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ゴミ箱行きのラブレター

僕が1番最初にラブレターを書いたのも貰ったのも小学校6年の時で、相手はなんとなく覚えているけれど、内容はまったく覚えていない。

ラブレターと言っても、今時は手紙なんか書かないでLINEやメールで送るのでしょうが、僕が子どもの頃は、下駄箱の靴の中にそっとラブレターを忍ばせたり、忍ばせてあったり。そんなのもドキドキして良いものですけど。

さて、雑誌の編集をしたり広告やパンフレットのコピーの作成、商品企画、写真撮影などの仕事をさせて頂いていますが、どの仕事も読者や消費者とのコミュニケーションが根底にあります。

昔、バブルの頃からでしょうか、「広告はラブレターだ」というような言い方が広告業界でもてはやされた事がありました。今でもそれを言う人がいますが、

要は、商品の機能や質で差別化するのが困難なほど身の回りのモノのレベルが高い所で均質化してくると、情緒的なメッセージで消費者に訴えかけるのがマーケティング上有効だって言うわけです。

でも、ラブレターって好きな人からもらったら嬉しいけど、好きでもない人や大嫌いな人からもらったら、うざい、気持ち悪い、場合によっては怖い。

ラブレターって基本、一方通行。相手の気持ちなんてお構い無し。
そこにコミュニケーションは成立していないんですね。
僕はこんなに貴方が好きなんですって熱くなればなるほど相手の気持ちは遠のいて行く。

スパムメールと同じです。

広告は企業と消費者とのコミュニケーションのはずが、一方通行のラブレターみたいな広告ではコミュニケーションが成立しないんです。

基本、広告は邪魔者です。
消費者は売り込まれる事を嫌う。押し付けられる事を嫌う。
それを前提に仕事をするのがこの業界の人たちなんですが、今だにラブレターのような一方的な自己満足の広告を産み出し続けている。

紙媒体やウェブメディアも同じで、発行元や編集部が、これを載せたい、あれを載せたいと発信側の一方的な都合でコンテンツを作る。
特に無料の観光案内パンフレット、会社案内、広報誌、ホームページなどは、読者、受け手の興味無視で作るからお金と労力をかけた割には、ほとんど効果が上らない。渡された方はチラっと見ただけでゴミ箱行きという無残な事になるわけです。

ラブレターって書いた事も、もらった事もありますが、まあ何とも恥ずかしく、身勝手なモノでした。

自分のことを好きでもない相手に自分の気持を伝えるって、恋愛でなくても難しいものです。下手をすると、ラブレターを送る前は嫌いでも好きでもない関係だったのが、ラブレターを送ることで、嫌われてしまう関係になる危険性も大きい。

でも、それでも想いは伝えたい。伝えないと恋は叶わない。

ゴミ箱行きのラブレターにならないように・・・。

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高柳豊

ブランドプランナー/エディター/フォトグラファー/(金沢在住) https://www.facebook.com/kanazawajikan https://peraichi.com/landing_pages/view/kanazawajikan
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