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【旅レポ】 #有田陶器市 に行ってみた

このゴールデンウィークに、念願叶って佐賀県で開催されている「第119回 有田陶器市」に参加してきました!

ここ数年はコロナの影響でWeb陶器市のみの開催だったり、店舗数を減らした縮小規模での開催だったりしたのですが、今年は従来と同規模の約420店が出店!……張り切って初日に参加したものの、なんと終日30〜40mm/hの豪雨。服も靴も絞ったら水が溢れ出すほどのズブ濡れ状態になりながら、8時〜17時の9時間、飲まず食わずの真剣勝負でお宝探しをしてきました(好きなもののパワーってすごい!笑)。

購入した器の幾つかは記事の最後に写真を載せました。

■はじめに|有田陶器市とは


有田陶器市は、佐賀県有田町で毎年4月29日~5月5日のGW中に開催される伝統的な陶磁器のイベントです。岐阜県の「土岐美濃焼まつり」、愛知県の「せともの祭」に並ぶ日本三大陶器まつりのひとつで、国内外から多くの観光客が訪れます。

有田焼をはじめとするさまざまな陶磁器作品が、作家や窯元から直接販売されるため、購入者は手頃な価格で高品質な作品を手に入れることができます。また、イベント期間中にはワークショップや伝統芸能の披露など、様々な催しも開催されます。

▶︎公式サイト

■有田陶器市〜準備編〜


主にしたのは2つです。
【1】窯元&お店のリサーチ
【2】万全の装備

【1】窯元&お店のリサーチ

公式サイトのガイドマップを入念にチェックして、行く場所を精査。一概に有田焼と言っても様々なので、気になるお店をチェックして優先順位をつけることが効率よく廻るためのポイントです。営業時間は各出店者の情報を見るようにということなのですが…、店側も客層も比較的年配が多いからか、いかんせんWebやSNSに情報が少ない…。結局調べても出てこない情報が多く、とりあえず08:00から廻るような計画を立てました。

【2】万全の装備

一番悩んだのはバッグ。広域に跨がる陶器市で沢山買い物しても快適で、かつ小さなお店に入っても他の方の邪魔にならない安全な形とは…?キャリーケースは大容量だけど邪魔だし振動で傷がつきそう…、ショルダーバッグは身体に密着させれば安心だけど容量が不安…、と色々考えた結果、クッション性が高いカメラリュックを(わざわざこのために購入し)持って行くことにしました。使ってみてカメラリュックはオススメですが、ぶっちゃけ買いすぎて全然容量が足りなかったです😂あとは財布代わりのサコッシュ。公式ガイドを見るとキャッシュレス決済対応のところも多いのですが、コミケよろしく支払いでもたつかないように小銭等も用意して挑みました。

どんな悪天候にも対応するため、服装はキャップ、アウトドアウェア、スニーカーで行きました。持って行って良かったのは、プチプチなどの余分な梱包材と、巻くだけでピタッと張り付くカメララッピングクロス。有田陶器市で販売される器はB級品も多く、頼まない限り簡単な包装で渡されることもあるので、購入品がすれたり割れたりしないようにするのに便利でした◎

■有田陶器市〜当日編〜


廻り方のコツ

全長5kmにも及ぶ有田陶器市は、「上有田駅西側のエリア=Aブロック」「有田駅左側のエリア=Bブロック」「三代橋駅北部の窯元が点在するエリア=Cブロック」の大きく3ブロックに分けることができます。上有田駅と有田駅を結ぶメインストリート(開催時間は歩行者天国)だけでも3km!1日しか滞在できないので、効率的に廻る方法を考えました。

公式サイトから引用

以下の要素を加味して、朝7:30までにアリタセラに駐車し、午前中は窯元が点在する三代橋駅北部のエリア(Cブロック)を徒歩で探索、午後に車で上有田駅に移動、上有田〜有田でAブロックからBブロックへとメインストリート3kmを歩くことにしました。ちなみに宿泊していた南山手エリア(グラバー園や大浦天主堂など)からアリタセラまでは高速で約1時間でした🚗

