2020年1月~6月に見た舞台メモ

2020年は体感で2年くらいあったような気がする。1月2月の出来事が本当に遠くに感じた。一度どこかで感想を書いた気がするんだけど、見当たらないので、もう一度書きます。時間がたってうろ覚えすぎるのに長くなってしまったので半年で分けます。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学VS立海 後編』(大阪メルパルクホール)
1月12日マチネ観劇。Wキャストの越前南次郎役は上島雪夫。
主役の越前リョーマが中学に入学して、その年の夏の全国大会で優勝するまでの物語。1stシーズンは8年、2ndシーズンは4年、この3rdシーズン6年かけて、一部のキャストを変えつつ上演された。最後に「テニミュ」を生で見たのは2010年1月「ミュージカル『テニスの王子様』The Final Match 立海 Second feat. The Rivals」の石川公演。今回の作品とほぼ同じ内容の公演だ。不二裕太役大原海輝くんのファンがどうしても見たいというので同行。
会場に入って一番驚いたのは、ちゃんと客層が若返っている点だ。今上演されている部分は漫画連載は10年以上前に終わっている。アニメもその頃終わっているはずだ。1stシーズン当時、ファン層は20代が目立っていたと思う。15年以上たった今も20代が中心だったように見えた。演劇は客層に入れ代わりがないと思っていた。そういう場面を本当に多く見てきた。年数が経つとその分客の年齢も上がる。それは宿命みたいなものだと思っていた。テニミュは違った。テニミュはずっと若年層の観劇の入り口として存在してた。
理由の一つはおそらくチケット代が6,300円と他の舞台ミュージカルと比べて安いことだろう。これは、最初にテニミュを立ち上げたプロデューサーの意向だと本人がどこかで言っていた。当初は5000円台だったと記憶している。高校生でもチケットが買えるように安価な設定にしたそうだ。それが生きているのかもしれない。出演者はほとんどが新人だ。だから可能な料金なのかもしれない。見るほうもここを観劇の入口としていて、その後俳優ファンとなった一部の観客は俳優を追って別の舞台に足を運ぶ。観劇層の裾野を広げる役目を確実に担っていると思う。
さて内容だが、1stシーズンと同じ曲が多かったのですごく懐かしかったし、テンションも上がる。生で見なくなってからもライブビューイングでは見ていたのでキャストも半分くらいはわかる。ストーリー上、今回は3rdシーズン初期の対戦校の俳優も出演している。俳優としてキャリアを何年か積んでの再出演だ。それなりに貫禄があって面白い。圧巻だったのは氷帝学園跡部景吾役の三浦宏規だ。この全国大会決勝戦、原作に跡部は出ているが、ちゃんとした試合があるわけではなく完全に脇役だ。これまでの跡部役はここで(あるいはこの前の公演で)キャスト変更となった。1シーズン通して同じキャストが跡部役を演じたのは三浦が初めてだ。その三浦が圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで強さを見せ付けた。決勝戦の対戦相手である立海の主将・幸村(立石俊樹)に期待していた不気味な強さの印象が薄れてしまった。正直作品としてはバランスがよくなかったと思う。でも半分以上三浦宏規を見に行ったようなもんなので私は満足です。
カーテンコールの後、テニミュではアンコール曲に乗ってキャストの3分の2が客席に降りる(3分の1はステージ上でのパフォーマンス)。これは私がはまっていた頃からそうだったんだけど、今はハイタッチ付だ。軽やかにハイタッチをして走り去る。ファンサービスが強めの舞台を多く見に行っている同行者は「テニミュのファンサは平等」と絶賛していた。どこが人のツボに刺さるかわからないものだとつくづく思った。ちなみに通路に近い席だったので、遠山金太郎役平松來馬くんにハイタッチいただきました。アンコール曲も移り変わりがあって1stからこれまでに何曲もあったんだけど、今回はこれまでの曲をメドレーにしたもので、古いファン(私)も大喜び。テニミュ、抜かりなし。
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学VS立海 後編』
東京:2019年12月19日(木)~12月24日(火)日本青年館ホール
大阪:2019年12月28日(土)~2020年1月12日(日)大阪メルパルクホール他
出演キャスト
(青学)越前リョーマ 役阿久津仁愛、手塚国光 役青木 瞭、大石秀一郎 役江副貴紀他
(立海)幸村精市 役立石俊樹、真田弦一郎 役田鶴翔吾、丸井ブン太 役大薮 丘他
(不動峰)伊武深司 役健人、(聖ルドルフ)不二裕太 役大原海輝、(山吹)亜久津 仁 役川上将大、(氷帝)跡部景吾 役三浦宏規 、日吉 若 役内海啓貴、(比嘉)田仁志 慧 役高田 誠、(四天宝寺)白石蔵ノ介 役増子敦貴 、遠山金太郎 役平松來馬
越前南次郎 役森山栄治/上島雪夫

