407 晩年の人生を生かす三つのキーワード

 「一日一生」「人生、百年の計」「石の上にも三年」の三つの言葉をキーワードとして組み合わせ、これからの人生を構築してみました。
 人生、百年の計を立てると言っても、あと三十年足らずとなりました。しかし、生まれてからの三十年を振り返る時、かなりの時間であるとも言えます。長い修学期間を経て、就職、結婚までの時間が残されている訳ですから、とても長く、また有意義に感じられます。
 そう考えると、七十一歳の今は、さしずめ一歳のよちよち歩きの頃となり、思わぬ若返り(若返りすぎ!!)の魔術にかかりました。孫の年齢と一致するだけに、大学卒業までの二十二年間を今一度、孫と学べると思えば、何と楽しいことでしょう。
 失敗や後悔の多かった時代でもあり、夢多かりし時代でもあった期間を再度やり直せるなんて、どこか嬉しくなります。
 百歳までの三十年間を、このように充実して過ごせるならば、納得の人生と言えるのではないでしょうか。
 まずは、百歳まで生きるという心づもりで取り組むことが前提となります。そして、過去七十年間の経験をこれからの三十年に生かさなければ、今まで生きてきた甲斐がありません。
 その過去の経験に照らして考えて見る時、やりがいや達成感を覚える段階に至るまでには「千」という数字が一つの目安として浮かび上がってきます。そして千日は、一日一日の積み重ねとして捉えると三年に当たります。毎日、一枚・一題・一曲・・・・・を三年間こなしていけば到達できる位置にあります。まさに「石の上にも三年」なのです。
 三年を一区切りにすると、百歳まで十回分の挑戦権を得る事になりますし、「一日、一生」のつもりで三十年分を過ごすと質の高い三十年となります。
 眠りに就いた状態は、意識が自分から離れているのですから、毎晩迎える睡眠は死を意味します。三十年間で一万回も死ぬ練習をした後、本番が待ち構えているのです。
 同時に目覚めという再生も一万回経験できるのですから不思議な気がします。最後の一回にも目覚めが来そうな気になってきませんか。
この三つのキーワードを一つの表現にまとめると
 「百歳までの三十年間を三年単位で区切り、一日一生の心がけで生きる」
という事にでもなるでしょうか。
そして、三年の間、裏では「千」という数字が土台となって支えてくれることになります。千回の死と再生の繰り返しが波のように押し寄せて来るとも言えます。
そのクルーが十回もあるのですから、残りの人生を堪能できるというスタイルを私流の生き方にしたいのです。
 五木寛之氏の「下山の思想」にも説得力がありましたが、私的にはどことなく受け入れ難いところがありました。それはきっと、人生を山に例えているからでしょう。
 人生をマラソンに例えたら後半にクライマックスを迎えることになり、全く別の見え方に至るのではないでしょうか。人にはそれぞれの人生があって、例えたい事柄は千差万別です。
 私は「下山」と言うより「再生」に焦点を合わせたいと思うのです。私の過去は、孤独や寂しさから如何に自分を立て直すかの連続だっただけに、定年後に費やす時間は、やりがいのある、明るく穏やかな状態に包まれて過ごしたいという願いが強くあります。そして、最後までそうありたいと思っています。
 力みなく、それでいて淀みなく、成すべき目標を設定しながら日々を積み重ねたいものです。

 【気付きと対策】

 ※ 人生百年の時代となりました。これから百歳までの三十年を計画してみることも必要な段階に至りました。

・ 三年間、およそ千日を一単位として、一日一生のつもりで納得のいく日々を重ねることにすれば、十単位取れることになる訳ですが、その時は充実感に溢れて卒業できるのでしょうか?

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