●立地/地理的要因
・有田駅→上有田はゆるやかな坂。
→実際は傾斜を感じなかったので考慮する必要は無かったかも。
●営業時間
・多くの窯元は08:00スタートなのに対して、路面のテントは07:00頃から営業しているところも。
→Aブロックの路面のテントは雨のせいか16:30頃には撤収していたところも多かったです。
●交通事情
・有田駅〜上有田のメインストリートは通行止めで車が入れない。
→16:30に解除。
・アリタセラが800台駐車できるエリア最大級の駐車場で無料。一方で、有田駅〜上有田駅付近の駐車場は有料かつ1日1000円なので出し入れは避けたい。
→朝6時には有田小学校の駐車場が埋まってしまうという噂を聞いて身構えていましたが、大雨で客足が少なかったせいか午前中は車の出し入れも可能でした。午後はアリタセラも9割型埋まっており、ABブロックの駐車場に入れ直すのは難しそうでした。

好きな窯元があってそこの商品を手に入れたい場合は私みたいに真っ先に窯元に行くのがオススメで、家庭用食器を安価で買いたい方は有田駅周辺のテントから廻っていくのが良いのではないかと思います!

ここから先は、私が行った窯元/お店をご紹介します🙇🏻‍♀️


【01】福泉窯/Fukusengama

創立:1952年
HP:https://fukusengama.co.jp
特徴:シックな手描きの藍の染付。染付の濃淡が味わい深い。特に、初期伊万里様式の再現に力を入れ、器の縁に酸化鉄を塗った「縁錆」や呉須を表面に散布した「吹墨」などの技法を取り入れて制作している。

朝08:00ぴったりに一番乗りで訪れたのが、この福泉窯。窯の名前の由来は「その器から幸せが泉のように湧き出ますように」と、創始者の福田邦雄氏が命名したそう。幾つか素敵な器を購入させていただきました。

【02】亮秀窯/Ryoshugama

創立:1978年
HP:https://ryoshugama.stores.jp
特徴:手描きの染付に華麗な赤絵。古伊万里の流れを汲む。古美術や着物など様々なものから着想を得ており、絵柄のバリエーションが多い。蛸唐草が有名。

色とりどりのカップが並んでおり圧感。

【03】源右衛門窯/Genemongama

創業:1753年
HP:https://www.gen-emon.co.jp
特徴:素朴な初期伊万里と輸出伊万里の絢爛さを兼ね備えている。古伊万里様式の古陶磁を復活させようと先代が熱心に研究。現代風アレンジも得意とする。青、赤、緑などの濃い色合いの絵付けが多い。

柿右衛門や今右衛門に並ぶ「有田焼3大窯元」のひとつなだけあって人が多かったです。アウトレット品は4割引き、一般商品も15%引きになっていました。

敷地内には古伊万里資料館も。260余年の歴史を誇る源右衛門窯が収集した初期伊万里や輸出伊万里を中心に展示されています。

【04】幸楽窯/Kohrakugama(トレジャーハンティング)

創業:1865年
HP:https://kouraku.jp.net/
特徴:高度成長時代に大量生産を可能にした型ものやプリント転写を得意とする。比較的安価な日常使いの食器だけでなく、縁起ものの食器も多い。窯の設備を使って作品制作ができる長期滞在型の制作活動プログラム「アーティストインレジデンス」や、プログラム利用の外国人アーティストから挙がったアイデアであるトレジャーハンティングやSNS連動のSDGsタンブラー等、新しい価値を創出しているのが印象的。

なんといっても幸楽窯の目玉は「幸楽窯トレジャーハンティング」!時間もかかるし、欲しい器があるとは限らないし…と少し迷いましたが、佐賀県に来れる機会もそうそうないので11,000円コース×1を2人で手分けして取り組みました✌️

