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はじめの一歩

カメラにはじめて触れたのは10年前。

ちょうど人前である程度話せるようになった頃だ。

最初はただシャッターを切るだけであった。

人前でどもることを恐れて「はい」しか言えないように。

いつからか、それが作品撮りへと変わっていった。


物語は出会いから始まる

共通の知人がいたことで実現した撮影

彼女との出逢いはコロナ禍の11月。
よく晴れた日のことであった。

SNSで人気投稿によく掲載されていたから、存在は知っていたが、撮影が実現するとは思ってもみなかった。

きっかけは、共通の知人である美容師。
紹介してもらったわけでもないが、元々その美容師を遊び感覚で撮影して、人気ブランドを衣装にしていたこともありいいねが100を超えることが多々あった。

それが自身の名刺代わりとなり、連絡を取ってみたところ快諾してくれた。

アマチュア=何者でもない立場であるから、人とのつながりには随分と助けられる。


モデルは作品の象徴となるから慎重に選ぶ

モデル選びは仕事選びに近い

ポートレート撮影において一番難しいことは、モデル選びである。
特にアマチュアの場合、プロではなく趣味として活動しているため、SNSで撮りたいと思ったモデルに依頼をしても断られることのほうが多い。

”一般の方の撮影は受け付けておりません”

プロフィール欄にこう記載されていた場合は連絡をしたところで断られるのが関の山。

数万人のフォロワーを持つ人気モデルは、条件次第では撮影に応じてくれる場合もあるが、その分料金や求められる作品の質も高い。

求人サイトと同じで、代わりがいくらでもいる仕事は給料が安く、専門的なスキルが必要な仕事ほど待遇もいい。

それはカメラマンの世界においても同じである。

作品がいまの自分の名刺代わりとなる

作品で自らを語れるように

撮影を続けていきたいのなら、作品を残していく必要がある。

バンドにとってデビューアルバムが名刺代わりであるように、
アマチュアであろうと、撮った写真が名刺代わりとなる。

幸運なことに、今の時代にはSNSがあって誰でも気軽に発信していける。

”いい作品は誰かが見つけてくれる”

ぼくの場合世界一厳格な審査サイト「1x」にてSNSでバズらなかった写真が審査を通過し、アワード受賞するに至った。

自分のやってきたことが間違っていなかった。
そう思えた瞬間であった。

いいねの数は人気投票でもあって、作品自体の評価に比例するわけでもない。

毎年モデルを変えて撮っているから、モデル選びはいつも難航している。

オトナになっても吃音症に悩まされる日々と同じだ。

でも、吃音の調子がいい日はスラスラと話せるように、撮影を快諾してくれるモデルがいれば、いい作品を撮れる日もある。

「写真」とは、ぼくの作品であり、記録であり、思い出でもある。

毎日どもる心配しかできなかった学生は、10年の時を経てカメラを通じて人と触れ合うことができた。

撮影は今の自分に対する挑戦であり、過去の自分に対しての希望の光でもあった。

友達を作るには声をかけることから始まるように、作品を残すにはシャッターを切ることから始まる。

そして、撮影は作品撮りへと階段を一つ駆け上った。










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