尊い民間仏 「みちのくいとしい仏たち」
東京ステーションギャラリーで2/12まで開催されている「みちのくいとしい仏たち」へ。
同展で展示されているのは、何とも愛らしい民間仏。
これまで数多くの仏像を観てきたけど、今回は新鮮な体験だった。
バランスの取れた一流仏師作の美しい仏像とは違う、自由な造形。
専門の仏師が作ったものではないから決してうまくはないけれど、ほんとうの芸術を見た気がした。
体が四角い。どこからがら腕なのか。単純な形だけど表現したいものをしっかり盛り込んである。
合掌する手、螺髪、衣紋、そしてこの表情。
この写真では見えてないけれど、足もイイ。
3の達磨。
目がぱっちり。
昭和のおもちゃの赤ちゃんの起き上がりこぼしを思い出した。
7の鬼。
風呂上がりのおじさんみたいな無防備さを感じるが、足に女性がすがりついているのか?実は怖い鬼なのかもしれない。
専門の仏師が作ったものではないからこその、この造形。
技術的に洗練されていないから、こういう仕上がりになったのだろう。
意図的な造形ではない。
その偶然性が尊い。
今回の像は全て江戸時代の北東北のものだったと思う。
江戸時代の仏像は簡略化、形式化が進んで正直あまり面白くないイメージ。
その一方で魅力ある民間仏が作られていたとは。
魅力ある民間仏は北東北だけのものなのか。
全国各地にまだ知らない愛らしい民間仏が存在しているのではないか。今後、注目していきたい。
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