二兎社『私たちは何も知らない』(能登演劇堂)
2月9日観劇
能登演劇堂は両親と観劇するという流れが出来上がっている。運転して両親が退屈しないようにそれなりにしゃべっていると、開演後疲れて眠気に襲われるのが困る。この作品も冒頭30分くらい記憶にない。なので途中から観たことになるんだけど、ものすごく面白かった。「明治〜大正期に発行された雑誌「青鞜」の編集部を舞台にした」(二兎社HPより)物語だ。編集部の中心人物は平塚らいてう。朝倉あきが演じた。もう一度、ちゃんと最初から見たいと強く思った作品。NHK BSプレミアムで放送されていたようだが、我が家では視聴できない。昔、地上波であった「劇場中継」が復活して欲しい(中継といっても生放送ではない)。
同行の母が「みんなしていたらつけようと思って」といってマスクを持参していた。ほとんどつけている人を見かけなかったので、実際はつけなかった。
二兎社公演43『私たちは何も知らない』
出演:朝倉あき 藤野涼子 大西礼芳 夏子 富山えり子 須藤蓮 枝元萌
2019年11月29日(金)−12月22日(日)東京芸術劇場シアターウエスト
2020年2月8日(土)-9日(日)能登演劇堂 他

こまつ座『イヌの仇討ち』(金沢市民劇場例会)
2月18日(土)19日(日)
新解釈的な触れ込みだった。HPには「果たして吉良上野介は本当に悪者だったのか...」というあおり文句があった。しかし、吉良上野介が地元では評価の高い藩主であることはすでに知られているのではないだろうか。斬新さを全面に出して期待値を上げていた分、がっかり感があった。こまつ座の作品は時代を超えて響くものも多いが、これは時代から遅れてしまった作品だと思った。
この公演で「咳が出るから2階席で見る」という方がいた。いよいよコロナウイルスを意識し始めた頃。
こまつ座『イヌの仇討ち』
大谷亮介、彩吹真央、俵木藤汰、植本純米他
2020年1月17日(金)〜19日(日)横浜市泉区民文化センター テアトルフォンテ ホール
2020年1月20日(月)〜2月19日(水) 全国演鑑連中部・北陸ブロック協議会 他


チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム森』(金沢21世紀美術館)
2月21日(日)鑑賞
この作品は現代美術と演劇とのコラボレーション。解釈が自由すぎて私には難しいものだった。だが、観劇仲間と感想のシェアをしているうちに判ったような気になった。
この作品は特に地元以外の人が興味を持っているように感じていた。会場にも県外の人が多いだろうと思って、この日はいつ買ったかわからないけど手元に1枚だけあったマスクを付けて美術館に行った。当時世間ではマスクが手に入らなかったのと、まだ手作りマスクが普及していなかった頃で、マスク率は低かった。地元の友人はいざというときに残しておいたマスクをこの日のために付けてきていた印象。

その後観劇予定だった、東演『マクベス』(金沢市民劇場)が延期になり、ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳』(オーバードホール)、ミュージカル『エリザベート』(御園座)は中止になった。

以下は自分のための覚書。
ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳』(オーバードホール)
演出:白井 晃
出演:三浦春馬、生田絵梨花、平間壮一/東 啓介(Wキャスト)、鈴木瑛美子/MARIA-E(Wキャスト)、福井昌一、矢田悠祐、藤田玲、安崎求 他
2020年4月4日(土)12:00開演、17:00開演
2020年4月5日(日)12:00開演(この公演を観る予定でした。Wキャストは東啓介、鈴木瑛美子)

ミュージカル『エリザベート』(御園座)
6月13日(土)に観劇予定でした。
エリザベート  花總まり、トート  古川雄大、フランツ  佐藤隆紀、ゾフィー 涼風真世、ルキーニ  黒羽麻璃央、エルマー 植原卓也 他

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