初の方はのんびり過ぎて、あーまだ歩けるんだけどなぁ俺…あー。みたいな葛藤もあったが、
もう慣れてきちゃうとどうでも良くなっちゃう。
ただそこにいるだけで楽しくもなれるもので、途中途中何もせず佇んだりすることもいいもんだ。

その時、余計な物はないほうがいい。
遊び道具があると、遊び道具で遊ばなきゃってー遊び道具に遊ばれてしまうからだ。
…と僕は今思っている。

純粋に歩き旅をしたければ、衣食住(と地図)以外なにもいらないと思う。


というわけで無事11泊12日の旅が終わった。
あまとみトレイルは特に…6泊7日くらいをオススメしたい。
見どころがたくさんあるので、のんびり旅館やロッジに泊まりながら歩いて行ったほうが僕は楽しいと感じる。
信越トレイルは、ガイドブックの推奨日数通りがいい。
それでもって各地の旅館へ泊まる。
もちろん食事付きで。
絶対にいい。


終わり。


……
越後湯沢駅内で少し観光して帰りました。
日本酒を混ぜた温泉と、日本酒試飲コーナーが楽園でした。
日本酒美味いよね。
ほんと。

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