■幸楽窯トレジャーハンティングとは
幸楽窯の長期滞在型の制作活動プログラム「アーティストインレジデンス」を利用していたブラジル出身のアーティスト・ピメンタ氏が提案し、2014年から始まった大人気のプログラム。
倉庫に積まれた大量のトロ箱から宝探し感覚でお気に入りの有田焼を探し出し、90分の制限時間の中でカゴに詰め放題できます。国内だけではなく外国人観光客からも支持されているようです。

「11,000円コース」のエリア。カラフルで華やかな装飾が施されたものが多め。5,500円コースのエリアからも選ぶ事ができます。
「5,500円コース」のエリア。製作途中でボツになった仕掛品や、白磁にシンプルな藍の装飾の有田焼がほとんど。積み重なったトロ箱をスライドさせて下の段から選ぶ事も可能。

■コース:「5,500円コース」と「11,000円コース」の2種類(いずれも税込)。カゴのサイズは同じですが、トレジャーハンティングできるエリアが異なります。どちらのコースを選ぶかは、一通り倉庫内を見てから決めることが出来ます。もしカゴから飛び出てしまっても、はみ出た高さに応じた追加料金を払えばOK。制限時間は90分!陶器市期間中は10:00〜17:00(最終受付15:30頃)の間、予約なしでふらっと立ち寄っても受付してくれました。

■郵送サービス:国内は全国各地にヤマト便で発送してくれるのが有難いです。東京に送るには2500円弱。海外発送もOKとのこと。箱詰め作業はセルフサービスで、段ボール、ガムテープ、新聞紙、梱包材を貸してくれます。梱包に20分程度かかったので、正味の滞在時間は2時間超でした。

カゴいっぱいに詰め込んだ有田焼たち…
…広げるとこんなに沢山!
器だけでも26点、計41点。単純計算で1点あたり250円弱ということに…!

【05】その他 販売店(有兄堂、芦屋貴兆陶家、賞美堂、西富陶磁器、渕上陶磁器etc)

※購入したお店に★マーク

  • 有兄堂★

  • 芦屋貴兆陶家★

  • 賞美堂★

  • 西富陶磁器

  • 渕上陶磁器

【06】その他 窯元(辻精磁社、深川製磁、アリタポーセリンラボ、香蘭社、よざん窯 辻与製陶所etc)

  • 辻精磁社

  • 深川製磁

  • アリタポーセリンラボ

  • 香蘭社

  • よざん窯 辻与製陶所

メインストリートから少し外れたところにあるため、泣く泣く行くのを諦めたのは「李荘窯業所」と「華山窯」…。次こそはお伺いしたいです。

■おわりに


以上、備忘録を兼ねた有田陶器市レポートでした!

有田陶器市、本当に行けて良かったな〜と思います。前々から興味はあったのですが「絶対に現地に行こう!」と決意したのは、数年前にPASS THE BATONで開催していた「デッドストック陶器市」がきっかけです。「デッドストック陶器市」は1980年代後半から1990年代の高度経済成長期に作られた豪華絢爛な有田の割烹食器を蔵出ししたイベントで、どれも業務用のため一般家庭には流通していなかったレアものばかり。かつては宴席で彩りを加えていた華やかな品々ですが、割烹や料亭が減って販売先がなくなった今、こうした器は廃盤になり窯元や販売店の倉庫に在庫が眠っています。そのノスタルジックさと、現物限りの一期一会の出会いが大きな魅力です。

↓こんな感じの↓

近年は開催されておらず、PASS THE BATONではもうやってくれないのかな…と思っていましたが、今年はACTUSで似た趣旨のイベントが開催されていました(感謝)

最終的に今年の有田陶器市ではWEBもリアルも大満喫しました!今度は晴天時に参加できることを祈ります。

■アルバム ※随時更新


福泉窯
賞美堂本店がプロデュースするオリジナルブランド「其泉」(きせん)のカップ
福泉窯
源右衛門窯
源右衛門窯
源右衛門窯
300年の歴史を持ちながらも当主の急逝により20年以上前に操業を停止した富右ェ門窯の縁金彩山茶花 小付。
福泉窯
福泉窯

《幸楽窯トレジャーハンティング》

《おまけ》

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