メークドラマ

日曜日。いつもより早い時間に家を出た。荷物は最小限。ヒロキにもらったコンバースを履いて歩く。空港に着いて、作り置いてくれていたおにぎりを食べた。ふだん見上げる空の中の窓から見る景色、雪解けの季節だから山肌がくっきりしていてよかった。なにもない3万6千フィートの上空を飛んでる実感はいつも不思議。アナウンスのとおり東京は雨。期待してた春めくあたたかさは着いた瞬間に裏切られて薄着を後悔した。成田から東京に乗るバスでユリさんに出会った。東京駅はいつも通り人が多い。せっかく早めの便で着いたから御茶ノ水に降りる。楽器屋ではいやでもギターに目がいく自分がベースをじろじろ見ているのが少し可笑しかった。

16時。お腹が空いたので西荻窪へ。オーケストラのサグチキンのカレーをいただく。何度でも行きたい場所だ。コーヒーもすばらしかった。母の本棚から新しく引っ張ってきた文庫を読む。お客さんと店主の会話にかなり気をとられた。お店の人とも今度は話をしてみたい。そして三鷹おんがくのじかんへ向かう。三鷹のパレードというレコード屋であやうく5枚ぐらい買いそうになるも、荷物を増やしちゃならんので我慢した。おんがくのじかんは、住んでた頃に行けなかったのを悔やむ場所のひとつ。佐古さんと倉内太さんのツーマンライブ。20人ぐらいでいっぱいになる場所に40人はいた。寿司詰めだったけどいい演奏聴けた。行きたい場所なら、行けばいいだけだから僕はここでライブするんだろうなと思う。三鷹ってこういう景色なんだなあとうきうき歩きながら、高円寺へ向かう。電車の発車のメロディも人混みすらも僕の気持ちをうれしくさせた。友達の家で乾杯して、なぜか23時にカラオケへ行って帰ったのは7時だった。

翌日は、バーンイサーンの17:30までのランチタイムでナンプラーチャーハンを食べてスタジオコヤーマへ。大好きなスタジオで、バンドの初顔合わせ。初音合わせ。3人で音出してたところにいちおう一人目のメンバーである僕が遅れて参加するという不思議。イタル、万智さんに会うのを楽しみにしてた。いかしたふたりに同時に初対面するなんて贅沢だ。あれこれ話して試しながらやってみて、まだまだこれからなんだと思ったんだけど、みんな4人が揃って音を出すことに高揚。だってこれからなんだぜ。お酒飲みながらバンド名の話など盛り上がり二軒目の途中で僕は寝ました。ゆっくりまた話したいな。

翌朝はモーニング食べながらサイフォン式のコーヒーが出来上がるところを眺めた。公園でグリーンラベル飲んだ。意味もなく酒屋を偵察した。夕方小杉湯に浸かって身体を伸ばして軽い身のこなしで、きど藤→トリツカレ男→とわわ?→店の名前忘れた→ペリカン時代へと夜を伸ばした。仕事を終えた諒と待ち合わせて船戸荘へ。諒と味噌汁飲みながらストリートビューみて遊んで寝た。

ペリカン時代いく手前の店で寝た友達を置いてっちゃったんだけど、ペリカン行ったら魚雷さんがいて嬉しかった。日常学事始のことや吉行淳之介をあれから読んでるってこと会ったら言いたかったから。前に何度か顔を合わせて話したことのある女の人もいて、ペリカン来たって感じがあった。

今回はちょっと遊びすぎたかなと思うところはあるけどせっかく有給含む6連休だし、新しいバンドが始まったし、仕事も決めてきたし、よしとしよう。まちがいないなって確信できたわけだし。

行きたいところは自分で決める。好きなものも自分でわかる。音がしてるほうへいくんだ。いいにおいのするほうへいくんだ。よく酔ってよく話し合えるのが大好きなのは心が動くからなんだなってわかった。

船戸荘を出て高円寺駅まで歩いて東京駅から成田のバスに乗った。身軽な旅っていいね。東京も札幌も晴れてないみたいだから景色には期待できないかな。家に戻ったらギターを取ってローグへ行く。今日は赤と青のライブだ。

時はちゃんと刻々と迫ってきてくれてる。
まだしなくちゃいけないことがずいぶんあるな。

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