役者とアイドルと「本物の身体反応」の話――「+act.」2023年10月号を読んで
「+act.」2023年10月号を読みました。
この号には映画「おまえの罪を自白しろ」関連で、主演の中島健人さんや監督の水田伸生さん、プロデューサーの石塚慶生さんのインタビューが載っています。
水田さんも石塚さんも主に中島さんの話をされているのですが、水田さんのインタビューに面白いお話がありました
初めて会ったのはドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課」の現場に陣中見舞いに行ったときだったとのこと。そのときの詳細はぜひインタビューを読んでいただきたいのですが、水田さんがノリで言った「ヨーイ!」への中島さんの反応速度について、次のように語られています。
面白いと感じたのは、このエンターテイナーとしての力を水田さんは役者のスキルとして評価しているところです。
これを読んで、なるほどたしかに反射スピードとセンスは大事だなと思いました。脚本があるといっても周りの人の演技があっての自分の演技でしょうし、アドリブが入ることもあるでしょう。そこにいかに反応できるか。「本物の身体反応」を見せられるか。それが俳優のスキルだと言われれば納得です。
そして水田さんは、中島さんのこの反射スピードとセンスの裏にアイドル/ジャニーズとしてのキャリアがあると分析しています。自分以外の他者に目を向けることやステージで起こったことに反応できることが求められる世界で生きてきたからこそ、自分以外の外側の全方位に意識が向けられる。だからこそ「お芝居を越える真実の反応」ができるのだと。
アイドルと役者は別の存在として語られることが多いように思いますが、アイドルとして培った力がこのように評価されているのを読んで思わず涙ぐんでしまいました。自分はアイドルとしてステージの上で輝くケンティーに魅了されて好きになったので、アイドルとしての日々が役者としての日々の糧にもなること、ケンティーの世界を広げてくれることをどうしても願ってしまうんですね……。
また、この反射スピードとセンスについては、中島さん自身も意識的に大事にしているように感じました。まったく同じ話をしているわけではないのですが、インタビュアーさんとのやり取りに同じものを感じます。
この他にも「撮影前の段階で自分ひとりで答えを固めてしまうのはどうなんだろう」と思っていたこと、だからこそ映画「桜のような僕の恋人」で深川栄洋監督に言われた「健人君は準備しないほうがいいかもしれません」という言葉が「スッと入ってきた」ことについても話しています。
中島さん自身の意識と周りからの評価が上手く重なっているんだとしたら、それは努力が実を結んでいるということなんじゃないでしょうか。うは~~今から映画が楽しみだな……。
このほかにも水田さんのインタビューには「ケンティはシーンが求める『段階』を決して越えない賢い人」「共演者に対する尊重が素晴らしい」など、ファン必見のお話が多々。
石塚さんのインタビューにはキャスティングの理由や印象的なシーンについてのお話が読めるだけでなく「健人さんには未来しかない」「スターであり、プロデューサー」といったファンとしては涙なしには読めないコメントも。WOWOWの番組までご覧になっているなんて……と感動せずにはいられませんでした。
ケンティーのインタビューにはドラマ「Concordia」の話も載っていますし、本当に買ってよかった一冊です。永久保存版として、大事にします。素敵な号をありがとうございました。
Instagramのプロフィール欄に書いてある「Actor/Artist/アイドル」としての活動をこれからも楽しめますように。
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