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神奈川県立歴史博物館と横浜の夜景

今更だけれども、これは書いておきたいと。
昨年の11月のこと。神奈川県立歴史博物館に「足柄の仏像」展を見に行った。


神奈川県立歴史博物館はその建物が国の重要文化財に指定されている歴史的建造物。
ドームを称えた外観が美しい。


「足柄の仏像」は以前に書いた鎌倉国宝館の「寳金剛寺展」の関連企画。


足柄地方の仏像を見る機会はこれまでほとんどなかった。
同展を見て心に残ったことが幾つかあるので、書き留めたい。

・平安仏が多い
 鎌倉国宝館で鎌倉仏を見慣れているため、「これは鎌倉時代のものだな」と何となくわかる。
 「見慣れた仏像とは違う作風だな」と思うと、平安時代のものや地方の仏師が造ったもののことが多い。
 鎌倉周辺に鎌倉期以降の仏像が遺っているのはわかる。
足柄周辺にそれ以前から仏像が遺るほどの文化があったということは気になるところ。

・予想通り素朴な地方仏が多かった
 平安・鎌倉時代は中央(奈良・京都)の仏師の制作と、地方の仏師の制作とに分かれる。
 中央の仏師作の像は洗練されている。地方の仏師の像は素朴であり、違いは容易にわかる。

・江戸期にこの辺りで活動した地方仏師がいる
箱根町 興福院の千手観音像は長勤という仏師の作。長勤と書いて”ちょうごん”と読むようだ。
この長勤は関東を中心に16世紀に活動し、神奈川、東京、埼玉のほか、静岡にも作品が遺っている。
興福院の千手観音像は代表的な作品のようだ。
江戸時代の仏師の名は聞くことが少ないので興味深かった。

・南足柄市 朝日観音堂
朝日観音堂所蔵の像が多く出品されていた。
同展のチラシに写真が大きく使われている毘沙門天龍立像など素朴な平安仏を中心に、15体前後はあっただろうか。
足柄にこのように多くの仏像を所蔵している像があったとは。

奈良や京都の一流仏師作の洗練された仏像だけでなく、最近は地元の人が制作した地方仏の素朴さも刺さるようになった。

小さなお堂でひっそりと、そのような素朴な像が現代まで守られてきたことに胸が熱くなる。

歴史博物館を出で少し時間を潰すと日が暮れて夜景が綺麗だった。
ロープウェイを入れた夜景を撮るのは案外難しかった。



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