408 書いて、歩いて、整えて

 何事においても、最初からクライマックスが訪れるなんて事はあり得ません。そして、好調を維持したいと誰もが願っています。
 それだけに、事に当たって、導入方法や取り組み方が果たす役割は大きな意味を持ってくると言えるでしょう。どれだけ目的の方向へ無理なく移行できるかが問われます。
 私にとって「書く」「歩く」という行為がその役割を果たしてくれているのです。
 準備運動的な役割の「書く」は主に書写を、「歩く」は室内ウォークを用います。そして、本番としての「書く」は随筆原稿や着想筆記、行動記録に当てられ、「歩く」はジムや野外でのウォーキングに費やされ、日々一万歩を目標にしています。
 思うように書け、充分に歩けた時の満足感には格別のものがあります。
 「整える」については、今日取り組んだ事を振り返って記録し、まとめるのを日課としていますが、大局的には、過去に歩んできた事々を含めて、生活全般を整理整頓することを意味します。
 一人暮らしを余儀なくされてからは、身の周りの生活環境を整える事が最大の課題となっています。七十歳を越えた今、穏やかなペースで時間を経過させながら、過去からの蓄積を系統的に整えてみたいと思うようになりました。
 長い年月の経過で積み重ねた物の中には、一目で不要と判断出来る物に溢れています。それらを分別し、整理するだけでも結構な仕事量になりそうです。
 七十五歳で車の免許を返還しようと考えており、返還後の有り余る時間を利用して整理に当てようと目論んでいました。それまでの四年余りはせいぜい車を使って行動範囲を広く取り、趣味の世界に浸り込もうと計画していたのです。
 しかし、その考えの甘さに気付きました。
 車の免許を返還してしまうと整理能力が極端に落ちるのです。不要物を迅速に処理できなくなる事を考えると、免許返還前の今こそが最適の整理期間なのです。
 「書く」「歩く」はそれなりに軌道に乗っており、今がまさに「整える」に集中すべき時であると思われます。
 俄然、やることが現実味を帯びてきました。身体が動き、車を利用できる今を取り逃すと、簡素で無駄のない老後の環境を確保出来なくなってしまいそうです。
 また一面、家の中にあって整理に時間を費やす事は最高のゲームにもなります。何を捨て、何を残すかを考えるだけでも頭の体操になりますし、精選された物を美的に、機能的に配置するのはリハビリ運動にもなります。
 歳を重ねるほどに整理能力が衰えるのは致し方ないとして、その分は時間を充分かけながら実施するのが唯一の解決法です。
 七十五歳で免許を返納した後の生活を思い描いた時、家の中での行動が主となるだけに「歩く」と「書く」で自分の体力と知力を維持しながら、たゆまず環境を整える事を仕事として過ごしたいと考えています。
 「歩く」「書く」「整える」はこれからの私にとって毎日の生き方に活力を与えてくれる三種の神器となりそうです。


 【気付きと対策】

 ※ 「歩く」「書く」で、体力・知力を維持しながら、生き方を「整える」のは、これからの人生を歩む基本姿勢となります。

 ・ 歩く・書く・整えるのバリエーションを豊かにすることが晩年の生きがいにも繋がる大切な要素と言えそうです。

 ・ 車のない生活を今から準備しておくことは、誰にとっても有意義なことでしょう。

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