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対話と議論

セイックラ+アーンキル『開かれた対話と未来』。オープンダイアローグの解説のベスト盤といったところ。

セイックラ+アーンキルは、対話とは技術や方法論でなく、態度だという。他者に向かう態度。他者を尊重することに向けた。相手の話を受け止めることが、他者性の尊重の在りかただと。自分とはどこまで行っても異質な他者を受容すること。

学問の現場では、議論のために反論や説得といった技法やレトリックを使うことが多い。けれどもそれは対話の態度とはまるで正反対のことがらでもある。確かに確実な知識を求めるためには、学問的な議論の工程は必要だ。でもそうした知識を生み出し支えるはずの思考の自由な流れを促進するため、あるいはそういう知識を実際に使う現場では、対話の実践は欠かせない。知識はつまるところ主観的にしか接近できないし、その主観同士がかかわる現場が対話だ。そういう現場の在りかたは忘れないでおきたい。

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